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北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【防衛情報】AIAMD陸軍複合防空防衛システムとFAAD-C2前方戦域防空指揮統制システム,LMADIS軽量海兵統合防空システム

2023-01-09 20:00:13 | 先端軍事テクノロジー
■特報:世界の防衛,最新論点
 今回は防空関連の最新情報を集めてみました。

 アメリカ陸軍はTPQ-53レーダーの対無人機防空システムへの統合実証試験を実施しました。C-UAS対無人機防空システムの構築はこの十年間、無人航空機は民生無人機の高性能化と製造費用の低減により小国の空軍や中堅国の陸軍に大国の空軍がかつて担った航空作戦を限定的でも可能とさせる性能を得ており、新しい脅威として認識されています。

 TPQ-53はロッキードマーティン社が開発した対砲レーダ装置で、従来は砲弾や迫撃砲弾とロケット弾などの飛翔を検知し、弾道計算をおこない発射位置を評定する事が任務でした、このTPQ-53にはMMRマルチミッションレーダー機能が付与されており、またアメリカ軍と友好国同盟国に195基が配備、今回多機能性能が無人機対処用にも応用されたかたち。

 FAAD-C2前方戦域防空指揮統制システム、今回統合実験の対象となったのはTPQ-53は砲兵用システムに統合されていたため、これを防空用のFAAD-C2とも連接することにありました。一方、対砲レーダ装置は一般論として強力な電波発信源となり標定されやすく、音響測定と併用される装備です、敵に発見される対標定の技術について今後の課題でしょう。

 ドイツ海軍はフリゲイトによるレーザー砲発射実験を実施しました。ドイツ海軍は将来の沿岸部などにおける脅威として水上戦闘艦への小型無人機による攻撃などを重大な脅威として認識しており、ARGE海軍レーザー評価試験委員会を設置、MBDA社が開発している高エネルギーレーザー兵器のフリゲイトへの搭載研究を継続的に実施してきました。

 ザクセン級フリゲイトザクセンにおいてドイツ海軍は2022年8月30日、初の実験を実施しています。フリゲイトザクセンでの実験はエッカーンフェルデ湾での発射試験のほか、キールでの改修、シュレンドルフの海軍施設での船舶搭載試験なども実施、レーダーセンサーとの連動と目標識別から捕捉と射撃管制と迎撃までの一連の流れを試験しています。

 高エネルギーレーザーシステムは装備モジュールへの統合化と射撃管制装置や情報処理装置をMBDA社が担当し、レーザー砲システム単体はラインメタル社が担当しています。これは無人機のスウォーム攻撃の阻止、また地上に設置し迫撃砲弾などにも対応可能とのことで、出力を強化したばあい、対艦ミサイルや巡航ミサイルの迎撃も可能とのことです。

 アメリカ陸軍はAIAMD陸軍複合防空防衛システムの実試験に成功しました。試験は11月17日、ニューメキシコ州ホワイトサンズミサイル試験場において実施され、これにはアメリカ陸軍統合射撃研究司令部と第43防空砲兵連隊第3大隊が参加、IBCS統合防空ミサイル防衛指揮通信システムとペトリオットミサイル及びセンチネルレーダーが参加した。

 AIAMDは様々な脅威に対する統合射撃管制という新しいシステムであり、これは従来の巡航ミサイルやロケット弾に短距離弾道ミサイルのほか、極超音速滑空兵器や徘徊式弾薬と無人機攻撃と滑空砲弾など、空からの脅威は多様化しています、これらの脅威に対応するには各種レーダー以外に無人航空機や宇宙からの防空情報包括管理が必要となってきます。

 ホワイトサンズミサイル試験場での実験では巡航ミサイルを擬した目標が用いられ、迎撃にはペトリオットミサイルが用いられました。従来アメリカ陸軍は空軍の絶対的な航空優勢下での作戦運用を念頭としてきましたが、制空権の圏外から例えば沿空域の低空攻撃や宇宙からの攻撃には空軍は万能ではなく、陸軍は防空砲兵部隊の強化を急いでいます。

 アメリカ海兵隊は新型のLMADIS軽量海兵統合防空システムの実証実験を実施しました。これはドローン小型無人航空機の戦場運用での増大という新しい脅威を受けたもので、MV-22オスプレイ可動翼機に車両ごと搭載できる近距離対空レーダ装置を複数同時運用し、沿空域と呼ばれる非常に低い高度から中高度までを警戒するという野戦防空システムだ。

