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陸上防衛作戦部隊論(第六四回):装甲機動旅団再検討日本版機甲支隊、四単位編成の模索

2017-11-20 20:07:31 | 防衛・安全保障
■中隊戦闘群,17両編成AFV試案
 戦闘部隊は単なる部隊編制ではなく、戦術単位として実任務に当たる際に、集合分散を駆使し机上の戦術を実運用に反映する事を考えねばなりません。

 装甲機動旅団隷下に連隊戦闘団を編成する場合、連隊戦闘団に配属される部隊は特科大隊と施設中隊に後方支援連隊普通科直接支援中隊や衛生小隊と通信小隊、旅団編成ながら装甲機動旅団は特科隊ではなく特科連隊を維持する、としました背景には連隊戦闘団の独立戦闘能力を重視した為ですが、配置を転用すれば、連隊隷下に新しい作戦単位を置ける。

 新しい作戦単位の在り方の重要度は、従来案を戦車中隊に機械化普通科中隊を加えた機械化大隊と軽装甲機動車に対戦車中隊を加えた捜索大隊、という編成を提示した一方、相互の運用互換性が無く、一方が大きな損耗を受けた場合、特に機械化大隊の攻撃衝力を捜索大隊が代替する事が出来ず実質単一大隊に他ならないとの厳しい実情の解析に依拠します。

 装甲戦闘車化普通科小隊は各普通科中隊に3個小隊編成として6個小隊、軽装甲機動車中隊は3個小隊編成、各小隊は4個班編成という、戦闘基幹部隊である中隊は3単位編成であり、第一線部隊は4単位編成、従来の自衛隊運用方式を採用しました。一方、第一線部隊を3単位編成とし戦闘基幹部隊を4単位編成という部隊編成も各国に採用されるところ。

 4単位編成中隊を採用した場合、小隊規模は縮小しますが、装甲戦闘車小隊は8個小隊で軽装甲機動車小隊は4個小隊となります、すると各中隊から小隊を抽出し、再編成した場合、机上の論理では3個中隊を構成する小隊から、2個装甲戦闘車小隊と軽装甲機動車小隊を基幹とする混成中隊を4個編成する事が可能となります、この試案の意味する点について。

 戦車中隊長の位置づけから、この試案を提示しました。普通科中隊長は3個中隊を基幹としますので、3名の指揮官が連隊長の隷下に集っている訳ですが、連隊戦闘団編成に際しては、此処に戦車中隊長が加わります、戦車中隊長は中隊を指揮し、戦車部隊が一体となり運用される事が理想ですが、機械化大隊一個へ戦車を全て集中しては運用柔軟性を損なう。

 戦車中隊は戦車小隊を1班と2班へ分散運用する必要性から4両編成の小隊とする必要性を強調して参りましたが、運用上は臨時に中隊先任曹長を第4小隊長として、各戦車小隊から1両を抽出、臨時に3両編成小隊を編建てし、戦車中隊隷下を3単位編成から4単位編成とする事は不可能ではないでしょう、その上で戦車中隊長へも普通科部隊を配置する。

 戦車小隊に2個装甲戦闘車小隊と軽装甲機動車小隊、戦車3両と装甲戦闘車7両に軽装甲機動車7両、もしくは、戦車4両と装甲戦闘車6両に軽装甲機動車7両、装甲車両は重装備に軽装甲混成ながら17両を基幹として、中隊戦闘群を編成する事が可能となります。勿論、本案は予備車が限られ、機動打撃を展開するには攻撃衝力持続性の限界は否めません。

 装甲中隊戦闘群、と仮称する編成案ですが、防御に重点を置く場合には、防衛正面を広く維持し、いわば連隊戦闘団の分散運用を可能とする視点です。装甲化が不十分であれば、分散運用は各個撃破へ繋がる懸念がありますが、装甲部隊の利点は機動力が高く集合と分散が容易である点で、三方面と予備隊という同一編成の4単位部隊を連隊長隷下に置ける。

 無論、この編成案は固定案ではなく、攻撃前進下の攻撃衝力持続性が重視される場合には機械化大隊と捜索大隊、防御戦闘に際しては頑強な戦闘力が求められる状況化では4個装甲中隊戦闘群を置く、原則論として中隊が重視され、中隊長の位置づけを第一として戦闘序列を組み立てるという前提ではありますが、戦術単位を複数持つ事は選択肢を広めます。

北大路機関:はるな くらま
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