■有事即応!第15即応機動連隊
善通寺駐屯地祭、G7X撮影写真は16式機動戦闘車筆頭に前回の前篇に続き後篇を紹介しましょう。
16式機動戦闘車、通称16MCV、MCVは元々92式地雷原処理車の略称でしたが、機動戦闘車に譲られました。従来、伊丹駐屯地で展示、第14戦車中隊の16MCV写真を多用していましたが、即応機動連隊所属車両の写真を撮影、旅団長の新制服と共に“初物”です。
善通寺駐屯地祭、即応機動連隊に注目が集まる行事でしたが、中部方面特科隊への第14特科隊の改編や第14高射特科中隊の第14高射特科隊への拡大改編、第50普通科連隊の中隊旗が一振増え重迫撃砲中隊が新編される等、旅団の増強改編も多々注目点がありました。
第50普通科連隊の増強改編、当初は第15普通科連隊の即応機動旅団への改編に伴い第14特科隊や第14戦車中隊が廃止される事から、第50普通科連隊は旅団からの戦車や火砲の増援を受けての連隊戦闘団編成が事実上不可能となります、この去就が当初関心事でした。
重迫撃砲中隊新編、もともと第50普通科連隊は四国管区第2混成団を第14旅団に改編する際、一個普通科連隊基幹であった編成を師団普通科連隊規模の第15普通科連隊より重迫撃砲中隊や第4中隊の要員を抽出、増強した上で高知駐屯地に新編された普通科連隊です。
第14旅団ですが、第15即応機動連隊新編に伴い大量の16式機動戦闘車、二個中隊ですので第10戦車大隊や第3戦車大隊と中隊数は同規模、これを配備するため、偵察隊に87式偵察警戒車は維持されるのかの展望も未知数でしたが、行事ではその雄姿をみせています。
第15即応機動連隊、意外であったのは75式装甲ドーザが配備されていた事です、即応機動連隊なのだから全て装輪車両で構成し快速展開、との印象があったが本部管理中隊の輸送車両にて75式装甲ドーザが登場、無論施設作業小隊の建機には装軌車両も多いのですが。
16式機動戦闘車に拘らずとも、75式装甲ドーザという鈍重な、しかし頼もしい車両を装備するならば、同じ様に戦車輸送車にて10式戦車を配備してもよかったのではないか、どうしても16MCVが必要ならば10TKを卸下するまでの繋ぎに情報小隊へ装備させればよい。
16MCV、世界にはイタリアのチェンタウロ装輪戦車駆逐車、スペインも導入しましたが、加えてフランスのAMX-10RC装甲偵察車、南アフリカのロイメック装甲偵察車等など、この種の車両は決して少なくは無いのですが、第三世代戦車と正面から戦った事例が無い。
ストライカー105mm機動砲等は日米合同演習でも幾度か展開し、実弾射撃を実施、開発当時はT-72戦車にも対抗しうる、という点が強調されていましたが、実戦では1990年の湾岸戦争でクウェート軍のサラディン偵察車がイラク軍T-72に防戦し全滅した程度のみ。
PKO任務では1992年にイタリア軍がチェンタウロをソマリアに展開させ、米海兵隊が武装勢力に軽装備で苦闘する中、105mm砲の威圧感で武装勢力のT-55戦車を抑止し注目された等、先例がありますので、自衛隊がPKO任務等に運用するならば用途は広いといえる。
善通寺駐屯地祭で驚かされたのは、即応機動連隊訓練展示、想定が“島嶼部における防御戦闘”であったという事、16MCVは機動力が高い分、装甲は正面装甲で74式戦車以下、機動力と新しい火器管制装置により攻撃力に特化した車両、機動力もこの際攻撃力の一つ。
訓練展示では攻撃力は高いものの防御力が戦車より低い為、迂闊に攻撃機動を行えば侵攻側に戦車があれば散々な目に遭う、という特性に留意し、地形防御を防御力に加味した防御戦闘を展示していた点が、成る程その特性を運用研究した上なのだな、と妙に感心です。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
