北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【G3X撮影速報】令和4年-第一空挺団降下訓練始め,日本-アメリカ-イギリス-オーストラリア(2023-01-08)

2023-01-14 20:12:05 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■習志野-国際空挺降下
 国際観艦式が昨年挙行されましたが新年あけての空挺降下は正に国際空挺降下というべき式典となりました。

 第一空挺団降下訓練始め。先週日曜日に挙行されましたが、2021年と2022年の一般公開が中止されました行事の再開、幸いなほどの快晴に恵まれました。当方はといいますと、こんかいはゆっくりと準備する機会もあり、余裕を以て開門一時間半以上前に到着しましたが。

 習志野訓練場には二つの門がありまして、鉄道駅からは訓練場正門が近いのでしょうが見学場所までは自動車教習場門が最寄りでもあり、後者の方に並びました次第、こうした中でふとおもったのは、今年度の降下訓練始めは国際降下訓練始め、という様相の実態でした。

 イギリス第16空中機動旅団、いや組織改編によりヘリコプター部隊がそのまま統合ヘリコプターコマンド隷下に移管されましたので、第16空挺旅団や第16空中強襲旅団の名称のほうが相応しいのかもしれませんが、オーストラリア軍空挺学校の参加、国際色豊かなものです。

 アメリカ第11空挺師団、驚かれた方も多いでしょう、半年前に新編されたばかりの部隊が参加しています。これでは来年にフランスから第11落下傘旅団が参加しても驚かない、と考えさせられたものなのですけれども、それ以上に参加航空機に米軍機が多くなっていました。

 C-130J輸送機、2022年に実施された第1空挺団の大規模空挺演習ではアメリカ空軍が支援を行い、日夜つづき東富士演習場と横田基地を輸送機が往復していたのは話題となりましたが、三機編隊のC-130Jが来まして、自衛隊にC-130Jが無いことを思い出しますと、これは、と。

 C-2輸送機と、そして航空自衛隊のC-130H輸送機も確かに参加はしていましたが、これは稼働率の面で大丈夫なのか、輸送機についてはもう少し増強の必要性を感じるものです。日米合同といいますと響きは良いのですが、C-130H稼働率は大丈夫か小牧まで見に行ったほど。

 AH-1S対戦車ヘリコプターも不安なほどに縮小されています、そしてAH-64D戦闘ヘリコプターは飛行さえしませんでした、現代の高度な野戦防空環境では戦闘ヘリコプターは、というのはその分野の技術発展を知ろうとしていない証拠であり、ヘリコプターは進化しています。

 AH-64Dはイスラエル空軍において既にスパイクNLOSの運用を開始、これは射程が32kmもあるTV誘導方式の対戦車ミサイルで、射程を50kmに延伸したスパイクNLOS2のアパッチからの発射試験が昨年から進行中、これはアメリカ軍とギリシャ軍が既に採用方針をかためました。

 ヘリコプターには脆弱性があるということは理解しています、しかし、だからレーザー防護システムなどを搭載し脆弱性を局限しようとするのがNATOであり、ヘリコプターは危ないので空軍を戦争に参加させない、というのは今のロシアのウクライナでの戦術、まねるべきでない。

 第五空母航空団のHH-60の参加、2022年の降下訓練始めでは自衛隊のUH-60JAにM-134ミニガン、日本にないはずの装備が搭載されていて話題となりましたが、特殊作戦群の支援用ヘリコプターであったといい、特殊作戦群支援にHH-60が展開した、ということなのでしょうかね。

 戦果拡張へ空挺降下が二回行われましたのには驚きました、二回目の空挺降下は地上の訓練展示がほぼ片付いた状況でヘリボーンによりアメリカ軍部隊が展開しまして、訓練展示の戦闘にも参加してくれました、これはこれで驚きではあったのですが、C-130J輸送機は飛行したまま。

 イギリス軍の空挺降下はこれに続いて実施されまして、周りからも、二回降下するのか、と驚きの声が上がります。ヘリコプターの傘下は自衛隊のヘリコプター部隊縮小と共に危機感を感じる水準となっていますが、その分を同盟国と友好国に依存する、不思議な降下訓練始めでした。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【京都発幕間旅情】榛名さんの総監部グルメ日誌-岐阜大垣,大垣城の飯は美味い!岐阜基地撮影は鮨の晩酌と共に

