北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

榛名防衛備忘録:グレーゾーン事態を考える③ 邦人救出任務は一概に判断不能

2014-06-10 23:48:37 | 国際・政治

◆米軍艦船による邦人輸送のみが現行想定

 邦人救出、現在の集団的自衛権に関する論争において筆頭に挙げられているものです。

Img_8379 集団的自衛権論争と共にグレーゾーン事態の一例として提示されているのは邦人救出任務で、仮に紛争地帯からの邦人脱出に関し、邦人が米軍艦船により脱出する際、その米軍艦船が攻撃を受けた場合に自衛隊が米軍艦艇の防衛などを支援する行動が認められるか、という視点で論争が進められているのは御存じの通り。

Himg_5004 以前には洋上補給任務が挙げられ、海上自衛隊が国際平和維持活動や有志連合などの後方支援として補給艦を派遣する際、洋上補給を実施中に攻撃を受けた場合、これについて共同し対処することが集団的自衛権の行使に当たるのではないか、また非戦闘地域での戦闘に巻き込まれるのではないか、と議論になりましたもの。

Gimg_5125 新聞などの論説では米軍艦船に邦人が乗船し、その艦艇が攻撃されたとしても自衛隊の出番があるとは考えられない、という論調がありました。ま、連立与党を組む公明党は個別的自衛権行使により対応で気うものでは無いのか、という視点があります。この二つについて考えてゆきましょう。

Simg_2696 米軍艦船の支援ですが、そもそも過去にイランイラク戦争における邦人孤立の際に自衛隊の能力では対処できず国内民間航空は輸送を断り、結果善意でトルコ航空により救出されるという事例がありました。自衛隊は基本として外征を想定しない編成を採ってるため、輸送力は大きくはありません。有人際に邦人救出に輸送力が不足するということは当然想定されねばなりません。

Img_88_45 個別的自衛権で対応できないか、という指摘ですが、そもそも自衛権というものを集団的自衛権と個別的自衛権に区分したのは日本の政治上の必要性であり、国際法上は元々の自衛権と正当防衛と語彙は同じであり、集団的自衛権と個別的自衛権は区別されるものではなく、解釈次第ということが出来るでしょう。

Img_3424 他方、考えなければならないのは自衛隊艦艇が邦人救出任務を展開する際に、米軍艦艇の支援を受ける、という事の方が考えられるでしょう。輸送艦にしろヘリコプター搭載護衛艦にしろ、自衛用の火器は搭載しています、が、状況は状況によりますので十分とは言い切れません。

Limg_3658 そもそも、自衛隊の艦艇と米軍の艦艇はデータリンクで繋がっています、ネットワークで情報連携を展開するのですから、共同交戦能力を平時から運用しているわけで、それを情報の相互依存のみ戦闘に含めないという、現代戦闘における情報の需要性を政治的法的に無視した現状を放置し生じた事象ではあるのですが。

Nimg_1403 そこで、脱出する邦人を乗艦させた自衛艦が攻撃を受け、自衛艦が防御戦闘を展開しつつデータリンクを維持したまま自衛官の脱出を米軍が支援することは、問題領域としては邦人を載せた米軍艦艇を自衛官が掩護する、という構図とほぼ重なる事が理解できるでしょう。

Img_7523 正当防衛として不可分である集団的自衛権と個別的自衛権を政治的に区分した現状に鑑み、その線引きが無いにも拘らず政治的に宛も在るが如く行動した帰結としての、線引きの問題が顕在化している状況なのですから、個別的自衛権で対処できるという言い分はその解釈を変える事で対応できるとは言えます。

Iimg_0834 一方で、艦艇はデータリンクにより連接し共同交戦能力を有するのが現在の水上戦闘艦艇ですので、邦人救出を艦艇により行う以上、艦艇へ攻撃が行われるという想定を行う限りは、どうしても集団的自衛権の命題、自衛権を区分した時点で生じているのですが、直面してしまうわけです。

Himg_3701 政治的に線を引いた命題に起因するのであれば、逆にその定義を自由に変える事で如何とも対応は出来るのですが、これが民主国家として正しいのかという素朴な疑問が生じます。無論、不可分のものを二分化し、半世紀を経ているのですから再定義そのものが固着化しているというものがあるのですが。