善通寺駐屯地祭、G7X撮影写真は16式機動戦闘車筆頭に前回の前篇に続き後篇を紹介しましょう。
16式機動戦闘車、通称16MCV、MCVは元々92式地雷原処理車の略称でしたが、機動戦闘車に譲られました。従来、伊丹駐屯地で展示、第14戦車中隊の16MCV写真を多用していましたが、即応機動連隊所属車両の写真を撮影、旅団長の新制服と共に“初物”です。
善通寺駐屯地祭、即応機動連隊に注目が集まる行事でしたが、中部方面特科隊への第14特科隊の改編や第14高射特科中隊の第14高射特科隊への拡大改編、第50普通科連隊の中隊旗が一振増え重迫撃砲中隊が新編される等、旅団の増強改編も多々注目点がありました。
第50普通科連隊の増強改編、当初は第15普通科連隊の即応機動旅団への改編に伴い第14特科隊や第14戦車中隊が廃止される事から、第50普通科連隊は旅団からの戦車や火砲の増援を受けての連隊戦闘団編成が事実上不可能となります、この去就が当初関心事でした。
重迫撃砲中隊新編、もともと第50普通科連隊は四国管区第2混成団を第14旅団に改編する際、一個普通科連隊基幹であった編成を師団普通科連隊規模の第15普通科連隊より重迫撃砲中隊や第4中隊の要員を抽出、増強した上で高知駐屯地に新編された普通科連隊です。
第14旅団ですが、第15即応機動連隊新編に伴い大量の16式機動戦闘車、二個中隊ですので第10戦車大隊や第3戦車大隊と中隊数は同規模、これを配備するため、偵察隊に87式偵察警戒車は維持されるのかの展望も未知数でしたが、行事ではその雄姿をみせています。
第15即応機動連隊、意外であったのは75式装甲ドーザが配備されていた事です、即応機動連隊なのだから全て装輪車両で構成し快速展開、との印象があったが本部管理中隊の輸送車両にて75式装甲ドーザが登場、無論施設作業小隊の建機には装軌車両も多いのですが。
16式機動戦闘車に拘らずとも、75式装甲ドーザという鈍重な、しかし頼もしい車両を装備するならば、同じ様に戦車輸送車にて10式戦車を配備してもよかったのではないか、どうしても16MCVが必要ならば10TKを卸下するまでの繋ぎに情報小隊へ装備させればよい。
16MCV、世界にはイタリアのチェンタウロ装輪戦車駆逐車、スペインも導入しましたが、加えてフランスのAMX-10RC装甲偵察車、南アフリカのロイメック装甲偵察車等など、この種の車両は決して少なくは無いのですが、第三世代戦車と正面から戦った事例が無い。
ストライカー105mm機動砲等は日米合同演習でも幾度か展開し、実弾射撃を実施、開発当時はT-72戦車にも対抗しうる、という点が強調されていましたが、実戦では1990年の湾岸戦争でクウェート軍のサラディン偵察車がイラク軍T-72に防戦し全滅した程度のみ。
PKO任務では1992年にイタリア軍がチェンタウロをソマリアに展開させ、米海兵隊が武装勢力に軽装備で苦闘する中、105mm砲の威圧感で武装勢力のT-55戦車を抑止し注目された等、先例がありますので、自衛隊がPKO任務等に運用するならば用途は広いといえる。
善通寺駐屯地祭で驚かされたのは、即応機動連隊訓練展示、想定が“島嶼部における防御戦闘”であったという事、16MCVは機動力が高い分、装甲は正面装甲で74式戦車以下、機動力と新しい火器管制装置により攻撃力に特化した車両、機動力もこの際攻撃力の一つ。
訓練展示では攻撃力は高いものの防御力が戦車より低い為、迂闊に攻撃機動を行えば侵攻側に戦車があれば散々な目に遭う、という特性に留意し、地形防御を防御力に加味した防御戦闘を展示していた点が、成る程その特性を運用研究した上なのだな、と妙に感心です。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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