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北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【G3X撮影速報】日豪空中給油訓練-小牧基地にオーストラリア空軍KC-30A空中給油機が展開(2022-04-14)

2022-04-16 20:16:48 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■KC-30ボイジャー小牧へ
 ボイジャーが小牧にやってきました、とはいっても有名な恒星間探査衛星が落下してきたのではありません、ボイジャーとはオーストラリア空軍空中給油機の愛称だ。

 日豪共同訓練をどうするか。久々に小牧基地へ撮影へと参りましたらば日豪の空中給油輸送機が、今日の訓練どうするか相談していました。いや、相談しているのは見た目なのですが、KC-30A空中給油機とKC-767空中給油輸送機が機首を突き合わせているとつい。

 オーストラリア空軍のKC-30A空中給油輸送機が訓練の為に日本へ展開しています、三月から長期滞在というものでして、共同訓練と云うよりはホームステイのような長期間となっていますが、ボーイングとエアバスの空中給油機が並ぶ様子はある意味貴重といえます。

 KC-30A空中給油機とは、エアバスA330MRTTのオーストラリア空軍正式名称となっていまして、MRTTとはマルチロールタンカートランスポートというもの。そしてエアバスA330MRTTそのものは航空自衛隊にKC-767に続く給油機として提案されたこともある。

 エアバスA-330の機体を応用したエアバスA330MRTTは、機体部分が旅客機仕様のままとなっていまして最大300名の人員を輸送できるとのこと。そして空中給油機は通常、胴体下半分を給油用燃料層となっていますが、本機種では貨物区画として使用可能という。

 ボイジャーの愛称、旅客機型のキャビンを採用しているので旅客機の様に窓があるのか、これが知識として知っていても日豪の機体を並ぶと気づく。KC-767は貨物型を採用していますので座席を並べる事は出来るのですが基本はパレット輸送用、人が載ると息苦しい。

 KC-30A空中給油機はキャビン部分を貨物仕様とした場合には最大45tのパレット貨物を輸送可能ということなのですが、その際には貨物扉を設置する貨物仕様としなければならず、いまのこところオーストラリア空軍KC-30Aはそうした派生型は採用されていません。

 KC-767と比較しますとKC-30Aのほうが大きく見えますが数字を見ますと実際その通りで、KC-767は全長が48.51mで全高は15.90mと全幅 47.57mという、これはKC-767の原型機がボーイング767-200ER貨物型というボーイング767シリーズ小型版を用いたため。

 米欧比較と云う訳では無いのですがKC-30Aは全長58.80 m ありまして全高は17.40 m でして翼幅60.3 mで最大離陸重量233 tとなっています。KC-30Aは最大燃料容量が111.00tとなっていますがKC-767は最大燃料搭載量72.877 tですので、こちらも二回りほど多い。

 ボーイング767-200ER貨物型は、しかしその設計上の航続距離が大きく航続距離は14075kmとなっていまして、対するKC-30Aの航続距離は12500 kmです。自衛隊がKC-767とした背景には、KC-30Aが開発される前であった事と、E-767の存在がある。

 E-767早期警戒管制機として航空自衛隊はボーイング767シリーズを運用していますし、一時期は政府専用機として中古のボーイング767検討が報じられた事もありました。そして更なる増強の際に自衛隊はKC-767改良型のKC-46を採用、既に2機が美保基地に居る。

 小牧基地ですのでC-130輸送機も並んでいます。このC-130も随分と古くなっていますが、C-2輸送機に置換えるのか、改めてC-130J輸送機を輸入するのか。フランスやドイツはA-400M輸送機でC-160輸送機を置換えつつ、しかしC-130HはC-130Jで置換えました。

 KC-130空中給油輸送機も駐機していました。C-130輸送機には低速性能や戦術輸送機としての利点もあるのですが、自衛隊のC-130Hは国産のC-1輸送機よりも航続距離が長く海外派遣に重宝された経緯があり、この点考えればC-2輸送機の利点も見えてくるのですね。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【G3X撮影速報】久居駐屯地創設70周年記念行事-三重の防衛第10師団第33普通科連隊の整列(2022-04-10)