2023-01-14 14:40:21 | グルメ
榛名さんの総監部グルメ日誌
 国道沿いに城郭を見つければ和風ならば再建天守で洋風ならば少子化対策ホテルと相場は決まっているのかもしれませんが、さて。

 岐阜基地、北陸へ延びる国道8号線から米原で国道21号線に曲がりまして、関ヶ原と大垣を越えますと岐阜市のあたりからすでに基地を一望する三井山の姿が見えてくるのですが、その途中に気になる建物があります、お城のような、ね。そこは城下町大垣という。

 大垣城は広大な城郭でしたが、広大とはいえ大垣駅の目の前に静かにたたずむ城郭の二の丸三の丸がここまで広がるとは思えません、十重二十重という言葉がありますから二十の丸くらいあれば、というほど離れています、大垣城、実は熊本城のびっくりの総構え。

 熊本城云々は冗談でして、ここはなんとお寿司屋さん、スシショク・ニンサンが多数お迎えする、オスシヤ・サンなのですね。初寿し、このお店は岐阜基地のすぐとなりにもありますが、別館が十重二十重にと延びているのではなく、暖簾分けの姉妹店ということです。

 初寿しさん、おもしろいのは岐阜を走っていますと名鉄線や東海道本線からはそれほど気にはならないのですがいろいろな街にありまして、しかしチェーン店ではなく暖簾分けですので、料亭風のお店も有れば昔ながらの寿司屋佇まい、近代的なビルや商店街の中にも。

 城郭風、しかしこの、小牧城天守閣なみのしっかりした城郭風というオスシヤサンは珍しい、琵琶湖文化館という迫力有る建物を思い出すのですが、ここは博物館でしたのでへんはなし、ここまで難攻不落風のオスシヤサン、わたしはなかなか知りません、日本は広い。

 火縄銃に太刀から槍に甲冑まで、信長祭りに参加できそうなほどの武器が豊富でして、北大路機関武器庫ほどではないのでしょうが、迫力があります。これは世界のお客様が喜びそうだ、という前にわたしもうれしい、こういう趣味に走る店造り、なにを楽しもうかな。

 日本酒三種、試飲というにはいろいろなものを楽しみたいところです、やはりここは日本酒からでしょう。清酒の辛口あまくちといいますか、しかしどれもほのかな香りが甘みを感じさせるとともにたしかにこのきつさが辛さの意味なのだろうなあ、喉まで楽しみます。

 龍宮。迫力有るお寿司を注文します、こういうオスシヤサンでは腕調べにまず並寿司を注文するところなのですが、ここはいろいろな種類があって、並というものもあるにはあるのでしょうが、大きな穴子おまかせ、とか、紅白の極、とか板長、とか名前がたくさん。

 まぐろつくし、というものにも気を引かれたのですが、お寿司は色彩を楽しむもの、するといろいろ載っているものを選びたくなるのですが、あああとは、迷うといえば目の前に並びますとさて、どこからいただこう、というこちらの方でも悩むところなのですけれど。

 おいしいお寿司です、それでももって悩まされるのはもう一品、晩酌のお供にする際に、ちょっとなにを頼もうか、という贅沢な迷いなのですが、ここの寿司職人さんたちはがんばっていまして、もう思いつく限りメニューが居酒屋のように墨書で大書されて壁に並ぶ。

 鮪もイクラも、なんといいますか光が透き通るものですから宝石箱のように美しいものでして、目で楽しむという、味もおいしいそのまえに、気分が高鳴るというのはお寿司の楽しみです、赤みの酸味か白身の滋味か、そうちょいと山葵の刺激に身構えつつ、と頬張る。

 金曜日にカレーが残念なことになっていたので改めてカレーにしよう、ということでカレイの煮付け、煮魚なのですがなにしろ大きなお魚をそのまんま煮つけにしてくれましたので、お皿の迫力がすごいのですよ。見た目とともに満足感から、これぞ大皿のもの。

 煮魚というのは、お箸の技量にもよるのでしょうが、食べるところがもう多種多様というものでして、白身に甘辛いタレがしみこんでいまして、ちょいとほじるのが難しい骨の周りの部位の脂身も、煮魚でも白さを失わない白身、鰭の部分のタレの絡んだ部分も皮でも。