Kimg_8093 しかし、同時に有事と平時を厳格に区別し有事を憲法の観点から自衛権の行使を含め非常に行使し辛い法体系を構築した帰結としての、実質的な有事に含まれる命題に際しての状況拡大阻止を目指す行動が採りにくくなるためのグレーゾーンという概念の必要性が生んだ結果ともいえます。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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重要:Blogzine/OCNブログサービス終了とWeblog北大路機関の今後の対応について

2014-06-09 23:37:30 | 北大路機関 広報

■OCN提供:2014年11月30日運用終了

 Weblog北大路機関について、重要なお知らせです。

Dkimg_31_39  Weblog北大路機関はOCN提供のBlogzineサービスを利用し2005年7月29日より運営を継続してまいりましたが、去る2014年5月21日、OCN側より2014年11月30日を以てBlogzineの運用が終了し、OCNブログサービスの提供が終了することが発表されました。

Dkimg_0343  Weblog北大路機関記事については、掲載分全般がOCN提供側によりgooブログサービスへの移設を推奨し、9月頃を目処として移設方式および移設サービスが開始されるとのことで、その他のWeblogサービスに対しても、記事および記事掲載写真、コメントなどが移設可能とのことです。

Dkimg_6439  Weblog北大路機関は、現在予備ブログとしてFC2ブログにおいて第二北大路機関が運営中ですが、gooブログサービスについて、写真及び文章レイアウトの関係から、記事を移設した後に掲載そのものを移設するか、他のサービスへの移設を行うか、過去記事用とし第二次北大路機関へ平常記事を全面移転するかについても検討中で、決定しておりません。

Dkimg_3494  他方でOCN提供のBlogzineについての終了は決定しており、既に5月31日を以て新規ブログ開設については終了、今後順次移転に関する情報が開示されてゆくとのことでした。なお、移設後、写真及び文章レイアウトが崩れ閲覧しにくくなる可能性がありますが、そちらはご了承ください。

Dkimg_3520  フォトアルバムについてですが、現時点ではこちらの移設サービスについて明示がないため、Weblog北大路機関フォトアルバムについてはそのまま終了の見込みです。現在のWeblog北大路機関運用体制が構築された2006年の段階のままではありますが、ご高覧ありがとうございました。

Dkimg_2871 なお、移転に伴いWeblog北大路機関のURLなども変更となります、移転先などまだ未決定の段階ではありますが、移転時期は10月下旬から11月上旬を予定しています。OCN提供のBlogzineサービス終了後、2015年上旬から中旬にかけてまでの期間は自動リンクサービスが提供されるとのこと。

Dkimg_6463  その後については新体制への転換となります。順次状況は進展とともにWeblog北大路機関広報にて発表し、また第二北大路機関においても発表してゆくこととしていますので、今後の北大路機関広報及び第二北大路機関記事にもご注意ください。今後ともWeblog北大路機関をよろしくお願いいたします。

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美保基地航空祭2014(2014.06.08) PowerShotG-12&G-16撮影速報

2014-06-08 22:22:29 | 航空自衛隊 装備名鑑

■視界不良が響いた美保航空祭2014

 本日、美保基地航空祭へ行ってまいりましたので取り急ぎ速報を。

Img_6305 日本海側の航空自衛隊有数の空輸部隊拠点である航空自衛隊美保基地、本日ここ美保基地において航空祭が執り行われました。本来であればC-1輸送機の編隊飛行や機動飛行(変態飛行ともよばれる、何故ならC-1輸送機の機動性能は戦闘機に準じるもので凄いものであるため)、YS-11やT-400の編隊飛行がおこなわれるはずでした。

Img_1598 ただ、本日の山陰地方は時折雨天となり、視界とともに雲が低く、民間空港と併設された自衛隊基地という特性も踏まえ、機動飛行や編隊飛行などすべての飛行展示が中止となり、海上保安庁救難展示、ブルーインパルスの天候偵察、T-400による天候偵察が行われたのみとなっています。

Img_1630 航空学生のライフルドリルの冴えが唯一の本日の見どころで、しかし、基地司令から直接激励を受け、厳しい訓練のさ中の磨き続けている規律と練度の一端を見せてくれました。終日飛行展示がなく、地上展示の撮影の合間に飛行展示の中止の放送を聞くというところではありましたが、いろいろと見聞を広めることができました。