2022-04-16 14:46:48 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■ウクライナ戦争その最中
 ロシア軍ウクライナ侵攻、この2020年代にも拘らず始まった19世紀型の侵略戦争を前に我が国防衛は大丈夫なのか、ロシアは隣国だという認識を改めて感じる今日この頃です。

 もののふ群像、かや書房から刊行されています普通科連隊の思い出話的な一冊があるのですが、その表紙と同じ構図だ。舞台は金沢駐屯地の第14普通科連隊、最初の変換では部隊は金沢駐屯地、と出ましたけれど案外あっている、ここは久居駐屯地の第33普通科連隊だ。

 式典への待機位置に続々と集合する隊員たち。久居駐屯地は近鉄久居駅前に立地するという、なかなか便利な位置にあります、守山自衛隊前駅も第10師団司令部の守山駐屯地に近いのですが信号と道路と商店街を挟む、しかしここは駅の自転車置き場の隣にあります。

 音楽隊の入場、駐屯地祭といえば調音の音楽隊装備楽器が朝から式典の準備の様に盛り上げているものでして、この流れる様々な旋律の調べを聞きますと、調音は音楽では無いとはいえ朝の活気と行事の始まりを感じ、そして音楽演奏は式典の始まりを高く知らせます。

 自衛隊の普通科連隊、もののふ群像、この一冊を読みますと平成初期の案外に古い本ですので古い情報ではあるのですが、普通科連隊の雰囲気と云うものが伝わります、そして細部は完全には伏せられているのですが、連隊の編成と雰囲気と云うものも伝わる一冊だ。

 防衛。行事だけを見ていますと、装備は89式小銃に高機動車に軽装甲機動車と120mm重迫撃砲、最近はアナフィ無人機が飛び始めた、という程度であまり変わり映えはしません。しかし、訓練や戦術研究は、装備を使い慣れると共に進化する、もののふ群像の感想です。

 部隊整列の様子を見ますと、案外少ない、こう率直には思われるのでしょうが、これは撮影者の力不足というものでして、各中隊から一個小隊が参加しているという規模、車両についても本部管理中隊の一部小隊のほかは第四中隊と重迫撃砲中隊の一部が参加するのみ。

 機械化された普通科連隊の力強さを感じるには、まず近鉄久居駅を降りてみると判ります、駐屯地のある側ね。こういいますのは車両モータープールと隣接して駅がありますので、車両がかなり並んでいまして、正直、駐屯地祭の車列よりも遥かに多い事に驚かされます。

 連隊。1000名規模の師団普通科連隊と650名規模の旅団普通科連隊があり、師団普通科連隊も旅団普通科連隊も管区を持ち、防衛警備及び災害派遣を担当するのですが、災害派遣要請などは師団普通科連隊の場合は直接、旅団普通科連隊の場合は旅団長へ要請される。

 向田俊之1佐が連隊長を務めます、連隊長人事発令は2020年8月1日といい、まさにコロナの時代に連隊長として連隊を指揮するという、感染対策と訓練強化を両立しなければならない、息抜きも必要な厳しい訓練と共にしかし息抜きの場が防疫上危険という難しい。

 巡閲、整列した部隊の前を連隊長が巡閲します。式典では重要な要諦であるとともに、撮影する側には連隊長、指揮官さんを正面から撮影できる重要な場面でもある。指揮官と中隊旗が敬礼動作で応える。部隊は一部参加ですが、中隊長は全員整列しているのですね。

 連隊長は前職が北部方面総監部防衛部防衛課長に補職されていたといいまして、要するにロシアの軍事脅威から北海道を護る司令部第一線に在ったという、いまのウクライナ情勢、ロシア軍ウクライナ侵攻を憂慮している第一線の一人といえる指揮官ともいえましょう。

 キエフやハリコフの現状が、旭川や札幌の現状でもあり得たのですね。他方、行事では触れらえませんでしたが、当方の個人的な感想としまして、ここまで日本は戦車という重戦力を省き、一方で普通科部隊の機械化を抑えたままで大丈夫なのか、ある種切迫感を想う。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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UNHCR要請-自衛隊ウクライナ支援へ輸送機週明けにも派遣へ,ロシア国防省はミサイル巡洋艦モスクワ沈没認める

