北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

79年目の終戦記念日-昭和20年は平和元年,平和は手段か目的か-抑止力と予防外交と軍事合理性と平和主義両立

2024-08-16 20:01:31 | 北大路機関特別企画
■祈るだけの平和の先
 平和は79年続いているのですが平和を周辺国の平和ではない手段に悪用させる事が当てはいいのかとも思う。

 平和を成果として享受するには、相応の防衛力や世界との関係を維持する必要があるのですが、先ずその必要性を、認識が共有できないところから、日本の平和主義、戦後79年の間、平和というよりも、平和を叫ぶ間だけは戦争の事を考えずに済むという免罪符のような状況のまま、気づけば日本周辺情勢が緊迫度を増している状況に陥っているよう。

 結果論としてなのですが、防衛、つまり実力で日本本土が戦争に巻き込まれない枠組みを構築する際に大きな問題が生じているのは、手段としての平和主義なのか、結果としての平和主義なのか、わたしの場合は当然のように後者であるべきとかんがえるのですけれども、この部分で先ず国内に議論の乖離と支持の分断が生じている構図です。

 NATO,日本で手段としての平和主義に重きを生む方から見ますと、ヨーロッパは全体的に好戦的な国家、と映るのかもしれません。ただ、実際の例えば冷戦後ソ連から独立を果たして更に努力の末NATOに加盟したバルト三国のエストニアやラトビアとリトアニアなどは、自国にNATO戦闘群が駐屯し、しかし必死で戦争回避を試みています。

 NATO戦闘群の駐屯とともに、NATO加盟には国家制度改革とNATO水準の制度民主化や装備体系と英語教育体系の普及などが求められ、ソ連の一部として併合されていた国々には変革は簡単ではありませんが、限られた国力も自国だけではロシアが再度ソ連再建を、今ウクライナにしているような、強攻策をとった場合、守り得ない自覚がある。

 沖縄では、MV-22オスプレイが吊り下げ空輸の訓練をしていたケシカラン、というような、揚げ足取り的な話題で幾つもヘイトスピーチのような内容や陰謀論さえ絡んで広められている事とは対照的であり、これこそ、手段としての平和主義、結果が平和でなくとも致し方ないという論調と、欧州の、結果として平和が保たれねば意味がない認識との違い。

 手段としての平和主義は否定されるべきか、こう問われますと何とも難しい気持ちになるのです、イスラエルの事例がある。イスラエルでは現在挙国一致内閣に参加している超正統派を筆頭としたユダヤ教政党は、自らが祈りにより超自然的な力が働きイスラエルを外敵から守っていると主張し、徴兵制を拒否、イスラエル国防省と対立していて。

 イスラエルといえば国民皆兵主義という印象があるのですが、超正統派はじめ宗教者は対象外で、もっとも人口比率が年々、避妊の禁止などにより出生率が高いこともあるのですが高まっていて、この方々も徴兵してくれないと不平等だという世論の分断はあるようですが、祈ることで軍事を用いずとも超自然的な神力で国家を護るという発想が。

 神風が吹くぞ、ではないのですが、これは手段としての平和の祈りの力を理解するというよりも、あのイスラエルでさえそうした発想が多数派にはならなくとも国内の少なくない割合を占めているということで、最後の戦争が1973年の第四次中東戦争、いや南レバノン戦争にいまのガザ戦争と繰り返しているイスラエルでさえ、そうした認識があり。

 日本の祈るような平和主義についても、私たちが願っているから平和なのです、という認識の層が存在する事を頭から否定しても意味はありません。ただ、日本の場合は、憲法上、精度として手段としての平和主義が明記されており、国土が灰燼に帰した場合でも、国民は耐え忍ぶことで平和を、結果ではなく手段としての平和を維持するという内容で。

 防衛政策は、2022年国家防衛戦略に基づく反撃能力整備が政治により明記されたのですが、いったい、有事の際に日本国家はどのような軍事行動、防衛作戦を行いうるかが、現在のところ憲法という制度では不明確であり、反撃能力行使も含めて、軍事機構としての自衛隊がどの程度、同盟国や同志国と軍事合理性に徹した行動が行えるかが不明確です。

 ウクライナのクルスク州逆攻撃、昨今ロシアウクライナ戦争は東部四州占領地を広げるロシアが現状での停戦を主張している状況を逆手に、クルスク州とベルゴロド州へ逆攻撃を加え、戦争が新局面を迎えていますが、軍事合理性として、専守防衛を、相手国領土の割譲は求めないが軍事攻撃は必要な範囲で行う、こうした実例を見せつけられている。

 軍事合理性、もちろん、平和は重要ですが求めるべきは手段としての平和を用いて灰燼に帰す国土よりも、結果としての平和を求め、あらゆる手段の努力を行い、仮に戦争となった場合でも早期の収束へ全力を投じ結果としての平和を社会から個人までは教授できる枠組みです。その為にすべきことを話し合える、そんな社会が理想なのですが、ね。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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【京都発幕間旅情】榛名さんの総監部グルメ日誌-名古屋,大須東仁王門商店街でイタリアン!冷製パスタを頂こう

