北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【京都幕間旅情】妙心寺-お盆,おしょらいさんお迎えする大伽藍を後に迫る巨大台風10号

2024-08-28 20:22:02 | 写真
■文化財脅かす気候変動
 鹿児島県に台風特別警報が発令されていまして予報ではこの後九州に上陸した台風は来月にかけ京都に接近するという。

 京都と気候変動、このお盆のおしょらいさんを撮影していたさいには実感がなく、台風でも来るならば多少涼しくはなるのかなあ、と安穏と考えていましたが、いま台風10号が接近していて、中心気圧が935ヘクトパスカルまで成長しているという。

 奄美大島付近にこの台風が停滞している時間帯にこの話題を執筆しましたが、次の項目を角までに少し時間をあけていますと、お昼の1300時には鹿児島県に台風特別警報が発令、当初予報の伊勢湾直撃とか大阪直撃といっていた予報は何だったのか。

 935ヘクトパスカル、瞬間最大風速70m/sという暴風、かつてない台風、かといわれれば第二室戸台風とか伊勢湾台風とか2018年台風21号とかいくつか前例がありますし、1950年代に多発していた巨大台風と比較しますと、70年ぶりの多発、ではあるが。

 文化財、京都と気候変動という話題は、このおしょらいさん撮影の際には、異常熱波で、伝統行事を存続できるのか、という危惧のほうが大きかったのです、暑かった中で撮影しましたから、いやあれ、熱かったなかというべきかもしれないほどに。

 伝統行事存続はたとえばいまは気温40度となっていますが、このまま中東や南欧のような気温50度というように、そのころには地球の一部地域は60度を越えて居住不能となる環境難民の懸念が国連はじめ警告されているのですが、仮に50度として。

 50度の世界で果たして祇園祭を行えるのか、山鉾巡行は曳くのもみるのも生命の危機ととなりあわせにならないのか、という危惧がありまして、いや、50度の世界となれば如意ヶ嶽はじめ五山の木々が枯死してしまい、五山送り火が不能とならないか。

 しかしもう一つ、巨大台風の頻発という状況も、これも考えればもう少し想像力を働かせて熱いさなかでも意識すべきだったのでしょうが、京都の文化財は風速70m/sの世界を想定して建築されているのか、という文化財の危機に直結しているのですね。

 古い木造建築物が倒壊する、これが風速70m/sの世界という。ただ、瞬間最大風速のはなしではなく風速の話で、今回の935ヘクトパスカル、しかも上陸地点は九州ですので、京阪神地区に到達するころには多少弱まっているという可能性は高いのだが。

 これが910ヘクトパスカル程度の勢力で大阪湾に上陸するような台風が頻発する時代になったならば、歴史的建造物はいったい、どの程度の風速を想定して建築設計されているのだろうか、という疑問です。地震と違い台風は記録が残りにくい。

 気象庁にきけばよいだろう、と思われるかもしれませんが、気象観測は明治時代からですので、歴史地震、白鳳地震はじめ過去の歴史は震源はともかく被害分布の記録は歴史地震として全容に迫れるのですが、台風被害は中世以前、記録が。

 嵐で大変だった、という記録は残っていても歴史地震のように地域ごとの被災記録をつなぎあわせることで全容が解明できるような、体系だった記録が、歴史台風というものが残っていないのですね、すると建物強度への配慮も記録がない。

 大阪城築城の際にはナマズに注意すべし、と天正地震の被害を元に耐震研究が行われ、その成果は熊本地震での築城当初部分の耐震性の高さで証明されましたが、果たして、京都の歴史的建造物は巨大台風を想定しているのか、不安なのです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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【京都幕間旅情】妙心寺-お盆,真夏の京都&熱い京都-おしょらいさんお迎えする大伽藍は暑すぎてヤバい!

2024-08-28 20:00:10 | 写真
■わんだふるはいかん!
 妙心寺へお盆のおしょらいさんお迎えの灯篭を見上げるべく拝観へ向かったのですが、わんだふるな一日になると思いきやこれ暑すぎてヤバい。

 京都散歩、当たり前と言われればその通りなのですが真夏の写真は少ない、紅葉の季節やさくらの季節の写真、そうかあと梅花の季節と比べても。そういうのは、このところの熱さです、真夏の情景はもう五月あたりにとるほかないのか。

 熱さです、妙心寺はおしょらいさんの季節と言うことで拝観にむかったのですけれども、花園駅から妙心寺まで、これといって遠い距離ではないのでそれほど熱さ対策もせずにカメラ片手に拝観へと歩み勧めまして、時間帯もお昼頃であったのが。

 妙心寺まで地図でみればもう花園駅から指呼の距離なのですけれども、頭痛にめまいまできまして、妙心寺にきた、目眩も来た。これ、百里基地で経験しましたけれども熱中症の前兆だ、昔ふうにいいますとこの症状は日射病ともいう。

 おしょらいさん、16日に執り行われますので、その夕方や前日あたりは盛り上がるのですけれども、そのさらにもう少し前から提灯はともされていると言いますので、それならば混雑があまりないころあいに情景を撮影しよう、とね。

