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【防衛情報】護衛艦かがF-35B艦上運用試験,IPD24任務部隊にヘリコプター搭載護衛艦かが参加

2024-09-17 07:00:17 | 先端軍事テクノロジー
■防衛フォーラム
 新田原基地には年度内に臨時F35B飛行隊が新編予定ですが護衛艦についても動きがありました。

 護衛艦かがF-35B艦上運用試験が開始されます。海上自衛隊は定期的に実施しているプレゼンスオペレーションとして令和6年度インド太平洋方面派遣IPD24第四水上部隊派遣を実施、この一環としてIPD24任務部隊にヘリコプター搭載護衛艦かが、参加の方針を示していまして、この際にアメリカでのF-35B戦闘機艦上運用試験を実施するとのこと。

 F-35B戦闘機艦上運用試験は10月5日から11月18日までが予定されていて、試験はアメリカ本土カリフォルニア州サンディエゴ沖において実施、短距離発進や垂直着艦と艦上運用などの試験が行われます。F-35B戦闘機は母艦自動発着支援装置など従来の艦載機が発着訓練に重点を置いていた分野を大幅に自動化させる誘導装置が艦には搭載されている。

 かが、いずも型ヘリコプター搭載護衛艦2番艦は艦首形状の変更や舷側構造物の増築などF-35B戦闘機運用改修を実施しています。護衛艦いずも、については飛行甲板強度などを先行して実施し2021年に岩国沖にて試験を実施していますが、かが改修はもう少し広範に行われ、また母艦としての能力も前述の自動着艦支援装置など広範に及んでいます。

 いずも型護衛艦における航空自衛隊F-35B運用について。公式発表を見る限りにおいては航空自衛隊と海上自衛隊の同床異夢の可能性が指摘されています。まず、航空自衛隊は南西諸島に設置される代替滑走路の延長線上に護衛艦を位置付けていて、付け加えると海上自衛隊護衛艦艦上への艦載機としての恒常的な配備は行わないとしています。

 F-35B戦闘機は42機が導入される構想で、しかし海上自衛隊は護衛艦いずも型F-35B運用能力改修にかなりの費用と艦艇ローテーションの無理を重ねており、暫定的な配備を受け入れるだけという認識は無理があります。一方で、要撃管制などの技術や教育体系は航空自衛隊の専管であり、海上自衛隊にはこうした能力が整備されてきませんでした。

 代替滑走路か艦載機か、同様の難しさは先日日本を親善訪問したイタリア海軍において実際に生じています。それはイタリア海軍と空軍は合計30機のF-35B戦闘機を15機づつ配備し、海軍は空母カブール及び強襲揚陸艦トリエステ艦載機に、空軍は空軍緊急展開部隊用に配備しましたが、空軍は必要に応じF-35Bを艦上に展開させている実情です。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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