北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

令和四年度四月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2022.04.23-2022.04.24)

2022-04-22 20:19:41 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 この時を待っていました、ようやく北大路機関広報が毎週のコロナ対策情報特集から自衛隊行事予定特集へと返り咲く瞬間という。

 多賀城駐屯地創設68周年記念行事、4月24日に執り行われます。多賀城駐屯地広報の航海しました行事予定では、事前応募や招待者限定戸の記載はありませんので自由見学、つまり2019年以来の全面公開される自衛隊行事となります。先月の地震被害から東北新幹線も復旧していますので、感染対策を充分に多賀城へ歩み進めるのも良いかもしれません。

 第22即応機動連隊、第6師団隷下の即応機動連隊が駐屯していて、そして東北方面混成団第38普通科連隊の主力と第119教育大隊などが駐屯しています。なお、第22即応機動連隊の機動戦闘車隊については、多賀城ではなく大和駐屯地に駐屯、こちらは原隊となった第6戦車大隊の駐屯地で、16式機動戦闘車がどのくらい式典参加するかは関心事という。

 仙石線のJR多賀城駅からは徒歩30分ほど、仙台東部道路からは仙台港北から5kmほど離れているとのこと。どの程度混雑するのかは想像できません、招待者限定行事は全国の部隊で細々とおこなわれていましたし、非常に混雑する可能性もある。ただ、あの東日本大震災後に初めて行われた行事、美唄駐屯地祭に行った経験では特段混雑はしませんでした。

 即応機動連隊とは。もともとは第22普通科連隊となっていますが2019年に第6戦車大隊と第6特科連隊などが廃止され、この第22普通科連隊と統合再編し創設された部隊です。ただ、師団普通科連隊は定員1200名ですので、戦車大隊廃止とともに即応機動連隊定員は850名、元々を考えれば、定員割れを差し引いてもちょっと少なくなった印象はあります。

 第6戦車大隊は74式戦車を運用していた部隊でもともとの師団改編により乙師団が即応近代化師団と改編の際、戦車大隊が大幅に縮小され戦車は2個中隊基幹の30両となっていました、これが即応機動連隊統合に際し、第22即応機動連隊機動戦闘車隊へ改編されているのですが、こちらも2個中隊基幹です、ただ、小隊規模が小さく縮小中隊ともなっている。

 16式機動戦闘車とともに、しかし即応機動連隊には3個普通科中隊が置かれていますが、こちらは96式装輪装甲車で充足されていて、その分北部方面隊に配備されていた装輪装甲車がかなり引抜かれているのは大問題ですが、加えて重迫撃砲中隊も装備は120mm重迫撃砲のままながら指揮系統を強化し火力支援中隊に改編、機械化され相応に強力な編成です。

 再開される行事、基本的に最新情報をWebなどで確認の上でお出かけください。行事の空白期間が長いものですが、Webでは駐車場の有無を確認します、多賀城駐屯地祭では駐車場は用意されているとのことですが、万一の満車に備えて民間有料駐車場の位置などを確認しておくのも選択肢です。入場に際しては手荷物検査が行われる為、現着時間に余裕を。

 自衛隊行事は久しぶりと云う方も多いでしょう、一般公開とともに、観閲行進を正面から撮影するか模擬戦第一か、観閲行進の経路や模擬戦ではどのような状況で展開するのか、これは前日に予行が行われていれば轍が残っていますし、警備の隊員さんなどに大まかな方向、仮設敵陣地の位置を聞いておきますと、撮影位置を考える際に一助となるでしょう。

 混雑する事もあるのでしょうが、混雑している場所が最良の場所とは限りません、駐屯地は広く、もちろん戦車や装甲車が行き来する場所ですので立ち入り禁止の場所に入ってはなりませんが、例えば行進は式典会場付近がいっぱいの時には少し離れた資料館や厚生会館前が撮影適地の場合もありますし、人が少ない木陰の方が長時間撮影しやすいことも。

 訓練展示では、16式機動戦闘車の空包射撃は思いのほか音が大きい、ほぼ74式戦車の空包射撃と同じ迫力がありますが、なれていないと特に正面から撮影する際には、耳と云うよりも空包射撃の衝撃波に反射神経の方が反応してしまいます、耳栓か無ければイヤホンやバンダナなどで耳周りを保護するのも良いかもしれません。衝撃波が水平に来ますからね。

 自衛隊関連行事、一般公開される行事の再開は2020年と2021年とCOVID-19感染拡大により、その時機を逸しまして、行事の無い時代が続いてしまいました、実際問題として自衛隊行事に関心がありましたコロナ最初の年に大学に入学しました大学生などは就職活動最中の三回生、これほど空白が生じるのはまさに自衛隊創設以来といえるかもしれません。

