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トランプ大統領新型コロナ感染!大統領選中のCOVID-19,全米感染者727万-死者20万現状

2020-10-02 20:00:06 | 国際・政治
■米大統領がCOVID-19感染
 ドナルドトランプ大統領が二期目を目指す大統領選最中に新型コロナウィルスに感染、突然の事態ですので写真は元の記事のまま文章だけを急きょ差し替えました。

 アメリカ大統領選はいよいよ来月四日の投票日に向け追い上げとなっています。29日にはオハイオ州クリーブランドにてトランプ大統領と民主党バイデン候補との間で初の公開テレビ討論会が歴史的な大荒れつつ執り行われ、来週には副大統領と副大統領候補同士の公開テレビ討論会、更に翌週には第二回の大統領候補テレビ討論会が行われます。しかし。

 トランプ大統領が新型コロナウィルス陽性となった、驚きの報道が駆けめぐりました。ホープヒックス氏の新型コロナ陽性反応、ホワイトハウス広報部長を務め現政権前には、トランプ氏のトランプコーポレーションに勤めており、2015年大統領選の時点からマスコミ対応を統括したトランプ大統領の側近中の側近の一人です。ここから懸念が生じました。

 トランプ大統領はヒックス氏の感染判明を受け、自身とメラニア夫人がコロナウィルス検査を受けた結果、大統領と大統領夫人がコロナウィルス陽性であることが判明したわけです。ヒックス氏は大統領選公開討論会の第一回に際し、トランプ大統領に専用ヘリコプターマリーンワンへ同乗し同行しており、この際に大統領と"濃厚接触"していた事となる。

 アメリカ大統領のコロナウィルスCOVID-19感染、トランプ大統領はヒックス氏が感染判明となった1日にFOXニュース電話インタビューへ応えており、ヒックス氏は支持者との絆を重要視するために面会などで社会的距離をとるような冷たい人物ではない、と発言しています。なお、ヒックス氏は31歳、しかし症状がでており隔離されているとのこと。

 ポンペイオ国務長官は検査の結果陰性であると判明しています。しかし、ポンペイオ国務長官のアジア歴訪や菅総理大臣との会見については現在のところ予定通り実施するかは検討中としています。大統領は回復までホワイトハウスにとどまるという。この事態は大統領選挙に影響が及ぶのは間違いありません。もちろん、無症状で回復した場合も含めて。

 アメリカはすでに727万人の感染者と死者数20万を出し、社会的距離の必要性や都市封鎖の必要性などが争点の一つとなっていますので、この大統領の感染判明はアメリカの感染対策における大きな失策であり、単なる陽性の一人増加で済む話ではありません。ただ、最大の懸念はアメリカ政治への影響です、大統領が重篤化した場合には、どうなるのか。

 COVID-19の治療方法は徐々に確立しています、特効薬や治療薬はありませんが、抗血液凝固薬やステロイド剤によりCOVID-19の全身炎症サイトカインシンドロームを防ぐとともに、肺の炎症に影響を及ぼす人工呼吸器ではなく、高濃度酸素吸引を多用することで死亡率を低くすることはできました。しかし、トランプ大統領の陽性、不安な要素ではある。

 高齢者に危険とされるCOVID-19,トランプ大統領は74歳です。ただ、民主党大統領候補のジョーバイデン氏は77歳で日本で云う後期高齢者にあたり、第一回テレビ討論会の場ではトランプ大統領は感染していたかは未知数ですが、大統領選の最中に大統領がこうした事態となることは制度の想定外であり、万一の場合にはペンス大統領が継承する事に。

 ペロシ臨時大統領の可能性が出てくる。大統領地位継承法では現職大統領に万一の事があった場合には副大統領が継承します。副大統領は上院議長を兼任しており、現在の副大統領はマイクペンス副大統領ですが、大統領任期の満了とともに失職する事となっており、この場合は任期が継続する継承第二位の民主党ペロシ下院議長が担う事となります。

 ペンス大統領の可能性。これはトランプ政権初期に弾劾裁判が在った場合の頭の体操として識者が示した思考体操の一つではありますが、大統領選の最中に既に二大政党の代表となった候補者が重病となる事の想定、アメリカの法制度に詳しくない当方としては気になるところですが、この場合は解職以外辞任できない副大統領候補が継承するのでしょうか。

 ジョンソン首相のコロナ感染、思い出されるのは3月27日にイギリスのボリスジョンソン首相の感染です。3月27日に陽性反応となり、自主隔離とともにテレビ会議システムなどを通じて閣議に出席しましたが、高熱が続いたことから4月5日に検査入院へ。6日から容態が悪化し集中治療室へ。幸い12日までに回復し、27日に公務復帰となりました。

 ボルソナロ大統領の新型コロナ感染、もう一つの事例は重篤化しなかったブラジル大統領の事例です。ただ、こちらでも感染確認は7月6日に38度の高熱を出したために検査し、7日に陽性結果がでていまして、回復したのは7月25日、陰性結果を以ての復帰でした。発症し19日間です。なお、大統領夫人の祖母、80歳の祖母が8月12日に死亡しました。

 イギリスのジョンソン首相は早く回復を祈ります、と発言しました。ベラルーシのルカシェンコ大統領も感染が確認されましたが重篤化することはありませんでしたので、いまのところ一国の首脳がコロナウィルスにより重篤化し国家運営が機能付随となる状況はありません。重篤化しなければ、トランプ大統領は自身の政策の正当化の論拠となりますが。

 アメリカ大統領選。トランプ大統領は幸い、症状はなく無症患者という状態です、このまま重篤化せず、自然回復する可能性も十分あるのですが、ジョンソン首相の例を見ますと公務復帰には一ヶ月を要するため、この場合は大統領選二日前まで、公務に復帰できない事となります。これは大袈裟としても、テレビ討論会はリモート実施となりうるでしょう。

 大統領選テレビ討論会はリモート開催とせざるを得ないかもしれませんし、今までのように大規模集会も難しいのではないか。リモート開催となれば、前回のような不規則発言の場合にはマイク電源を発言者のみに通すことで発言妨害を回避することができ、司会を通じて政治主張や意思表明を行う、伝統的なテレビ討論会に回帰することとなるでしょう。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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