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ウクライナ戦闘機供与非公式多国間協議開始-オランダフックストラ外相発言,二年目迎えたロシアウクライナ戦争

2023-02-25 07:01:44 | 国際・政治
■臨時情報-ウクライナ情勢
 F-15戦闘機があれば相手のSu-27戦闘機を排除出来うるしF-16戦闘機があれば敵地対空ミサイルを制圧し近接航空支援が可能となるかもしれない。

 オランダのフックストラ外務大臣は、ウクライナ軍事支援に関する大きな進展として、戦闘機供与へ非公式協議が複数の国で開始されていると発言、CNNが報道しました。ウクライナ支援、大きな分水嶺を超えるかもしれません、こういいますのもウクライナの戦場は空軍が殆ど参加しない、21世紀としては、いや20世紀と比べても奇妙な戦場なのです。

 空軍が参加しない、空軍が払底した訳ではありません、ウクライナ空軍は大きな損害を受けつつ温存されている戦力がありますし、ロシア航空宇宙軍は若干の損害を受けつつ、投入されていない為にほぼ無傷で、空軍が投入されていない背景には互いに強力なソ連製S-300地対空ミサイルを装備しており、戦闘機を飛ばせず低空を攻撃機が若干飛ぶのみ。

 F-16戦闘機かユーロファイタータイフーンか、戦闘機というくくりではなく保管状態のものが有ればトーネード攻撃機かジャギュア攻撃機か、練習機だと強調して軽攻撃機ともなるアルファジェット練習機か、どの機種を想定しているのかは未知数ですが、F-16やユーロファイターが供与されるならば、近接航空支援や防空制圧任務で戦況を一転させ得る。

 Su-27戦闘機など多数を保有するロシア航空宇宙軍はF-16戦闘機が相手であれば、戦闘機対戦闘機の航空戦闘ではF-16に対しては一定の優位性を持てるのかもしれませんが、現状ロシアはS-300地対空ミサイルを制圧する防空制圧任務を展開出来ず、双方が同じ状況にある。F-16には防空制圧能力があり、つまりこの状況を一転させ、空軍を使えることに。

 禁忌はもはや存在しない。戦闘機供与はこれまで戦争を拡大させるのみという、これはNATO諸国の一方的と云える、思い込みがあったかもしれません。ただ、戦争を拡大させる懸念に配慮しても、戦争の長期化という問題は現実となり、一年を超え、ロシア軍ウクライナ侵攻に伴う戦争は二年目となりました。更なる長期化を防ぐ視座が求められている。

 戦闘機供与は長期化を防ぐための決定的な一打として考えられているもの、何れ議論が開始される事だったのでしょうが、フックストラ外相発言は、先ず非公式という形で、しかし前進した事を意味します。問題は、戦闘機の機種転換には一定の時間を要する為、決定したとしても開始されるまでに数カ月が必要となる点、しかしその議論ははじまりました。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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