 さて、最後になりましたが、明日乃至明後日、Weblog北大路機関より重大発表があります。ご一読ください。

北大路機関:はるな

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環太平洋多国間合同演習RIMPAC2014/平成26年度派米訓練へ護衛艦いせ・きりしま派遣

2014-06-07 00:38:43 | 防衛・安全保障

◆指揮官は第3護衛隊群司令中畑康樹海将補

 防衛省によれば自衛隊は環太平洋多国間合同演習RIMPAC2014及び平成26年度派米訓練へ護衛艦いせ、きりしま、及びP-3C哨戒機3機を派遣します。

88_img_4262 リムパックは1971年より米海軍を中心として実施されている多国間海軍合同演習で、アメリカ海軍、カナダ海軍、オーストラリア海軍、ニュージーランド海軍が当初主体として参加していました。しかし、1980年からは新たに日本が参加、ひえい、あまつかぜ、P-2J8機等が参加しています。この年からカナダ海軍も参加を開始しました。

Img_07700 1982年には、しらね以下3隻、1984年には、くらま以下5隻が参加、海上自衛隊の部隊派遣規模は米海軍に次ぐ規模を誇るに至り、海上自衛隊のポテンシャルが大きく認知されるようになりました。1986年には護衛隊群一個8隻が参加するようになり、 護衛艦8隻・哨戒ヘリコプター8機・哨戒機8機が参加、これが恒常化してゆきます。

Cgimg_0822 海上自衛隊の護衛艦隊強化と共に1990年には韓国海軍が初参加、1996年よりチリ海軍が、2008年よりシンガポール海軍が参加、名実ともに環太平洋諸国が参加する海軍演習となりました。一方で海上自衛隊の実任務増大に伴い日本からの派遣規模は縮小し、2010年には、あたご、あけぼの、等護衛艦2隻まで縮小するに至りました。

Mimg_7158 その反面参加国は増大を進め、2010年にはペルー海軍やコロンビア海軍にインドネシア海軍とマレーシア海軍にタイ海軍が艦艇以外の参加部隊を派遣、フランス太平洋艦隊も参加しています。2012年にはロシア海軍が対潜駆逐艦の派遣を開始しています。

88img_7049 派遣部隊指揮官は派遣水上艦艇部隊指揮官が第三護衛隊群司令中畑康樹海将補、派遣航空部隊指揮官が第52飛行隊長岩政秀委2佐、派遣掃海部隊指揮官が掃海隊群司令部水中処分隊長下窪剣3佐、となっています。規模は艦艇部隊が650名、航空部隊が80名、掃海部隊が10名、と発表されました。

Gimg_4466  今回から中国海軍が初参加となります。今回のRIMPAC2014参加国はアメリカ、オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、コロンビア、フランス、インド、インドネシア、日本、マレーシア、メキシコ、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、中国、ペルー、韓国、フィリピン、シンガポール、タイ、トンガ、イギリス、以上23か国が参加するとのこと。

Img_1579 海上自衛隊はこのリンパック派遣を以て参加は実に第18回を数える事となりました。参加予定兵力は水上戦闘艦等48隻、潜水艦6隻、航空機200機以上、参加兵力25000名、となっています。参加部隊は具体的な想定に基づき、各国間の連携などを経て練度の向上と信頼醸成を目指す事となるでしょう。

Himg_5004  他方、レッドフラッグアラスカへの航空自衛隊派遣においても同様の命題が生じますが、多国間訓練を行うとのことで、集団的自衛権行使に関する憲法解釈の問題が指摘されることもあるため、我が国としては多国間訓練へ日米共同訓練として参加する形をとっています。

Biimg_0805 リムパック派遣部隊は本日7日に呉基地を出航、20日に真珠湾へ到着、8月6日まで真珠湾を拠点に訓練に当たり8月20日に護衛艦きりしま横須賀帰国、21日に護衛艦いせ呉帰国予定となっています。加えて水中処分隊も派遣されることとなっており、6月26日に成田空港をサンディエゴにむけ出発、8月2日に帰国予定とのこと。P-3C哨戒機は那覇航空基地より22日に出発、8月18日までに帰国します。