2024-08-16 18:22:57 | グルメ
榛名さんの総監部グルメ日誌
 冴えない彼女の育て方、アニメーションの劇中で秋葉原と比べて規模は小さいものの意外な品ぞろいの割にお値段手頃という趣味の店が多いと紹介された名古屋の電気街は大須にて。

 冷製パスタ、夏の楽しみです。”キミと僕の最後の戦場-あるいは世界が始まる聖戦”でも主人公とヒロインが話していた内容です、けれども、冷たければなんでもいいよね、と滅茶苦茶な内容と出したり蕎麦かなにかと勘違いしていないか、という場合もあるのですが。

 名古屋、日本一夏が暑い街と云われています、気温よりも全般的な暑さがという意味らしい。盆地に閉じ込められた熱気が蓋をする京都はさしずめ日本一蒸し暑い街、というところか。今回はそんな名古屋の繁華街は大須にて、美味しい冷製パスタと出会ったはなし。

 ソロピッツアナポレターナ、大須東仁王門商店街のピザが有名なお店なのですが、個人的に此処のパスタはいろんな人にお勧めしたい。パスタを注文すると、当店はピザが売りでして、と店員さんに言われるのだけれども、そんな難しいこと言われても、とパスタを。

 トマトと蟹の冷製パスタ、この日は、色は似ているけれども御野菜と蟹さんが上手くやっていけるのかなあ、と半分賭けのような気持ちで、しかし冷製パスタの冷やして食感をきりりと引き締めた中にさまざまな味わいを湛えた冷製パスタが食べたくて、注文した。

 蟹さん、合うんだ、これが。しかもマルゲリータとかトマトソースをピザの中枢に据えているお店だけに、このトマトピューレの絡まり具合が絶妙で、トマトの酸味がなにか灼熱の真夏に汗とともに流れてしまった色々なものを補充してくれるようで、絶品とおもう。

 ジェラートのデザートがセットでついて来ます。杏仁豆腐のジェラートという、中国一帯一路に一応参加して一抜けするという枢軸時代のような宙返りをやって見せたイタリアンな感じを氷菓の甘みとして体感しつつ、そしてやはり美味しかった冷製パスタを振り返る。

 東仁王門商店街、名古屋の夏は暑いというのだけれども、アーケードを伝って地下鉄上前津駅に行く事が出来ますし、アーケードは多少日光を遮り若干各店舗から漏れ出る冷房の風が気温を下げてくれる、その真下は様々な国々の料理が愉しめる街並みとなっています。

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南海トラフ巨大地震注意気象庁解除,貴重な再点検の機会-3.11災害派遣時より大幅に減った自衛隊航空機

2024-08-16 07:00:14 | 防災・災害派遣
■いまこそ備えを
 地殻の弾性限界という物理原則がある以上はプレート境界地震は発生するという現実はかわりがない。

 気象庁は15日1700時をもって巨大地震注意を解除しました。8日に発生した宮崎県に日南沖地震を契機に、その震源沖が南海トラフ地震想定震源域である日向灘で、地震規模がマグニチュード7.1を超えていた為に、東日本大震災を引き起した東北地方太平洋沖地震の数日前に発生した地震と同型の前駆地震である事を警戒し発令されていたものでした。

 神奈川県中部地震がその間に発生した事もあり、気象庁は別の震源域の地震であると強調しましたが、外電の中には地震発生を予知したと報じるところもあったものの、マグニチュード9クラスという南海トラフ地震は発生に至らず、しかし地殻の弾性限界を考えればいつかは限界を超えて巨大地震を誘発する為、今後とも警戒を怠る事はできません。

 さて、各家庭レベルでは、今回の巨大地震注意を受け、防災用品の備蓄点検や不足分の補充と家具固定再点検などが幅広く行われ、いつか来る巨大地震への一種の点検が叶った事は僥倖といえます。ただ、個人のレベルでは難しい視点、特に自衛隊などの対処能力という視点からは、いつか来る南海トラフ地震に備えた問題点を洗いなおす必要があるように。

 3.11東日本大震災の頃と比べ、自衛隊のヘリコプターはかなり減っている、150機程度は減っており、これが南海トラフ地震における自衛隊災害派遣という任務を考えますと、まもなく概算要求公示を迎えるところではありますが、多用途ヘリコプターと、また全廃された観測ヘリコプター110機、対戦車ヘリコプター50機の補填を考えるべきではないかと。

 自衛隊は今後、観測ヘリコプターと対戦車ヘリコプターを無人機に置換える構想で削減を進めていますが、削減だけは進んでいても無人機については機種選定さえ始まっておらず、この後継機となる装備が防衛出動以外の災害派遣において機能するのかについては、災害派遣の運用が要求仕様に含まれるかも含めてゼロベースであり、薄氷の上を歩くかんじ。

 例えばエアバス社などはEC-145から無人機を運用する新技術を試験中であり、EC-135かEC-145を補正予算を組んででも150機調達するとか、アメリカで進むUH-60無人運用試験を元にAH-1Sが削減された機数分のUH-60を追加調達するなど、今回は来なかったが、いつか来る地震災害に備えて、空輸能力の再点検を行っては、と考えてしまうのですね。

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