北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【日曜特集】海上自衛隊60周年観艦式【06】ヘリコプター搭載護衛艦くらま出航(2012-10-08)

2023-01-29 20:01:26 | 海上自衛隊 催事
■ヘリコプター搭載護衛艦
 今週も諸般の事情で短縮記事です。

 ヘリコプター搭載護衛艦くらま。1973年に海上自衛隊最初のヘリコプター搭載護衛艦はるな竣工となりましたので、この2023年というのは海上自衛隊艦隊航空にとり半世紀を迎える節目の一年です、しかしこのヘリコプター搭載護衛艦くらま、もいまや歴史の一隻だ。

 海上自衛隊の艦隊航空は、悲願とも言えた固定翼航空機の護衛艦への運用能力付与が秒読み段階となっています、2024年には航空自衛隊のF-35B戦闘機運用が開始され、南九州新田原基地へF-35B戦闘機が配備、この航空機は護衛艦での艦上運用も想定しています。

 はるな型ヘリコプター搭載護衛艦から始まりました艦隊航空、輸送艦おおすみ艦上などでのヘリコプター運用試験を行い、もちろんこの輸送艦は現在の大型のものではなくアメリカから供与された第二次世界大戦型の輸送艦ですが、その試験実績を以て建造されました。

 5000t程度の船体にヘリコプターを搭載する、海上自衛隊としてはこの設計をどのように実現するのかが課題でして、第二次世界大戦中の護衛空母を小型化した様な全通飛行甲板も検討されたといいます、これが実現していれば興味深い結果となったのでしょうけれども。

 全通飛行甲板を採用した場合は、5000tの船体では小型すぎますので格納庫を配置出来ません、すると哨戒ヘリコプターは露天係留となる、旧海軍では水上機を露天係留した事例はありますし、5500t型軽巡洋艦にも水上機を搭載した事例があるが整備上のぞましくない。

 巡洋艦型船体、ヘリコプター搭載護衛艦くらま筆頭に第一世代のヘリコプター搭載護衛艦はヘリコプター巡洋艦型の船体を採用していますが、全通飛行甲板を断念した先に海上自衛隊が選択したのは、カナダ海軍やイタリア海軍で実績ある巡洋艦方式の船体構造です。

 ヘリコプターを運用する場合、しかし飛行甲板に二機を同時発着させる広さを確保するのか、それとも一機のみを発着させもう一機を待機させる程度の広さとするのか、または発着区画は一機分のみとして艦砲などを充実させるのかで、大きな論争になってゆきました。

 ターターシステム、海上自衛隊としてはヘリコプター搭載護衛艦は当時最大の護衛艦がミサイル護衛艦あまつかぜ、基準排水量3050tですので旧海軍以来の大型艦、まさに巡洋艦の再来といえるもので、護衛艦はるな建造は三菱重工長崎造船所が引き受けています。

 ミサイル巡洋艦としても運用するべく、じつは護衛艦はるな設計時には広域防空艦としてターターシステムを搭載する構想もあり、この為には航空機区画を局限化する必要がありました。ただ、それではヘリコプター搭載護衛艦としての能力を最大限発揮出来ない。

 はるな建造、結果論ですがこのターターシステムを搭載しない選択は建造費を抑える事にも繋がり、これが日本の防衛費に大きな制約がある時代に、ヘリコプター搭載護衛艦を4隻も建造できた背景となり、その建造枠は今日の第二世代に引き継がせる事が出来ました。

 霧島筆頭に戦艦武蔵まで多数の戦艦を建造した経験のある三菱重工長崎造船所です、はるな建造も順調に進みまして、ヘリコプター搭載護衛艦くらま建造も三菱重工長崎造船所がになっています。現在長崎では護衛艦もがみ型が猛烈な意気込みで大量建造されています。

 ひゅうが型護衛艦など、ヘリコプター搭載護衛艦は現在、全通飛行甲板型の、空母型とも呼ばれますが、第二世代に交代を完了しました。ヘリコプター搭載護衛艦くらま建造までは時間もかかりましたが、その努力が現在の猛烈な周辺国の圧力に耐える原動力なのです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【京都発幕間旅情】スカイライナーに見間違える浅草線5500系電車と京成3700系と京成3000系

2023-01-29 18:10:26 | コラム
■浅草線5500系電車
 京成電鉄を利用した際の話題です。

 スカイライナーの様に遠目には見えるのですが東京メトロ5500系、一部の人は遠距離での識別を視力検査とよぶのだとか。車体の塗装一つでスピード感を通常の車両に感じさせられる、その一例と云えるのかもしれません、こうした工夫の塗装というのはいいですよね。