Bimg_2849 今回はリムパックへの派遣と共にミサイル実射訓練をアメリカ国内の訓練支援設備を利用して実施される米国派遣訓練を兼ねており、リムパックは6月26日から8月1日まで、米国派遣訓練全体は6月7日から8月21日までの予定です。リムパックはグアム周辺海域で実施、米国派遣訓練はハワイ及びアメリカ西海岸において実施されます。

北大路機関:はるな

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平成二十六年度五月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2014.06.07・06.08)

2014-06-06 23:39:49 | 北大路機関 広報

◆自衛隊関連行事

 秋の日のヴィオロンの溜め息の身にしみてひたぶるにうら哀し、ポールヴェルレーヌの詩を詠みたくなるこの一日、皆様如何お過ごしでしょうか。

Img_6641_1i ポールヴェルレーヌやアルテュールランボーといわれてもピンとこない、ランボーと言えばあっちの方だろう、と思われる方の方が多そうな場所ではあるように思うところで、今週末の自衛隊関連行事と行きましょう、航空祭から駐屯地祭まで一通り今週末は実施されるところ。

Gimg_0854 今週末の自衛隊関連行事、最大の行事は山陰地方の美保基地にて行われます美保基地航空祭でしょうか。美保基地は日本で最も混雑することで知られる入間基地航空祭と同様にC-1輸送機の編隊飛行等が展示される輸送機部隊の航空祭で、C-1,YS-11,T-400などが展開する基地です。

Kimg_9131 岩手駐屯地祭、第9特科連隊、第9戦車大隊、第9高射特科大隊、第10施設群第387施設中隊、東北方面後方支援隊第105施設直接支援大隊、東北方面輸送隊等が駐屯する陸上自衛隊の駐屯地です。いわて銀河鉄道滝沢駅が最寄り駅で、少々交通難所ですが、戦車から特科火砲まで一通り駐屯しているところ。

Oimg_5095  大宮駐屯地創設記念化学学校祭、陸上自衛隊化学科職種の教育訓練及び戦術研究と新装備評価試験を行う化学学校で中央特殊武器防護隊も駐屯しています、液体散布車など大宮駐屯地ならではの装備やNBC偵察車に生物偵察車や遠隔化学剤検知装置等の装備が配備されています。

Img_9039  美唄駐屯地創設記念行事、第2地対艦ミサイル連隊が駐屯する北部方面隊の駐屯地で88式地対艦誘導弾の連隊が駐屯しています。札幌から特急で旭川方面へ、美唄駅から徒歩25分ほど、炭鉱で栄えた美唄市に所在する駐屯地です。装備の特性上、派手な訓練展示には限界がありますが、現在島嶼部防衛で注目されている本装備を備に見ることが出来るでしょう。

Gimg_2056 奈良基地祭、航空自衛隊幹部候補生学校創設記念行事が明日土曜日に執り行われます、滑走路を持たない幹部候補生学校ですが、上空をほかの基地よりのリモート展示が行われ、本年は航空自衛隊創設60周年ということですので、飛行展示が例年よりも大規模に行われる、とのこと。

◆駐屯地祭・基地祭・航空祭

注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関

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G7首脳会合ブリュッセルで開催 ロシア軍事介入と中国軍事力海洋進出を強く牽制

2014-06-05 23:52:19 | 国際・政治

◆G7首脳会議初日は外交問題

 G7首脳会議が本日ベルギーの首都ブリュッセルで開催され、先ほど終了し明日第二日の首脳会談が執り行われます。

Aimg_1957  G7首脳会議では、初日である本日外交問題に重点を置いた会議がすすめられ、特にG7の最大の課題は欧州地域に隣接するウクライナでのロシアとの緊張状態です。ウクライナ政変に伴うロシア軍事介入とクリミアの併合を改めて非難し必要ならば追加の経済制裁を行う姿勢が示されると共に南シナ海での中国とヴェトナムやフィリピンとの間で続く均衡状態について中国軍事力海洋進出を強く牽制する内容が盛り込まれ、軍事力による現状変更を目指す行動にG7が足並みをそろえた形です。

