■ヘリコプター搭載護衛艦
今週も諸般の事情で短縮記事です。
ヘリコプター搭載護衛艦くらま。1973年に海上自衛隊最初のヘリコプター搭載護衛艦はるな竣工となりましたので、この2023年というのは海上自衛隊艦隊航空にとり半世紀を迎える節目の一年です、しかしこのヘリコプター搭載護衛艦くらま、もいまや歴史の一隻だ。
海上自衛隊の艦隊航空は、悲願とも言えた固定翼航空機の護衛艦への運用能力付与が秒読み段階となっています、2024年には航空自衛隊のF-35B戦闘機運用が開始され、南九州新田原基地へF-35B戦闘機が配備、この航空機は護衛艦での艦上運用も想定しています。
はるな型ヘリコプター搭載護衛艦から始まりました艦隊航空、輸送艦おおすみ艦上などでのヘリコプター運用試験を行い、もちろんこの輸送艦は現在の大型のものではなくアメリカから供与された第二次世界大戦型の輸送艦ですが、その試験実績を以て建造されました。
5000t程度の船体にヘリコプターを搭載する、海上自衛隊としてはこの設計をどのように実現するのかが課題でして、第二次世界大戦中の護衛空母を小型化した様な全通飛行甲板も検討されたといいます、これが実現していれば興味深い結果となったのでしょうけれども。
全通飛行甲板を採用した場合は、5000tの船体では小型すぎますので格納庫を配置出来ません、すると哨戒ヘリコプターは露天係留となる、旧海軍では水上機を露天係留した事例はありますし、5500t型軽巡洋艦にも水上機を搭載した事例があるが整備上のぞましくない。
巡洋艦型船体、ヘリコプター搭載護衛艦くらま筆頭に第一世代のヘリコプター搭載護衛艦はヘリコプター巡洋艦型の船体を採用していますが、全通飛行甲板を断念した先に海上自衛隊が選択したのは、カナダ海軍やイタリア海軍で実績ある巡洋艦方式の船体構造です。
ヘリコプターを運用する場合、しかし飛行甲板に二機を同時発着させる広さを確保するのか、それとも一機のみを発着させもう一機を待機させる程度の広さとするのか、または発着区画は一機分のみとして艦砲などを充実させるのかで、大きな論争になってゆきました。
ターターシステム、海上自衛隊としてはヘリコプター搭載護衛艦は当時最大の護衛艦がミサイル護衛艦あまつかぜ、基準排水量3050tですので旧海軍以来の大型艦、まさに巡洋艦の再来といえるもので、護衛艦はるな建造は三菱重工長崎造船所が引き受けています。
ミサイル巡洋艦としても運用するべく、じつは護衛艦はるな設計時には広域防空艦としてターターシステムを搭載する構想もあり、この為には航空機区画を局限化する必要がありました。ただ、それではヘリコプター搭載護衛艦としての能力を最大限発揮出来ない。
はるな建造、結果論ですがこのターターシステムを搭載しない選択は建造費を抑える事にも繋がり、これが日本の防衛費に大きな制約がある時代に、ヘリコプター搭載護衛艦を4隻も建造できた背景となり、その建造枠は今日の第二世代に引き継がせる事が出来ました。
霧島筆頭に戦艦武蔵まで多数の戦艦を建造した経験のある三菱重工長崎造船所です、はるな建造も順調に進みまして、ヘリコプター搭載護衛艦くらま建造も三菱重工長崎造船所がになっています。現在長崎では護衛艦もがみ型が猛烈な意気込みで大量建造されています。
ひゅうが型護衛艦など、ヘリコプター搭載護衛艦は現在、全通飛行甲板型の、空母型とも呼ばれますが、第二世代に交代を完了しました。ヘリコプター搭載護衛艦くらま建造までは時間もかかりましたが、その努力が現在の猛烈な周辺国の圧力に耐える原動力なのです。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
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ヘリコプター搭載護衛艦くらま。1973年に海上自衛隊最初のヘリコプター搭載護衛艦はるな竣工となりましたので、この2023年というのは海上自衛隊艦隊航空にとり半世紀を迎える節目の一年です、しかしこのヘリコプター搭載護衛艦くらま、もいまや歴史の一隻だ。
海上自衛隊の艦隊航空は、悲願とも言えた固定翼航空機の護衛艦への運用能力付与が秒読み段階となっています、2024年には航空自衛隊のF-35B戦闘機運用が開始され、南九州新田原基地へF-35B戦闘機が配備、この航空機は護衛艦での艦上運用も想定しています。
はるな型ヘリコプター搭載護衛艦から始まりました艦隊航空、輸送艦おおすみ艦上などでのヘリコプター運用試験を行い、もちろんこの輸送艦は現在の大型のものではなくアメリカから供与された第二次世界大戦型の輸送艦ですが、その試験実績を以て建造されました。
5000t程度の船体にヘリコプターを搭載する、海上自衛隊としてはこの設計をどのように実現するのかが課題でして、第二次世界大戦中の護衛空母を小型化した様な全通飛行甲板も検討されたといいます、これが実現していれば興味深い結果となったのでしょうけれども。
全通飛行甲板を採用した場合は、5000tの船体では小型すぎますので格納庫を配置出来ません、すると哨戒ヘリコプターは露天係留となる、旧海軍では水上機を露天係留した事例はありますし、5500t型軽巡洋艦にも水上機を搭載した事例があるが整備上のぞましくない。
巡洋艦型船体、ヘリコプター搭載護衛艦くらま筆頭に第一世代のヘリコプター搭載護衛艦はヘリコプター巡洋艦型の船体を採用していますが、全通飛行甲板を断念した先に海上自衛隊が選択したのは、カナダ海軍やイタリア海軍で実績ある巡洋艦方式の船体構造です。
ヘリコプターを運用する場合、しかし飛行甲板に二機を同時発着させる広さを確保するのか、それとも一機のみを発着させもう一機を待機させる程度の広さとするのか、または発着区画は一機分のみとして艦砲などを充実させるのかで、大きな論争になってゆきました。
ターターシステム、海上自衛隊としてはヘリコプター搭載護衛艦は当時最大の護衛艦がミサイル護衛艦あまつかぜ、基準排水量3050tですので旧海軍以来の大型艦、まさに巡洋艦の再来といえるもので、護衛艦はるな建造は三菱重工長崎造船所が引き受けています。
ミサイル巡洋艦としても運用するべく、じつは護衛艦はるな設計時には広域防空艦としてターターシステムを搭載する構想もあり、この為には航空機区画を局限化する必要がありました。ただ、それではヘリコプター搭載護衛艦としての能力を最大限発揮出来ない。
はるな建造、結果論ですがこのターターシステムを搭載しない選択は建造費を抑える事にも繋がり、これが日本の防衛費に大きな制約がある時代に、ヘリコプター搭載護衛艦を4隻も建造できた背景となり、その建造枠は今日の第二世代に引き継がせる事が出来ました。
霧島筆頭に戦艦武蔵まで多数の戦艦を建造した経験のある三菱重工長崎造船所です、はるな建造も順調に進みまして、ヘリコプター搭載護衛艦くらま建造も三菱重工長崎造船所がになっています。現在長崎では護衛艦もがみ型が猛烈な意気込みで大量建造されています。
ひゅうが型護衛艦など、ヘリコプター搭載護衛艦は現在、全通飛行甲板型の、空母型とも呼ばれますが、第二世代に交代を完了しました。ヘリコプター搭載護衛艦くらま建造までは時間もかかりましたが、その努力が現在の猛烈な周辺国の圧力に耐える原動力なのです。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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