■九州離島避難にCH-47出動
台風10号、6日午前にも鹿児島県に台風の特別警報の可能性を気象庁が発表し中心気圧が920hPsとなっていますが明日にも915hPsまで成長するとの予報があり、巨大だ。

気象庁主任予報官が“最新の台風の進路予想では、九州から離れて進む可能性が低くなってきた。逆に言えば、重大な災害が起きる確度が高くなってきている”“高潮が発生する前には暴風となることが予想されている。暴風の中では逃げること自体が危険となる。暴風警報が出たら、逃げられる最後のチャンスだ”という異例の表現で警戒を促している。

陸上自衛隊西部方面隊は鹿児島県知事からの要請を受け台風10号が接近する一部島嶼部からの住民避難輸送を実施中です。これには西部方面航空隊の保有するCH-47J/JA輸送ヘリコプターが動員され、また鹿屋航空基地より海上自衛隊第22航空隊鹿屋分遣隊のUH-60J救難ヘリコプターが参加、航空自衛隊も避難輸送を支援しているとのことです。

伊豆大島三原山火山災害や三宅島火山災害の全島避難、輸送艦まで動員し全住民を避難させたような、過去に自衛隊が災害派遣において住民避難を支援した事は多々ありますが、台風災害、それも上陸前、災害発生前に予防的な離島住民避難を行う、これは極めて異例であり、それだけ、現在九州に接近する台風10号が規格外である証左ともいえましょう。

台風10号は本日1700時の推定値で中心気圧は920hPa、風速は50m/s、瞬間最大風速は70m/sという規模に成長しており1700時時点の位置は南大東島の南方約100kmを15km/hの速度で北西方向に進んでいます。現在の予報ではこのまま沖縄本島東方海上を北上し明日0900時頃には奄美大島南方へ、1500時には九州南方に迫り九州西方沖を進むという。

今まで経験ない暴風と大雨のおそれ、気象庁はこのような踏み込んだ表現で今回の台風に警戒を呼び掛けています。記録的な暴風への警戒、記録的な大雨への警戒、記録的な高潮への警戒、気象庁が呼び掛けています。ただ気象庁は台風が本日中にも猛烈な勢力となる予報を出していましたが、非常に強い勢力、という状況を維持し北上をつづけています。

気象庁は台風階級区分を“強い勢力”では33m/sから44m/s未満、“非常に強い勢力”では44m/s以上で54m/s未満、“猛烈な勢力”を風速54m/s以上、としていまして、大型の台風を強風域が500kmから800kmの半径、超大型の台風は800km以上、としています。現段階では台風10号は大型で非常に強い勢力を維持していますが、猛烈な勢力ではありません。

河野防衛大臣は本日の記者会見において台風10号災害対策について、何か起きたときに対応できるよう自衛隊およそ2万2000人で初動態勢を組んでいる、として待機体制が強化されているとのこと。国土交通省も気象庁の予報に基づき河川災害への対応準備を進めていますが、今回予測される雨量では国管理の大型河川においても氾濫の危険があるとのこと。

津波に近い。気象庁は今回の台風高潮被害について海水が押し上げられ吹き付けられる事で一度に接近する事から津波に近いという異例の表現で警戒を促しており、また河川周辺において水位が上昇した後では自動車を含め立ち往生する危険があることから、早めの避難を行わなければ、避難が出来なくなり水没するか流失するかという危険があるとのこと。

高潮のメカニズムは発生原因こそ全く異なりますが、台風の低い気圧に海水面が吸い上げられ、短時間で潮位が高まると共に暴風により内陸部へ短時間で押し寄せる為、単発の波の連続と波の波長が長い津波との比較でいえば、メカニズムは違っても生じる結果は似ており、過去では伊勢湾台風で高潮が瓦礫等を伴い内陸部住宅等に甚大被害を及ぼしました。

南大東島に今夜に接近、1500時過ぎには南大東島において瞬間風速41.7mが観測されており、沖縄本島では沖縄市や南城市などで既に全域に避難準備情報が発令されており、厳重な警戒が呼びかけられています。また九州沖縄南西諸島では既にフェリー運航について大規模運休措置が採られている他、那覇空港はじめ空の交通にも大幅な乱れが生じています。

安全を確保するにはなにをするべきでしょうか。九州沖縄では、九州上陸とならない場合でも大きな被害が予測されている事から、沿岸部や河川周辺では高潮を警戒し、防潮堤を高潮が越えた場合の自治体が発行している災害ハザードマップを早めに確認し、アクセス集中により閲覧不能となるまえに現在位置の危険性がどの程度かを認識すべきと考えます。

水害について。河川水害ハザードマップは各自治体がどの水系が氾濫するかを分けて作成しており、近傍の河川だけのハザードマップだけを確認した場合、意外に離れた地点、10km以上隔てていても、過去には鬼怒川水害等で想定外の水害が高低差を伝って押し寄せた事例があります、面倒でも現在位置に影響を及ぼし得る全水系を確認しなくてはなりません。

暴風については、木造家屋や軽量鉄骨建築物では瞬間最大風速が80mに達する様な今回の予報の規模である台風の場合、倒壊したり圧潰する危険があります。この場合は家財が大事でも在宅していて対応できる事は非常に限られているというところが過去に巨大台風を経験された方のお話し。可能ならば中層以上のホテルか親類縁者、避難所避難が望ましい。

被害想定は九州沖縄は勿論、本州西部も危険という。京都や東京で戸板を打ち付け遠隔地に避難する必要はないようです、しかし西日本を含め広い範囲に大雨が降り注ぐ危険があるとしていますので、例えば台風進路から離れた地域であっても山間部や過去土砂災害の危険がある地域等では大雨特別警報や記録的短時間降雨というものを認識すべきでしょう。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
台風10号、6日午前にも鹿児島県に台風の特別警報の可能性を気象庁が発表し中心気圧が920hPsとなっていますが明日にも915hPsまで成長するとの予報があり、巨大だ。