Oimg_2802 G7首脳会談において東シナ海や南シナ海での緊張を深く懸念するとした議題が提起され、特に中国との貿易関係が世界経済に寄与する部分の大きさと安全保障面での懸念とが秤に掛けられた状態が続いたなか、中国の軍事力を背景とした周辺国領域への海洋進出が及ぼす悪影響の方が問題であると認識された意味があります。一方、ウクライナ問題ではウクライナ大統領選挙の結果を踏まえ、日本についても経済協力を軸により一層の支援を行う方針が示されました。

Kimg_9087_1 これらは初日の課題をまとめたG7首脳宣言に盛りこまれ、明日は経済問題に重点を置いた首脳会議が行われます。日本側としては安全保障上のこれらの課題を首脳宣言に盛り込むことが出来、G7諸国が足並みをそろえたことを国際社会へ強調できたことが大きな成果となります。特にリーマンショック及び欧州通貨危機の影響を大きく受けた欧州地域の経済再興を如何に現状の動静を軌道に載せるかが話し合われることとなるでしょう。

北大路機関:はるな

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榛名防衛備忘録:グレーゾーン事態を考える② 公海上における機雷敷設事案と浮流機雷対処

2014-06-04 23:21:15 | 国際・政治

◆周辺事態における浮流機雷の脅威

 先月末にシンガポールで開催されましたアジア安全保障会議において小野寺防衛大臣は日本が貢献できる分野について機雷対処を提示しました。

Img_8543m 機雷は海上に敷設し目標を待伏せる特性上、地味な印象がありますが敷設は比較的容易で、しかしながら陸上に敷設される地雷と異なり、大型船舶を一発で行動不能に陥れる能力を有し、費用対効果の面では海戦兵器において最も大きなものを有しているとさえ言われるものです。

Limg_3396 実際問題として例えば1991年の湾岸戦争では米海軍の強襲揚陸艦トリポリを始め、数隻の艦船がイラク軍が敷設した機雷により損害を被っています。重要海域に敷設されているだけで艦船の行動に大きな制約が加わり、掃海作業が行われるまで安全な航行は保証されません。

Miimg_5860 機雷は、例えばテロ手段として1986年に国籍不明船より国際海峡であるスエズ海峡に機雷が敷設された事案がありました。機雷被害の少し前にリビア船籍の自動車貨物船が乗降ハッチを展開しつつ低速航行していたため、機雷敷設に運用されたのでは、と疑いの目を向けられましたが、この際、日本を除く欧米各国と周辺国は掃海艇を派遣しています。

Kimg_9263  我が国への機雷の脅威はもちろん、国際海峡へのテロ手段としての敷設というものは考えられるのですが、それ以上に懸念するのは漁船偽装敷設艦による南西諸島方面への機雷敷設、そして台湾海峡有事の際に敷設した機雷が浮流機雷化し日本近海に流出するもので、これは海上保安庁の手には負えません。

Iimg_4323_1 浮流機雷の流出、グレーゾーン事態として考える場合には浮流機雷そのものを以て武力攻撃事態の宣言を行う事は出来ません。また、国際海峡や公海上における機雷の敷設事案についても、武力攻撃と考えられるかは難しく、これこそグレーゾーン事態の一例というべきではないでしょうか。

Img_1285 自衛隊法第84条の2第1項に機雷等の除去が明示され、“海上自衛隊は、防衛大臣の命を受け、海上における機雷その他の爆発性の危険物の除去及びこれらの処理を行うものとする”、との明示がありますので、例えば神戸港での毎年発見される大戦中の機雷除去のような行動は、現行法でも可能です。

Mimg_5991 しかし、例えば戦闘により生じる浮流機雷、浮流機雷は係留索が損傷し切断した機雷が浮上して流出するもので、故意に敷設することは国際法で禁じられていますが、こうした浮流機雷の発生は掃海を含む揚陸戦闘と表裏一体で生起しているものであるため、我が方が浮流機雷への掃海任務を行っている際に攻撃を受ける可能性は否定できません。

Ryimg_4815 周辺事態法では同様のことが想定されているべきなのですが、現在の周辺事態法では浮流機雷の発生とその掃海任務に対しての具体的な行動や、掃海部隊が攻撃を加えられることは、そもそもの前提が自衛隊の任務が非戦闘地域に限るとしているため、やはり想定外となっているのです。