 ポラリス特殊戦車両が、今回このLMADISの端末車両として採用されています。ポラリスは所謂バギータイプの小型車両で日本でも市販されているものですが、海兵隊はグロウラー軽機動車のようなオスプレイに搭載できるが格納庫数cm幅しか余裕がなく乗降に長時間を要する車両に代えて多用していて、また空軍特殊作戦部隊などでも使用しています。

 RPS-42レーダーとCM262U複合光学監視装置、そしてスカイビュー電子妨害装置、AN/PRC-158広帯域無線機をポラリスの車体に搭載しています。これらの装備は海兵隊の将来戦闘部隊構想であるフォースデザイン2030において、無人航空機能力と対処能力及び電子戦能力の強化として示されていて、実証実験は第2海兵航空団が支援しています。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【京都発幕間旅情】榛名さんの総監部グルメ日誌-滋賀能登川,かっぱ寿司と侮るなかれ晩酌は文豪風に始め日常を潤わす

2023-01-09 18:27:44 | グルメ
榛名さんの総監部グルメ日誌
 寒い日が続きますと御燗か冷やかで迷ってしまいますが先ずは店を探さなければならない、ここは東海道線能登川駅の近く。

 かっぱ鮨以外、この日はクリスマスでもないのに全部混雑していたものですから、このコロナの時代にわいわいしているところでは一人静かに豊かに晩酌なんてものを楽しむことはできません、そんなことでひとつ、かっぱ鮨でお酒とお寿司を楽しむこととしました。

 かっぱ鮨というと安物とか寿司屋ではないなどといろいろ言う人が居ますけれども、それは風評被害というものでして、かっぱ鮨さん自身が寿司屋と名乗っておらず、割烹を屋号に記しているのですから、わたしはそれでいいと思う。そして飾りすぎない店内が好き。

 適当に好きな魚を刺身にしてもらって、ぬる燗の清酒を二合ほどいただきまして、最後に握りを二かん三かん頂いて、おあいそ。これが通の食べ方なのだと、鬼平さん原作者さんのような食べ方をききましてから、なるほどなあと思っていたもの。確かに気軽とおもう。

 能登川駅の、ここから米原駅のほうへ向かいますと能登川駅のホームの先にスヌーピーというお店がありまして、ここは滋賀県内でも珍しくスヌーピー焼きをいただけるという、べつにワンチャンが入っているわけでなくスヌーピーさんが焼いているからの名前なのだ。

 スヌーピーで一杯やろうとおもっていたのですが、聞けば今夜は満員という、前も満員なところ二階で教職員の会合があって何故か社会科の中学校の先生と間違えられて、その後いろいろあって隙間で一杯やれたものですが、どうもこの日はもっと満員御礼満杯らしい。

 食通の食べ方というよりも、わたしの場合は読書とか、買い物とか、観光の往路帰路に電車で寄り道をしまして、ちょっと気分転換したいよね、立ち寄る場所に晩酌を挙げているものですから摘んで呑んで、大将さんから振られれば世間話、たまに近所の子供が来たり。

 刺身は三点盛りなのですが、さてお酒をどうしたものか、ビールのラガーはお通しとともに頂きますが、なによりお通しというのは店の名刺みたいなもの、これだめだと小皿一皿ともう一杯だけ呑んで撤収するところですが、かっぱ鮨はなかなかのお店、刺身を注文へ。

 世の中、やはりこう風通しがなければ日常の世界が自分の仕事と趣味だけになってしまって、どこそこの高校の定員があぶないとか、新共通テストまでどの学校の世界史が現代史を半分も終えていないとか、そんな話にもふれずに無関心になってしまう、よくないこと。

 山芋の短冊を晩酌の共に加えました、これも似ているようでそのお店の個性が出るのです、ひとによってはアレルギーがあるので注意が必要ですけれども、しゃきしゃきした歯ごたえが、これはお刺身には無いものですので晩酌の際にちょっとした気分一新の転換という。

 握りは、ひとつひとつ注文することはできるのですけれども、並鮨上鮨の単位で注文したほうがはるかに安上がりということですので、じゃあ並鮨か上鮨にしようかな、と。すると穴子もひとつでも手焼きしてくれるものでして、小回りの良さが鮨屋の好きなゆえん。

 揚げ出し豆腐、卓席でわいわいやっている近所のみなさん、なにか駅前商店街の催事があったようなのですが打ち上げなのでしょうか、注文しているのが美味しそうで、小上がりこちらもにぎわっているのですが、美味しそうでしたので私も注文、コクあり美味しい。