 京成電鉄と云いますと東京と成田をむすぶ鉄道という印象があるのですが、昨今は相互乗り入れにより、ちょっとどこに行くのかと分らなくなるものでして、確かに京阪神では山陽電車の相互乗り入れや近鉄の阪神乗り入れなどが有るには在るのですが慣れなのですか。

 京成電鉄と云いますとこの、行先表示と区分が分れていて特急運行や普通列車の貫通扉のあたりに表示される方式が、わたしにとっての形成電車、というところでしょうか。初めて見た頃には旧塗装も残っていましたので、京阪電車もそうですが転換期は寂寥感がわく。

 ステンレス車といいますと、個性の無い電車という印象を勝手にもっていたのですけれども、3700系の運転台よりも下のあたりに種別表示の小窓が配置されている方式は、これは私の知る限り京成電鉄独特のものですので、車両の個性があるというのは、気風を感じる。

 京成電車の世代交代は、この小田急当たりと重なりそうなデザインでして、これが一番量産されているので車両メーカーとしては安価に納入できるのでしょう、しかし、国鉄が全て近郊型は113系と通勤型が103系で統一してしまった時代ではないのですから、と思う。

 こういう電車、自衛隊関連行事としましては習志野駐屯地や下志津駐屯地に木更津駐屯地を探訪する時などに京成電鉄を利用する事が有るのですが、こうした普段見ない電車、通勤電車を見ます程に、遠くに来たのだなあと、不思議に旅情を感じてしまうのです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【京都幕間旅情】榛名さんの総監部グルメ日誌,焼き鳥を安価で高品質に提供するチェーン店は食の伝道師的役割

2023-01-29 07:01:23 | グルメ
榛名さんの総監部グルメ日誌
 北大路機関は言葉たりずなところがあると共に実に多くの方に閲覧頂いているということを改めて感謝です。

 個人経営の焼き鳥屋は美味しい、こんな話題を昨日掲載しますと、久々に大学時代の友人からメールを頂きまして、そういえばあの時代はなあ、と。チェーン展開やフランチャイズ店を忌避している訳ではないのですが、料理の紹介という点で個性と強調した結果です。

 昨夜突如ブレーカーが落ちて作業中のデータがUPS補助動力装置はあるものの緊急停止させたことで幾つかの文章が飛んでしまうという厳しい状況がありまして、ちょっと気分転換に、本部が東京にあるチェーン展開の焼き鳥屋さんに、数年ぶり、探訪したしだいです。

 インフレといいますか、ロシア軍ウクライナ侵攻により様々な価格高騰に悩まされる昨今ですが、驚いたのは値段が、ほぼ、全てではないにしても、昔のまま頑張っているチェーン展開の焼き鳥屋さんの努力というものでした。そして店員さんも威勢も愛想もよい。

 焼き鳥、美味いじゃないか、日本酒美味いじゃないか、焼き鳥の部位揃ってるじゃないか、ジムビームハイボール上手じゃないか、しかし考えれば薄利多売故にCOVID-19の影響を緊急事態宣言でも最大限苦悩していたのはここなのだよなあ、と確かにうなづかせられる。

 マスプロ化されたサービスシステムに依拠して低価格と高品質を両立している、いや、驚いたのは価格帯でして、確かにいままでに紹介したお店よりも半額に抑えている、その割に深夜零時を超えても深夜料金さえ取らずに高品質なサービスを提供している、驚きです。

 焼き鳥は、しかも一本単位からの注文に対応していますし、焼き立てがさっそくに笑顔と共に提供される、いや個人経営のお店のサービスを再現しようとチェーン展開のお店でも頑張っているではないか、と、成程、わたしの表現は行き過ぎが在ったのかもしれません。

 実はチェーン展開、個人的には好きです、いやフランチャイズオーナー制のお店で行きつけはありましたが、オーナーが体調を崩して廃業してしまった際には、閉店の直前まで通い詰めた事もある、これはオーナーと仲間たちの人柄、チームワークに惹かれた構図で。

 価格帯の方もあるのでしょうが、頑張っている価格帯のお店は若者で賑やか、というのはCOVID-19下でのわたしの認識です、いや、騒いでも万一の際にも安心できる世代にその場を譲ろうという心証が強いのかもしれない。しかし食文化の入り口に、お勧めできるのです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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