Pimg_4075 この点、テロの手段として機雷が敷設される状況では、機雷除去を自衛権行使と見做すか否かにより、多国間における機雷除去の協力が集団的自衛権の行使に当たるのかという視点を解決すれば、大きな問題は生じず、テロ手段として実施された場合ならば継続的に脅威が同海域に存在するとは考えにくく、障壁は低いというべきでしょう。

Img_8769 半面、武力紛争に際しての浮流機雷の事案は違ってきます。まず、浮流機雷の処理海域をどの海域から行うかの線引きが必要となりますし、線引きの境界線がどの位置にあるかによって我が国への妨害行動の有無にも直結することは十分考えるべきです。

Mimg_92381 更に、掃海任務は航路の安全維持、という視点が我が国では協調され、特に海上自衛隊が創設以来時資してきた掃海任務は第二次世界大戦中の域機雷を処分市港湾や航路の安全性を確保するという任務に特化したものでした。しかしながら、機雷除去という行動が海洋法執行機関では無く海軍の主管とされている背景にはもう一つの要素があります。

Nimg_5429 それは、本来掃海任務が着状理うの実施直前に揚陸艦の着上陸への水路を啓開するという上陸への重要な過程という位置づけにある点で、例えば海上自衛隊が創設される以前の海上保安庁特設掃海隊による朝鮮戦争派遣は、そもそも機雷除去を沿岸部へ艦艇の接近を行うべく実施したもので、その接近とは揚陸を意味する部分がおおきものでしたから。

Img_2616 今回グレーゾーン事態としてこの想定を行ったのは、まさにこの点で、我が国としては掃海任務を海上交通路維持のための一分野として実施しているにもかかわらず、武力紛争当事者の視点としては一つに揚陸支援へ転用しうる障害除去の一端を担っている可能性を示し、もう一つは上陸を企図する側には海上自衛隊が行動することにより揚陸行動への洋上での妨害と見做される可能性、この二つが大きいこととなります。

Mimg_7364 加えて、洋上での我が掃海活動に対し一方の勢力が海上で妨害を実施した際、掃海艇との間での衝突事故や、最悪の場合妨害を行った第三国の艦艇が浮流機雷に触雷した際、我が国の攻撃ではなく浮流機雷により損傷した、という部分を明確にできなければ、これを口実として妨害行動が攻撃に展開する可能性もある訳です。

Simg_9300 周辺事態における浮流機雷の脅威は、こうしたグレーゾーン事態を同時に伴うものであり、この危機を回避できなければ我が国への武力攻撃事態への展開も十分想定されるものです。この場合の交戦規則や、危機回避への掃海海域の設定と護衛の在り方など、平時と有事に転換する危機を如何に回避するか、検討するべき点は多いと考えます。

北大路機関:はるな

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米政府、四月日米首脳会談に“自衛隊のアフリカ派遣を要請”オバマ大統領より安倍総理へ

2014-06-03 23:50:39 | 国際・政治

◆欧州NATO加盟国陸軍の縮小を背景に考える

 共同通信などの報道によれば、アメリカ政府は4月24日の日米首脳会談においてオバマ大統領が安倍総理へ更なる自衛隊の平和貢献を促したとのこと。

Img_2369 現在陸上自衛隊は内戦状態に陥った南スーダンの建国後におけるインフラ整備へ大隊規模の部隊を派遣しているほか、ソマリア沖海賊対処任務へジブチ航空拠点の海上自衛隊哨戒機部隊警備任務へ地上部隊を派遣しています。南スーダンについては危機的な状況が昨年末より半年以上継続し、緊張状態となっていることは報道により広く知られているところです。

Gimg_1585 4月24日の日米首脳会談においてオバマ大統領は、イスラム過激派などが活動を強めるアフリカ地域での国連による国際平和維持活動へ、具体的な国際平和維持活動については明示されなかったようですが、アフリカ地域としたうえでより積極的な自衛隊の参加を求めたとのことです。

Fimg_6468_1 現在自衛隊が派遣しているアフリカでのPKO任務は国際連合南スーダン派遣団 (UNMISS)、陸上自衛隊施設部隊が最大330名と現地政府機関等との調整へ40名、更に人員や物資等の空輸及び空輸を行う航空機を運用する170名規模の部隊を派遣しています。UNMISSは8000名規模の部隊が展開していますので、占める重要度は低くはありません。