 清酒とよくあう、精錬の清酒とはよくいったもので、たしか煮魚は和食の中でも味が濃い部類にはいるのだと思う、けれども清酒の清さというものでしょうか、水回しのようにいったん初期値に味覚を戻しまして、そして一口二口や三口と煮魚頂き、そして清酒を嗜む。

 寿司といいますか和食の楽しみ、そういえば水の都とよばれています大垣は、歴史もなにしろあの関ヶ原の戦いの前哨戦となりました岐阜や木曽川からも指呼の距離にありまして、歴史があるのです。そして昔からの城下町でしたから、おいしいものを尊ぶ文化も長いのです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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無人機はAH-64Eアパッチガーディアンを凌駕するのか?先ずは索敵能力や行動半径などの実証実験をすべき

2023-01-14 07:01:51 | 先端軍事テクノロジー
■戦闘ヘリコプター
 政府は自衛隊改革の一環として40年以上重視した航空打撃力と戦闘ヘリコプターを全廃させる検討を進めている。

 戦闘ヘリコプターを廃止して無人航空機に置き換えるというけれども、それほど自衛隊は無人機の運用に自信をつけるほど、これらの装備を開発している気がしない、いやむしろ中途半端な装備体系となるのではないか、防衛力整備計画に盛り込まれた無人機への戦闘ヘリコプターの置き換えについて、こうした技術的な懸念をどうしても払拭できません。

 MQ-8無人ヘリコプターを調達する計画はどうなったのでしょうか。個人的に非常に気になるのは、おそらく戦闘ヘリコプターを置き換えることができる例外的なヘリコプターであるMQ-8が安倍政権時代の防衛大綱において海上自衛隊へ20機の調達が具体的に示されたものの、その後の動きがないことです。取得費用は一機あたり20億円程度のものという。

 無人航空機、ロシア軍ウクライナ侵攻にともなうウクライナ戦争において緒戦でウクライナ軍が運用するバイラクタルTB-2無人機の活躍が報じられました、2020年のアゼルバイジャンによるナゴルノカラバフ戦争においてもバイラクタルTB-2無人機とイスラエル製ハーピー徘徊式弾薬による対戦車攻撃の活躍が報じられており、時事的ではある決断だが。

 懸念するのは、ロシア軍の無人機がかなりドイツから供与されたゲパルト自走高射機関砲から発射されるAHEAD砲弾、35mm砲弾でいわゆる焼夷徹甲弾ではなく、射撃時に時限信管に入力し目標目の前で炸裂しタングステン弾片を散布する1990年代に実用化された砲弾、これによりかなりの数が阻止されているのですね、ドローンとは標的機を意味する。

 政府が想定する、戦闘ヘリコプターの後継となる無人機のイメージがつかめませんが、電子妨害など無人機対策は様々な方法が模索されていたものの、2022年末の時点では伝統的といえる35mm機関砲からのAHEAD弾薬が一番威力を発揮している、そしてアイアンドームなどのミサイルと比較しても35mm機関砲弾は比較的安価な点も特色でしょう。

 無人機を導入するならば反対はしません、しかし、自衛隊は無人機の分野で後れをとっていますので、どの程度実用的であるのかは未知数です。さらに日本国内で検証しようにも日本国内の演習場は狭く、限界があります。日米合同演習などでAH-64Eアパッチガーディアンと自衛隊の想定する無人機を比較する演習を先に行うべきではないでしょうか。

 沿空域、無人機のなかでも厄介な点は空軍が想定するよりも低い空域、しかし陸軍の車両が想定していない、いわばいままでは対戦車ミサイルなどが飛翔していた空域が無人機による新しい戦場となっている点です。しかし、この空域を運用する無人機は残念ながらAH-64D戦闘ヘリコプターのように遠くまで飛翔することはできません。性能の限界だ。

 無人機か戦闘ヘリコプター、難しいのはどちらかで決定打となる機種がないのです、戦闘ヘリコプターは2021年からフィリピン軍さえ導入し、日本周辺では中国北朝鮮韓国に台湾とフィリピンが導入している、そしてこれらの国は無人機も併用して導入しているのです。まず、無人機で置き換える前に本物なのか、実力を見極めなければ、と考えるのです。

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