■臨時情報-ウクライナ情勢
例によって90式戦車の写真で代用しますが90式戦車と同世代の戦車の話題、イギリス政府はウクライナへチャレンジャー2主力戦車14両の供与を決定しました。
西側設計の戦車として初の供与です。チャレンジャー2主力戦車は第三世代戦車の中でも特殊な立ち位置にある戦車です、そしてその強さは原型のチャレンジャー1が湾岸戦争で、チャレンジャーがイラク戦争においてソ連製T-72戦車を相手に発揮しています。設計思想の中心には防御力があり、また遠距離射撃能力についても実戦で証明されている戦車です。
チーフテン戦車、原型は戦後第二世代戦車であるチーフテン戦車を元に王政時代のイランの要請で新しく開発されたチョバム研究所の複合装甲、特殊合金とセラミックを組み合わせる事で鋼鈑換算1000mmの防御力を軽量に実現させる新装甲で守られたシール戦車、ただイラン革命がおこり調達計画がとん挫した事でイギリス軍仕様とし、誕生しています。
ティーガー重戦車に第二次大戦中に大変な目にあわされた事でイギリス戦車はセンチュリオン戦車とチーフテン戦車、防御力を特に重視した設計を採用しています。ただ、エンジン出力の制限以上に重装甲に注力した事で車体重量が非常に重くなり、機動力に限界が生じた点が難点です。他方で、乗員の防護を第一としたことは戦車乗りの信頼を勝ち得た。
L-115戦車砲、チャレンジャー2の難点はライフル砲を採用した事です、弾薬は分離弾薬方式を採用していまして、これは徹甲弾と榴弾を柔軟に選べる利点はあるのですが、チャレンジャー2以外の所謂西側戦車は薬莢式の滑腔砲を採用していますので、装填動作が砲弾と装薬の二度手間であるチャレンジャー2は慣れるまでは使い難いといえるかもしれません。
ライフル砲は、他方で射程が比較的長く湾岸戦争では5km先の目標に命中させた事例もあります。この設計はセンチュリオン戦車が重装甲を誇るものの主砲威力の不充分に悩まされ実に15回もの改修を必要とした事を受け、チーフテン戦車の時点で当時西側の標準砲はイギリス設計の105mm砲であった最中に120mm砲の採用を決断した延長線といえます。
特殊な設計である為に輸出は奮いませんでした、そしてウクライナ国内の交通インフラにはチャレンジャー2の重量は厳しい事が予想されますが、今回供与の14両、使い方次第では極めて高い防御力と長距離打撃力は途轍もなく有用な戦車として期待出来るでしょう。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
例によって90式戦車の写真で代用しますが90式戦車と同世代の戦車の話題、イギリス政府はウクライナへチャレンジャー2主力戦車14両の供与を決定しました。
西側設計の戦車として初の供与です。チャレンジャー2主力戦車は第三世代戦車の中でも特殊な立ち位置にある戦車です、そしてその強さは原型のチャレンジャー1が湾岸戦争で、チャレンジャーがイラク戦争においてソ連製T-72戦車を相手に発揮しています。設計思想の中心には防御力があり、また遠距離射撃能力についても実戦で証明されている戦車です。
チーフテン戦車、原型は戦後第二世代戦車であるチーフテン戦車を元に王政時代のイランの要請で新しく開発されたチョバム研究所の複合装甲、特殊合金とセラミックを組み合わせる事で鋼鈑換算1000mmの防御力を軽量に実現させる新装甲で守られたシール戦車、ただイラン革命がおこり調達計画がとん挫した事でイギリス軍仕様とし、誕生しています。
ティーガー重戦車に第二次大戦中に大変な目にあわされた事でイギリス戦車はセンチュリオン戦車とチーフテン戦車、防御力を特に重視した設計を採用しています。ただ、エンジン出力の制限以上に重装甲に注力した事で車体重量が非常に重くなり、機動力に限界が生じた点が難点です。他方で、乗員の防護を第一としたことは戦車乗りの信頼を勝ち得た。
L-115戦車砲、チャレンジャー2の難点はライフル砲を採用した事です、弾薬は分離弾薬方式を採用していまして、これは徹甲弾と榴弾を柔軟に選べる利点はあるのですが、チャレンジャー2以外の所謂西側戦車は薬莢式の滑腔砲を採用していますので、装填動作が砲弾と装薬の二度手間であるチャレンジャー2は慣れるまでは使い難いといえるかもしれません。
ライフル砲は、他方で射程が比較的長く湾岸戦争では5km先の目標に命中させた事例もあります。この設計はセンチュリオン戦車が重装甲を誇るものの主砲威力の不充分に悩まされ実に15回もの改修を必要とした事を受け、チーフテン戦車の時点で当時西側の標準砲はイギリス設計の105mm砲であった最中に120mm砲の採用を決断した延長線といえます。
特殊な設計である為に輸出は奮いませんでした、そしてウクライナ国内の交通インフラにはチャレンジャー2の重量は厳しい事が予想されますが、今回供与の14両、使い方次第では極めて高い防御力と長距離打撃力は途轍もなく有用な戦車として期待出来るでしょう。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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