 妙心寺は混雑はなかった、というよりも、これほんとに2024年の写真ですか、2020年のお盆ではありませんか、といわれてしまったような人のいない京都、という情景に仕上がりまして、それはもちろん、熱すぎて人出が限られていた構図なのかなあ。

 真夏の京都、熱い京都、という表現は幾度も紹介しているところですけれども、この熱さは庭園を直撃していて、何より情景を構成する上で重要なスギゴケが熱さで壊滅状態になっているという、気温も湿度もスギゴケにはもう無理らしい。

 スギゴケ、苔類は気候的適応力が高く、ほかの惑星へのテラフォーミングに使えるのではないかと言われた時代があり、火星や金星のテラフォーミングへの応用が期待されたと言うけれども、火星や金星はなんとかなっても、京都はだめなのか。

 日本庭園の起伏に富んだ造形、このなかでも必然の窪地状の地形にたまった水が、おそらく直射日光で熱湯になってしまって、スギゴケは茹でられている構図なのだろうなあ。実際、拙宅の水盆にわいていたボウフラは熱くて白くなっていた。

 衛生環境を考えればボウフラが水盆で熱せられて全滅していたのはさいわいのことなのかもしれないけれども、地球環境を考えるとこれは大変なことになっているのだ、と思う。これを避けるにはソーラー噴水というものを拙宅では活用しています。

 ソーラー噴水の気化熱、飛沫がそれなりに一定以上の温度上昇を避けるようでして、これが動いている水盆は、なぞの生き物たちも生き残っていました、けれども安物のソーラー噴水は数日間故障することもあり、そういう水盆の生き物は残念なことに。

 庭園のスギゴケの場合は、まさかソーラー噴水で全部防護するわけにもいかず、それでは水盆だらけになって水芸のようになってしまうしで、日本庭園、コケならばなんでも情景のために、と選ぶことができないようになっているという話を聞く。

 妙心寺にもいくつも庭園があるのですが、この熱中症手前の頭痛がある中ではなかなか退蔵院庭園を散策しようと言う余裕が生まれてこなかったのが正直なところです。もうすこし、盆をすぎれば涼しくなるのかもしれないと期待しつつ、この日の散策でした。

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中国軍機領空侵犯!中国空軍Y-9情報収集機1機が長崎県五島市の島嶼部男女群島付近で領空侵犯

2024-08-28 07:00:52 | 防衛・安全保障
■領空侵犯-8月26日1129時
 中国軍機による史上初の領空侵犯事案が発生しました。

 8月26日1129時、中国空軍のY-9情報収集機1機が長崎県五島市の島嶼部、男女群島付近において2分間いわたり領空を侵犯したと防衛省が発表しました。当該機へは航空自衛隊が緊急発進を実施したとのことですが、中国大陸からほぼ直進して長崎県沖に接近し、1040時頃から男女島の接続空域旋回を始め、1129時に領空侵犯したとのことです。

 領空侵犯機は警告を受けたものの再度長崎県の接続空域を旋回し1315時頃、中国本土へ飛び去ったとのこと。航空自衛隊は緊急発進は行いましたが、警告射撃等は実施していません。この事案に際し外務省は岡野外務事務次官が中国大使館の施泳臨時大使を外務省に呼び厳重抗議を行いました。中国外務省は意図した行動ではないと弁明していますが。

 緊急発進を支援する航空機の導入を真剣に検討する段階なのかもしれません。来年度予算に陸上自衛隊は多用途無人機としてMQ-9リーパー無人攻撃機を要求するとされています、もちろん、これは低速の航空機である為にF-2戦闘機やF-35戦闘機に随伴することはできません。ただ、戦闘機に随伴できる無人航空機が無いのかと云われるとそうではない。

 MQ-28ゴーストバット無人僚機、ロイヤルウイングマンとしてボーイングオーストラリアが開発し2021年に初飛行を迎えた無人機ですが、F-35戦闘機などに随伴し支援や情報収集などに充てる事が可能です。スクランブル、緊急発進は通常2機の戦闘機で実施されますが、MQ-28が僚機として運用されるならば、発進させる戦闘機は1機で済む事になる。

 F-15E/F-15EXイーグルⅡ、もう一つの選択肢としては、現在ほんとうに戦闘機は足りているのか、という実情です。航空自衛隊としては、戦闘機定数は政治決定である為に、現状でも十分対応可能、と応えざるを得ないのでしょうが、本当に戦闘機は足りているのかという。冷戦時代の防衛大綱戦闘機定数は350機、これが冷戦後は280機まで減ったのだ。

 F-15J戦闘機の老朽化は進んでおり、F-15J戦闘機の近代化改修が進められていますが、改修しても新造機のように30年40年延長運用はできません。この後継機としてF-35戦闘機やイギリスとの共同開発戦闘機計画などが進んでいますが、戦闘機定数を見直し、ライセンス生産を含めて77機程度、3個飛行隊所要程度を導入しては、とも考えるのです。

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