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イギリス第16空中機動旅団-習志野空挺初降下!降下訓練始め-イギリスが空挺部隊を日本に派遣する理由

2023-01-08 07:00:41 | 国際・政治
■空挺団降下訓練始め
 1998年のように大雪となれば冬季迷彩の空挺団を視れたという声はさて置き。

 イギリス軍が本日、習志野の降下訓練始めに初参加します。そして第16空中機動旅団は自衛隊が成し得なかった空中機動旅団編成の一つの理想型でもありまして、さらにイギリスの進める安全保障政策、ウクライナ戦争下でも、遠い極東へも空挺部隊を派遣する姿勢、グローバルな安全保障政策というものにも、我が国は学ぶべき点が多いように思うのですね。

 第16空中機動旅団はかつて第24空中機動旅団と称されていました、イギリス陸軍のヘリボーン部隊です。イギリスはAH-64Eアパッチガーディアンはじめ多数のヘリコプターを装備していまして、陸上自衛隊が相馬原の第12師団を空中機動旅団に改編する当時は、こういう編成になるのだろうなあ、せめてオランダの第11空中機動旅団くらい、とおもった。

 第12旅団はヘリコプター隊を隷下にはもつものの、とてもではないが、という規模でして、しかも機動運用部隊ではなく地域配備部隊のまま、ヘリコプターも徐々に減らされ20機を切ってしまった状況です。イギリスはその後の部隊改編で統合ヘリコプター集団が創設、ヘリコプターはこちらに集約し、逆に空挺大隊を大幅に増強する改編を行ったのですね。

 ヴィジラントアイルズ22演習としまして、イギリス第16空中機動旅団は第1空挺団と共同訓練を終えたばかりです、これは島嶼部における防衛訓練を演練したもので、イギリス軍は第5空挺旅団が1982年フォークランド戦争において投入、自衛隊が能力構築を急ぐ島嶼部防衛、日本が前に経験した島嶼部防衛は沖縄戦で成功とはいいがたい。学ぶ点は多い。

 イギリスは、もちろん有事の際に極東で第二戦線を構築するとか、そうした構想はありません、しかし、友好関係を強化するとともに空挺部隊を地球上どこへでも派遣する能力を、日本の一般国民にも示すことを通じて世界中に誇示する、こうした意味でも重要でしょう。特にイギリスはアジア、中国との安全保障問題でも一定の関与の姿勢をしてしています。

 有事の際の共同作戦という限定されたものではなく、世界中に友好国との間での防衛協力を進める、これによりほんとうの有事の際に、軍事支援まで踏み込んだものではなくとも有形無形の協力や支持支援の土台を構築する、このために防衛協力を進めていると理解すべきでしょう。日本の専守防衛は国土引きこもり、イギリスに学ぶ点は多いのです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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