■臨時情報-スーダン情勢
吉田統合幕僚長は20日、スーダン邦人輸送任務へ陸上自衛隊と航空自衛隊370名の任務部隊編成を発表しました。まずジブチに展開している海賊対処任務用の海上自衛隊哨戒機により偵察任務を実施してはどうかと思う。
スーダン情勢、想定以上に厳しくなっているようです。48時間前と24時間前では状況が全く変わり、首都ハルツームでの戦闘が激化しており在留邦人の安全確保は急務ですが武装勢力RSFはハルツームや国際空港を中心に戦闘を展開しており、日本よりも早く自国民救出の準備を開始したドイツ連邦軍が、先ずスーダンへの直接展開を断念した状況です。
スーダン軍の主力戦車アルバシールは中国の96式戦車をライセンス生産させたものであり、歴史的にバシール政権時代のスーダンは中国との関係が深く、また資源輸出でも中国の影響力が大きく中国人労働者の在留規模も大きいことから、中国人民解放軍や欧米各国との有志連合を組んでの、変な喩えですが義和団事件対処方式が必要となるのかもしれません。
自衛隊の邦人輸送計画は、先ずスーダンへの直接展開を断念し、今日中にも輸送機3機を海上自衛隊海賊対処部隊の航空拠点が置かれているジブチまで展開させ、しかしそのさきの救助は情勢の推移を見守ることとする方針です。防衛省は輸送防護車など車両による輸送も想定しているということですが、避難者に対し輸送防護車の数が十分ではありません。
国連によればハルツームに通じるすべての橋梁が破壊されており、渡河装備がなければ陸路でのハルツーム展開は厳しい状況で、場合によってはC-2輸送機に搭載可能であるUH-60JA多用途ヘリコプターなどを派遣する必要が出てくるかもしれません。自衛隊の輸送機にCH-101やCH-47は搭載不可能、船で回航する時間的余裕もないのが実情です。
RSF,なぜここまで大規模な軍事行動が可能なのかについてですが、スーダン陸軍の規模は10万2000名、対して準軍事組織という位置づけであってもRSFは5万5000名の規模があり、しかも金鉱山運営などのためにロシアの民間軍事会社ワグネルの支援を受けているとされます。このため、全土で戦闘を展開する場合、陸軍は苦戦を強いられている状況だ。
スーダン国内での戦闘は少なくとも首都ハルツームとダルフール地方を中心に展開されており、RSFは自分たちの勢力圏としているダルフール地方と北部の金鉱山などを分離独立する方針であるのか、自らが正当政府を樹立するのか、いまのところ状況はあきらかではありません。しかし、徐々に制御不能といわざるを得ない状況へすすんでいるのは確かです。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
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(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
吉田統合幕僚長は20日、スーダン邦人輸送任務へ陸上自衛隊と航空自衛隊370名の任務部隊編成を発表しました。まずジブチに展開している海賊対処任務用の海上自衛隊哨戒機により偵察任務を実施してはどうかと思う。
スーダン情勢、想定以上に厳しくなっているようです。48時間前と24時間前では状況が全く変わり、首都ハルツームでの戦闘が激化しており在留邦人の安全確保は急務ですが武装勢力RSFはハルツームや国際空港を中心に戦闘を展開しており、日本よりも早く自国民救出の準備を開始したドイツ連邦軍が、先ずスーダンへの直接展開を断念した状況です。
スーダン軍の主力戦車アルバシールは中国の96式戦車をライセンス生産させたものであり、歴史的にバシール政権時代のスーダンは中国との関係が深く、また資源輸出でも中国の影響力が大きく中国人労働者の在留規模も大きいことから、中国人民解放軍や欧米各国との有志連合を組んでの、変な喩えですが義和団事件対処方式が必要となるのかもしれません。
自衛隊の邦人輸送計画は、先ずスーダンへの直接展開を断念し、今日中にも輸送機3機を海上自衛隊海賊対処部隊の航空拠点が置かれているジブチまで展開させ、しかしそのさきの救助は情勢の推移を見守ることとする方針です。防衛省は輸送防護車など車両による輸送も想定しているということですが、避難者に対し輸送防護車の数が十分ではありません。
国連によればハルツームに通じるすべての橋梁が破壊されており、渡河装備がなければ陸路でのハルツーム展開は厳しい状況で、場合によってはC-2輸送機に搭載可能であるUH-60JA多用途ヘリコプターなどを派遣する必要が出てくるかもしれません。自衛隊の輸送機にCH-101やCH-47は搭載不可能、船で回航する時間的余裕もないのが実情です。
RSF,なぜここまで大規模な軍事行動が可能なのかについてですが、スーダン陸軍の規模は10万2000名、対して準軍事組織という位置づけであってもRSFは5万5000名の規模があり、しかも金鉱山運営などのためにロシアの民間軍事会社ワグネルの支援を受けているとされます。このため、全土で戦闘を展開する場合、陸軍は苦戦を強いられている状況だ。
スーダン国内での戦闘は少なくとも首都ハルツームとダルフール地方を中心に展開されており、RSFは自分たちの勢力圏としているダルフール地方と北部の金鉱山などを分離独立する方針であるのか、自らが正当政府を樹立するのか、いまのところ状況はあきらかではありません。しかし、徐々に制御不能といわざるを得ない状況へすすんでいるのは確かです。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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