2022-04-16 07:00:36 | 国際・政治
■臨時情報-ウクライナ情勢
 ウクライナ情勢ではミサイル巡洋艦モスクワ撃沈など本日も大きな動きが在りましたが先ずは我が国の対応について。

 政府はウクライナ支援強化へ、週明けにもウクライナ周辺国に対し自衛隊輸送機による物資輸送を開始すると発表しました。この輸送は国際機関であるUNHCR国連難民高等弁務官事務所からの要請が在ったとされ、ウクライナ周辺国とはポーランドを示すものとされています。輸送機の任務は支援物資の輸送とされていますが、武器や弾薬は含まれません。

 UNHCR国連難民高等弁務官事務所からの要請である為で、UNHCRは軍事行動などとは関係せず、この限りにおいて武器弾薬などを輸送することはありません。また、日本には海上保安庁や国土交通省も固定翼航空機を運用していますが、輸送機を運用するのは自衛隊機のみ。更に政府は緊急人道支援として3億ドルの資金協力を実施するとしています。

 PKO国際平和協力法、今回の輸送機派遣は自衛隊法に基づくPKO協力法が根拠とされています。なお、政府は難民キャンプ支援などに自衛隊を緊急人道支援として派遣する方針を示していますが、今のところ大規模紛争などにおける難民キャンプはなく、市民個人単位が受け入れる欧州一体の連帯感により支えられ、難民キャンプ支援の需要はありません。

 モスクワ沈没、ロシア国防省が公式に発表しました。黒海艦隊旗艦であるロシア海軍のミサイル巡洋艦モスクワはスラヴァ級ミサイル巡洋艦一番艦となっています。ウクライナ海軍のネプチューン対艦ミサイルが命中、火災の末に沈没したという。ロシア海軍は火災は起きているが原因は無発表であり、曳航中と発表していたものの、撃沈を認めた構図です。

 スラヴァ級巡洋艦は巡航ミサイル16発を搭載、と説明されますがこれは説明不十分で、アメリカ空母攻撃用にP-1000という重量9.3tの超音速対艦ミサイルを16発搭載していますが、更に射程200kmのS-300F艦対空ミサイル64発、4K33艦対空ミサイル40発を搭載した広域防空艦でもあり、これ即ち黒海艦隊では唯一の広域防空艦が撃沈されたかたちだ。

 黒海艦隊には大打撃であり、ウクライナ海軍にはどの程度の地対艦ミサイルが備蓄されているか未知数ですが、黒海艦隊にはアドミラルグリゴロヴィチ級に射程が個艦防空用の9M317ミサイルを搭載されている以外は防空能力が限られ、今までの様に洋上からカリブル巡航ミサイルを発射すると、ネプチューン地対艦ミサイルにより反撃を受ける事となる。

 地上戦では、しかし緊張が続く状況となっています。アメリカ国防総省の分析では、ロシア軍はキエフ北方からベラルーシ国内まで後退したことは確かであるが、現在も再度キエフを地上攻撃可能な位置にいると分析しています。この意味するところはウクライナ軍が首都近郊から東部の激戦地へ兵力を抽出できない、兵力が拘束されている事を意味します。

 南部のアゾフ海沿岸マリウポリではウクライナ軍が厳しい戦闘を続けており、弾薬枯渇によりロシア軍の浸透を阻止できない状況となっている。ただ、こうした中でアメリカのバイデン政権はウクライナへの8億ドルの軍事援助追加が発表され、これはウクライナの国防費の半分に当るという膨大な援助であり、更なる強力な装備品の供与も行われるもよう。

 アメリカの軍事援助には既に発表されているジャベリン対戦車ミサイルの追加供与と、スイッチブレード徘徊式弾薬の供与ハンヴィー装甲型のような汎用車両にM-198榴弾砲、また特殊作戦用に調達した旧ソ連製Mi-17ヘリコプター等が含まれているとのこと。ただ、ロシア軍も東部地域へ戦力を集中し始めている兆候があり、激戦の懸念がつづいています。

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