■総集編航空防衛力280機
前回に続き総集編の後篇となります、専守防衛開戦即本土決戦と航空優勢について。
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戦闘機280機、という限られた現在の防衛計画の大綱水準の中で、自衛隊が強大な中国空軍や最高著しいロシア空軍の軍事圧力に対抗するには、作戦機の質的向上や多用途機の中での早期警戒機の強化、輸送機の大型化、また防衛大綱に明示されていない基地機能等の拡充を行う事で、ある程度の質的な意味での防衛力の強化を抑止力維持が可能でしょう。
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戦闘機280機での防空作戦を実施するとした場合、どうしても必要なのは空輸能力です。戦闘機部隊基地へ輸送機での兵站連絡線を維持しなければ防空作戦は維持できません。C-1輸送機は8tの物資を輸送しますが、F-15Jは空虚重量12973kgで最大離陸重量30845kg、F-2支援戦闘機の空虚重量は9527kgで最大離陸重量は22100kg、戦闘機の消費量は大きい。
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現在の輸送機の定数はC-130やC-1という輸送機の他に、CH-47等を含めた作戦機の定数で示されており、輸送機の定義を変更させる事で、防衛大綱の定数上限内での輸送機増強は可能です。そこで、小牧基地、入間基地、美保基地、に展開する三個飛行隊に加えまして、もう一個、千歳基地か松島基地若しくは日米共同運用の横田基地に飛行隊が必要だ。
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輸送機四個飛行隊を確保出来たならば、北部航空方面隊や中部航空方面隊に西部航空方面隊と南西航空方面隊と航空方面隊の数と同数の輸送航空隊を確保する事が出来ます。輸送航空隊は15機程度を定数としていますが、この編成を米空軍横田基地の第374輸送飛行隊の様に輸送機定数を各飛行隊で20機とし、全80機程度の輸送機を確保できれば望ましい。
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早期警戒機などの増勢はE-2D早期警戒機の増勢を行うと共にE-767早期警戒管制機の近代化改修継続的実施により担保されていますが、重ねて空中給油輸送機の増強など、作戦機全般の数的充実を継続的に実施しています。戦闘機を純粋に増強させるという選択肢は確かに防空能力を強化しますが、制空戦闘はシステム化され、戦闘機だけではありません。
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基地機能を強化する、という施策も防衛計画の大綱に示されない防空能力強化に繋がります。戦闘機を地上で撃破されない体制を構築する、滑走路を破壊されても迅速に復旧できる体制を構築する、レーダーサイトの機能を維持するための施策、全て防衛大綱には基地機能を充実させる事で制約はありません。大綱の枠内ではこうした視点もあり得るのです。
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基地機能の維持、重要となるのは防爆施設を可能な限り建設すると共に可能ならば地下化工事を推進する事でしょう。重ねて、戦闘機をミサイル攻撃などから防護できる設備の建設、例えば強化型掩体として航空機及び施設群を防備する施策でも対応可能です。敷地上難しいのであれば、有事の際に可搬式航空格納庫へ一機一機を離隔配置する選択肢もある。
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その上で同盟国アメリカからの有事の際のミサイル等戦闘関連物資の緊急調達を行い、継戦能力を確保する、この為に長距離空輸能力を持つC-2輸送機や、航空貨物輸送の集約施設を、例えば成田空港や関西国際空港等に配置し、大量に消費される様々な物資を緊急調達し、戦略航空輸送拠点において管理する、という施策も防空能力を強化できるでしょう。
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ただ、これらの施策には現在の武力攻撃事態法では限界がある部分が多く、空港施設全般の応急掩体建築には航空自衛隊方面施設隊や、陸空作戦協定に基づく陸上自衛隊方面施設団の協力支援だけでは対応できる限度を超えています。平和憲法に基づく専守防衛を国是とする以上、開戦即本土決戦、当然、この現実に対応する新法整備が不可欠となります。
北大路機関:はるな くらま
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前回に続き総集編の後篇となります、専守防衛開戦即本土決戦と航空優勢について。
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戦闘機280機、という限られた現在の防衛計画の大綱水準の中で、自衛隊が強大な中国空軍や最高著しいロシア空軍の軍事圧力に対抗するには、作戦機の質的向上や多用途機の中での早期警戒機の強化、輸送機の大型化、また防衛大綱に明示されていない基地機能等の拡充を行う事で、ある程度の質的な意味での防衛力の強化を抑止力維持が可能でしょう。
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戦闘機280機での防空作戦を実施するとした場合、どうしても必要なのは空輸能力です。戦闘機部隊基地へ輸送機での兵站連絡線を維持しなければ防空作戦は維持できません。C-1輸送機は8tの物資を輸送しますが、F-15Jは空虚重量12973kgで最大離陸重量30845kg、F-2支援戦闘機の空虚重量は9527kgで最大離陸重量は22100kg、戦闘機の消費量は大きい。
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基地機能を強化する、という施策も防衛計画の大綱に示されない防空能力強化に繋がります。戦闘機を地上で撃破されない体制を構築する、滑走路を破壊されても迅速に復旧できる体制を構築する、レーダーサイトの機能を維持するための施策、全て防衛大綱には基地機能を充実させる事で制約はありません。大綱の枠内ではこうした視点もあり得るのです。
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基地機能の維持、重要となるのは防爆施設を可能な限り建設すると共に可能ならば地下化工事を推進する事でしょう。重ねて、戦闘機をミサイル攻撃などから防護できる設備の建設、例えば強化型掩体として航空機及び施設群を防備する施策でも対応可能です。敷地上難しいのであれば、有事の際に可搬式航空格納庫へ一機一機を離隔配置する選択肢もある。
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その上で同盟国アメリカからの有事の際のミサイル等戦闘関連物資の緊急調達を行い、継戦能力を確保する、この為に長距離空輸能力を持つC-2輸送機や、航空貨物輸送の集約施設を、例えば成田空港や関西国際空港等に配置し、大量に消費される様々な物資を緊急調達し、戦略航空輸送拠点において管理する、という施策も防空能力を強化できるでしょう。
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ただ、これらの施策には現在の武力攻撃事態法では限界がある部分が多く、空港施設全般の応急掩体建築には航空自衛隊方面施設隊や、陸空作戦協定に基づく陸上自衛隊方面施設団の協力支援だけでは対応できる限度を超えています。平和憲法に基づく専守防衛を国是とする以上、開戦即本土決戦、当然、この現実に対応する新法整備が不可欠となります。
北大路機関:はるな くらま
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