北大路機関

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新護衛艦かが(DDH-184KAGA)竣工!海上自衛隊全通飛行甲板型護衛艦四隻体制の完成

2017-03-22 18:44:41 | 海上自衛隊 催事
■くらま,海上防衛任務を完了
 加賀復活。本日、海上自衛隊の我が国海上防衛における歴史的な護衛艦の世代交代が完成しました。

 護衛艦かが、全通飛行甲板型護衛艦いずも型2番艦で、満載排水量27000t、全長248m、全幅38m、艦内の格納庫には14機のヘリコプターを収容可能で、飛行甲板係留を含めれば20機以上の航空機を集中運用可能です。旧海軍開戦時最大の空母加賀の名を踏襲し、排水量こそ加賀に及びませんが、空母加賀全長は238m、これを超える大型護衛艦の誕生です。

 海上自衛隊は、ひゅうが、いせ、いずも、かが、と四隻の全通飛行甲板型護衛艦を揃えるに至りました。全通飛行甲板型の艦艇、軽空母等の水上戦闘艦はイギリスでの垂直離着陸可能な戦闘機ハリアー開発以来、戦術価値が増大し、イギリスやスペインにイタリアやインドにタイ等の各国が挙って建造や改造しましたが、四隻揃える国はありませんでした。

 全通飛行甲板型護衛艦を四隻揃える意味とは、全通飛行甲板型護衛艦の卓越した航空機運用能力を複数方面へ即座に同時展開させる能力を向上的に維持できる事を意味します。海上自衛隊の護衛艦隊にはイージス艦やヘリコプター搭載護衛艦と護衛艦の8隻を基幹とする護衛隊群が四個あり、四隻の全通飛行甲板型護衛艦により各群へ揃う事となった訳です。

 はるな、竣工の1973年から海上自衛隊におけるヘリコプター搭載護衛艦の歴史は始まりました。ヘリコプター搭載護衛艦は米海軍などで空母艦載機として運用される大型対潜哨戒用ヘリコプターを3機集中運用する対潜中枢艦として建造されています。これは対潜哨戒ヘリコプターが海面下直接ソナーを展開させる事で高度な対潜任務能力構築を期しました。

 くらま、海上自衛隊はヘリコプター搭載護衛艦を、はるな型の護衛艦はるな、ひえい以上2隻、続いて、護衛艦しらね型の、しらね、くらま、を建造しました。はるな竣工当時は基準排水量4700tと第二次世界大戦敗戦以来久々の大型護衛艦として建造され、従来の海象名称や河川名称を改め、戦艦榛名を踏襲する山岳名が冠せられた事で意気込みがみえます。

 かが、竣工は、ヘリコプター搭載護衛艦4隻が全通飛行甲板型ヘリコプター搭載護衛艦へ全て転換する一大事業が完了した事を意味します。はるな、は2009年に全通飛行甲板型護衛艦ひゅうが、により置き換えられます。ひゅうが、旧海軍の航空戦艦日向を踏襲する新型護衛艦、その満載排水量は、はるな6800tに対し、ひゅうが19000tと大型化しました。

 はるな、ひえい、しらね、既に除籍され、惜しまれながら、くらま除籍、しらね型くらま、は満載排水量7200tと建造当時では海上自衛隊最大の護衛艦でしたが、いずも型かが、は満載排水量27000tと更に大型化しました。四隻のヘリコプター搭載護衛艦は四隻の全通飛行甲板型護衛艦へ、2009年から2017年までを要し交替する一大事業が、完成した訳です。

北大路機関:はるな くらま
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コメント (8)
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