気象庁主任予報官が“最新の台風の進路予想では、九州から離れて進む可能性が低くなってきた。逆に言えば、重大な災害が起きる確度が高くなってきている”“高潮が発生する前には暴風となることが予想されている。暴風の中では逃げること自体が危険となる。暴風警報が出たら、逃げられる最後のチャンスだ”という異例の表現で警戒を促している。

陸上自衛隊西部方面隊は鹿児島県知事からの要請を受け台風10号が接近する一部島嶼部からの住民避難輸送を実施中です。これには西部方面航空隊の保有するCH-47J/JA輸送ヘリコプターが動員され、また鹿屋航空基地より海上自衛隊第22航空隊鹿屋分遣隊のUH-60J救難ヘリコプターが参加、航空自衛隊も避難輸送を支援しているとのことです。

伊豆大島三原山火山災害や三宅島火山災害の全島避難、輸送艦まで動員し全住民を避難させたような、過去に自衛隊が災害派遣において住民避難を支援した事は多々ありますが、台風災害、それも上陸前、災害発生前に予防的な離島住民避難を行う、これは極めて異例であり、それだけ、現在九州に接近する台風10号が規格外である証左ともいえましょう。

台風10号は本日1700時の推定値で中心気圧は920hPa、風速は50m/s、瞬間最大風速は70m/sという規模に成長しており1700時時点の位置は南大東島の南方約100kmを15km/hの速度で北西方向に進んでいます。現在の予報ではこのまま沖縄本島東方海上を北上し明日0900時頃には奄美大島南方へ、1500時には九州南方に迫り九州西方沖を進むという。

今まで経験ない暴風と大雨のおそれ、気象庁はこのような踏み込んだ表現で今回の台風に警戒を呼び掛けています。記録的な暴風への警戒、記録的な大雨への警戒、記録的な高潮への警戒、気象庁が呼び掛けています。ただ気象庁は台風が本日中にも猛烈な勢力となる予報を出していましたが、非常に強い勢力、という状況を維持し北上をつづけています。

気象庁は台風階級区分を“強い勢力”では33m/sから44m/s未満、“非常に強い勢力”では44m/s以上で54m/s未満、“猛烈な勢力”を風速54m/s以上、としていまして、大型の台風を強風域が500kmから800kmの半径、超大型の台風は800km以上、としています。現段階では台風10号は大型で非常に強い勢力を維持していますが、猛烈な勢力ではありません。

河野防衛大臣は本日の記者会見において台風10号災害対策について、何か起きたときに対応できるよう自衛隊およそ2万2000人で初動態勢を組んでいる、として待機体制が強化されているとのこと。国土交通省も気象庁の予報に基づき河川災害への対応準備を進めていますが、今回予測される雨量では国管理の大型河川においても氾濫の危険があるとのこと。

津波に近い。気象庁は今回の台風高潮被害について海水が押し上げられ吹き付けられる事で一度に接近する事から津波に近いという異例の表現で警戒を促しており、また河川周辺において水位が上昇した後では自動車を含め立ち往生する危険があることから、早めの避難を行わなければ、避難が出来なくなり水没するか流失するかという危険があるとのこと。

高潮のメカニズムは発生原因こそ全く異なりますが、台風の低い気圧に海水面が吸い上げられ、短時間で潮位が高まると共に暴風により内陸部へ短時間で押し寄せる為、単発の波の連続と波の波長が長い津波との比較でいえば、メカニズムは違っても生じる結果は似ており、過去では伊勢湾台風で高潮が瓦礫等を伴い内陸部住宅等に甚大被害を及ぼしました。

南大東島に今夜に接近、1500時過ぎには南大東島において瞬間風速41.7mが観測されており、沖縄本島では沖縄市や南城市などで既に全域に避難準備情報が発令されており、厳重な警戒が呼びかけられています。また九州沖縄南西諸島では既にフェリー運航について大規模運休措置が採られている他、那覇空港はじめ空の交通にも大幅な乱れが生じています。

安全を確保するにはなにをするべきでしょうか。九州沖縄では、九州上陸とならない場合でも大きな被害が予測されている事から、沿岸部や河川周辺では高潮を警戒し、防潮堤を高潮が越えた場合の自治体が発行している災害ハザードマップを早めに確認し、アクセス集中により閲覧不能となるまえに現在位置の危険性がどの程度かを認識すべきと考えます。

水害について。河川水害ハザードマップは各自治体がどの水系が氾濫するかを分けて作成しており、近傍の河川だけのハザードマップだけを確認した場合、意外に離れた地点、10km以上隔てていても、過去には鬼怒川水害等で想定外の水害が高低差を伝って押し寄せた事例があります、面倒でも現在位置に影響を及ぼし得る全水系を確認しなくてはなりません。

暴風については、木造家屋や軽量鉄骨建築物では瞬間最大風速が80mに達する様な今回の予報の規模である台風の場合、倒壊したり圧潰する危険があります。この場合は家財が大事でも在宅していて対応できる事は非常に限られているというところが過去に巨大台風を経験された方のお話し。可能ならば中層以上のホテルか親類縁者、避難所避難が望ましい。

被害想定は九州沖縄は勿論、本州西部も危険という。京都や東京で戸板を打ち付け遠隔地に避難する必要はないようです、しかし西日本を含め広い範囲に大雨が降り注ぐ危険があるとしていますので、例えば台風進路から離れた地域であっても山間部や過去土砂災害の危険がある地域等では大雨特別警報や記録的短時間降雨というものを認識すべきでしょう。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
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