 割烹ということなのですが、鮨屋さんでもあるかっぱ鮨さん、この技術というのは魚を見極め、寝かした方が旨味の増すものと、鮮度の方が歯ごたえが進むものとを吟味して皿に盛りつけてくれますのでその腕前を期待するだけでよい、気軽さはこんなところにもある。

 かっぱ鮨、能登川駅をスヌーピーさんの方角へ行きまして、信号を線路と琵琶湖とは真逆の方角を見ますと、ほぼ信号から横断歩道を斜め向こうにわたりましたあたりに、ちょっと大きなお店を構えています、しかしその暖簾の向こうには家庭的な暖かさで晩酌の聖地があるのだ。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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無人機対策にはAWSPとAHEAD弾!ロシア無差別攻撃ドローン一掃,ウクライナで実証された35mm機関砲の威力!

2023-01-09 07:00:02 | 先端軍事テクノロジー
■87式自走高射機関砲
 自衛隊は無人機対策に政府が考える新技術を試すよりも調達中止された87式自走高射機関砲を予定通り150両揃えてみてはと思う。

 ゲパルト自走高射機関砲、その威力は健在であったことがウクライナで証明されています、ロシア軍が多数を投入するイラン製無人機ですが、この迎撃にドイツから供与されたゲパルト自走高射機関砲、1970年代の装備なのですが、最新の35mm弾薬を用いることで大活躍しているのです。これは無人機の特性によくあった高射機関砲の運用といえるものだ。

 AHEAD弾薬、発射時に機関砲システムから目標の距離を時限信管に入力することで目標の目の前で炸裂し無数のタングステン弾片を散布する、これは1990年代に開発された弾薬で、第二次大戦中にアメリカ海軍が日本海軍の航空機へ威力を発揮したVT信管の再来といえるものですが、VT信管の当時の難点は大きく127mm砲弾にしか詰められない点です。

 VT信管、レーダーを内蔵した信管で時限信管よりも目標に威力を発揮できるという点でしたが、戦後40mm機関砲弾に積むことはできず、アメリカはボフォース40mm機関砲を艦砲から取り除き、76mm口径のMk33連装砲を艦砲として採用しました、海上自衛隊の護衛艦ちくご型、やまぐも型、みねぐも型、いすず型などに搭載された連装砲はMk33です。

 AHEAD弾薬は、35mm弾薬にレーダーを積むのではなく、今の技術であれば射撃をレーダーで管制するためにレーダーで目標の距離と弾薬の速度から未来位置を標定し、目標の目の前で炸裂させることは非常に簡単なのですね。ゲパルト自走高射機関砲の火器管制装置と射撃管制レーダーは小型ドローンを識別し、これに35mm機関砲弾をたたき込む。

 ドローンの語原は標的機、今回多用されているのは低速で安価なので多数を投入できるイラン製の市販無人機を転用したようなものであるため、AHEAD弾薬はタングステン弾片の威力は限られたものなのですが、一発で散布できる弾片だけで市販のクワッドドローン規模のものならば破砕できます、敵のドローンと弾薬一発の値段はほぼ同じ程に安いもの。

 ペトリオットミサイルでもクワッドドローンは撃墜可能だが数百ドルのクワッドドローンと数百万ドルのペトリオットミサイルでは費用対効果が合わない、これは無人機の脅威が認識された2010年代末に指摘されていたことです。イスラエルのアイアンドームミサイル、射程は短いものの安価とされたアイアンドームでも一発6万ドルという。砲弾は安い。

 しかし、35mm機関砲弾ですと、それほど高くはありません。しかもゲパルトについては不詳ですが、自衛隊の87式自走高射機関砲は単発射撃、連装しているので2発でますが、2発から5発まで対地攻撃用のバースト射撃も可能です。ここにAHEAD弾薬を用いれば、自衛隊が脅威と認識する小型ドローンをあっさり撃墜できる、標的機のように粉々に。

 87式自走高射機関砲、なにもレーダーやカメラまで1980年代のものを用意しろとはいいませんが、これを再評価し、冷戦終結により調達計画を当初の150両から48両で終了してしまいましたが、思い切って102両を再生産してはどうでしょうか、ドローンの威力は精査が必要ですが、ゲパルト自走高射砲とAHEAD弾薬は確実な威力を発揮しているのです。

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