 ただ、陸上自衛隊では広報を“平時の実戦”といいまして、平時だからこそ存在意義を示すと共に募集広報は自衛隊を維持するうえで不可欠となっています、だからこそ、多少、オミクロン株とB.A.2株が多少のリスクを、しかし危険なリスクを、示している中でも行事は執り行われます、撮影に行かれる方は是非このあたりを見て、一日を愉しんでほしいですね。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

・多賀城駐屯地創設68周年記念行事…https://www.mod.go.jp/gsdf/neae/6d/

■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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極東着弾!ロシアRS-28サーマット大陸間弾道弾発射試験とマリウポリ製鉄所攻略断念-空虚な一方的勝利宣言

2022-04-22 07:00:25 | 防衛・安全保障
■臨時情報-ウクライナ情勢
 世界はロシアの核恫喝による核戦争への危機に次の一歩が進められたことに驚愕している状況です。日本の防衛もこうした隣国を相応に考慮すべきでしょう。

 ロシア軍はRS-28サーマット大陸間弾道弾の発射試験を成功させました。これは射程が1万1000km以上であり弾頭重量は100t以上、所謂多核弾頭方式の大陸間弾道弾です、これは旧ソ連が主力大陸間弾道弾として運用していたR-36サタン大陸間弾道弾の後継であり、ソ連崩壊により量産が少数にとどまった改良型のR-36M2大陸間弾道弾の後継ミサイルだ。

 RS-28サーマット大陸間弾道弾の発射試験、サーマットのほかにサルマトとも呼ばれるミサイル試験は、モスクワ北方のプレセツク基地より発射、ミサイルは5700km飛翔し極東のカムチャツカ半島に設定された着弾地域へ命中したとのこと。実験であり核弾頭は搭載していません、ロシア政府は新型ミサイルをロシア国内部品により製造と誇示しました。

 サーマットはロシア国産部品により製造した、こう主張する背景には旧型のR-36ミサイルはソビエト連邦時代の製造である為、かなりの部品の比率が現在のウクライナ国内で製造していたため、R-36の予備部品が枯渇している状況にありました。今回RS-28を発射した事は、ウクライナの工業施設を破壊した場合でも核抑止力を誇示できる事を示しています。

 そのロシアは、ウクライナ侵攻に際し南部の要衝マリウポリの占領を宣言しました。マリウポリでは欧州最大とされるアゾフスタリ製鉄所にウクライナ軍部隊などが立て籠もっており、この製鉄所は核戦争の懸念が高かったソ連時代に造営されていた事から施設自体が地下陣地のように整備されており、包囲するロシア軍と大規模戦闘が懸念されていました。

 マリウポリ占領は、しかし、アゾフスタリ製鉄所へのロシア軍が毎日行った最後通告の後に行うとされた大規模攻撃等は行われず、プーチン大統領はアゾフスタリ製鉄所での作戦終了を命じ、製鉄所は攻略を断念し包囲に切替える方針としています。ただ、製鉄所内には戦闘部隊だけで2000名規模の部隊が展開しており、解囲へ今後の展開が関心事となる。

 マリウポリは人口40万名、市内にまだ非戦闘員10万名が残っており、ウクライナ政府は非戦闘員退去への人道回廊設置と人道回廊での一時停戦を求めていますが実現していません、百数十名程度の退去は実現したようですが、ロシア軍が一方的に勝利宣言を行ったものの、アゾフスタリ製鉄所解囲や市街地外縁の戦闘はまだまだ継続するのかもしれません。

 ドンバス地域、つまりウクライナ東部、ロシアと国境を接している地域、このドンバス地域へロシア軍は重点攻略を目指していますが、このマリウポリの攻略は重要な意味を持ちます、それはマリウポリから見た場合にドンバスはウクライナ国内の真北に位置し、ドンバス地域を南側から攻略できるということです。一見迂回するような経路ではあるのだが。

 ドンバス地域は2014年からウクライナが八年かけ要塞化しました、しかしウクライナ軍陣地は東方にあるロシア国境からの侵攻を想定した配置であり、マリウポリ経由の経路はウクライナ軍陣地が、少なくとも開戦前の段階ではそれ程重視されていませんでした。だからこそロシア軍は攻略に注力、前線指揮していたロシア黒海艦隊副司令官は戦死しました。

 クラマトルスク、ウクライナ東部にある人口15万の都市ですが、こちらもハリコフ近郊から南下したロシア軍部隊の猛攻を受け陥落の危機に在ります、ロシア軍は18日からの正面突破で大打撃を受け撃退されたようですが、正面突破ではなくウクライナ国内を迂回機動する事でドンバス地域を占領しようとしており、いまこの瞬間にもウクライナ軍との間で激戦が続いています。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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