Img_1268 アフリカでのPKO任務には、南スーダンの隣国で南スーダンが独立したスーダンにおける国際連合アフリカ連合ダルフール派遣団(UNAMID) の停戦監視任務に当たる19000名の派遣、リベリア内戦の停戦監視に15000名の兵員が展開している国際連合リベリア・ミッション (UNMIL)、など。

Hbimg_9466 内戦状態の停戦監視と民兵部隊への警戒に16700名の兵員を派遣する必要が示された国際連合コンゴ民主共和国ミッション (MONUC)、内戦終結後の和平プロセスの平和維持や治安維持任務に10000名の兵員が展開しつつ和平合意履行への監視が緊張度を増し更なる派遣の必要性が提唱される国際連合コートジボワール活動 (UNOCI)、こういったものが展開中です。

Gimg_3596  日本政府は憲法上の制約から停戦監視任務へ国際平和維持活動の本隊業務への参加については非常に慎重な姿勢を維持しており、自衛隊はインフラ整備支援や人道支援任務における物資輸送や医療支援など、活動は限定させていますが派遣の実績は着実に積み重ねてきました。

Nimg_1609  しかし、冷戦終結後から既に20年以上、各国、特にNATO加盟国は欧州地域を中心に陸軍部隊の大規模な削減を進めており、アフリカ地域での治安悪化へアフリカ諸国が展開できる部隊規模の不足をその周辺地域では補うに十分な能力を維持しているとは言いにくくなってきたところ。

Img_1432 陸上自衛隊は1994年の18万名の定員と比較し2014年の新防衛大綱下でゃ15万1000名へ、削減されています。以前の防衛大綱ではさらに少なく、14万5000名の規模となっていました。しかし、欧州NATO諸国の削減幅や現役人員規模から比較しますと、先進国中非常に大きな陸軍戦力を日本は有しています。

Img_5383  イギリス陸軍は1995年に26万4300名の兵員を有していましたが2013年には12万1800名まで削減されています、2007年の時点では10万5000名の兵員まで削減されていまして、アフガニスタン派遣などの必要性から増勢に転じましたが、実のところイギリス陸軍よりも現状では陸上自衛隊の方が大きいのです。

Himg_0855  フランス陸軍は1996年の時点で23万6000名の規模を有していましたが2010年には12万3000名にまで削減され、2013年には更に11万9070名にまで削減されました。削減幅が顕著に大きいのはドイツ陸軍で1994年に28万7000名を数えた陸軍は2010年に9万2500名へ、更に2013年には6万2280名にまで削減されました。

Img_13081 イタリア陸軍も1994年の22万3000名から2012年には10万5060名にまで縮小していますし、オランダ陸軍も1995年には4万3300名の規模を有していましたが、2013年には2万1500名へ縮小、スペイン陸軍も1994年の13万8900名から2013年には75000名規模まで縮小されているところ。現在NATO加盟国で陸上自衛隊よりも規模が大きいのはトルコ陸軍の23万名くらいでしょう。

Img_1624 アメリカ陸軍は54万名の規模を維持していますし、カナダ陸軍(統合軍陸上部隊)は1994年に2万名であたのが2013年には2万1600名に、オーストラリア陸軍は1994年に2万8600名であったのが2013年には30240名に、冷戦終結直後と比較し逆にそれぞれ増強されています。

Img_3907 しかし、陸上自衛隊は基盤的防衛力に依拠し全国に普通科連隊を配置させ連隊管区を置いているため、削減されたとはいえ15万の規模を維持しています。政府の南海トラフ地震対処基本計画では自衛隊に10万規模の動員を求めていますので、削れない実情はあるのですが、冷戦時代に陸上自衛隊よりも重厚な陸軍を有していたイギリスやフランスにドイツとイタリアの陸軍が今や陸上自衛隊よりも小規模というのは驚くところでしょう。

Kimg_0478 さて、アフリカ地域へのPKOですが、欧州NATO諸国が大きう兵員を削減し併せてアフガニスタン治安任務への国際治安部隊へ派遣を実施しているため、なかなかアフリカ知己でのPKO任務へ部隊を派遣することが余裕がありません、西アフリカ共同体などが治安任務へ部隊を派遣しているところですが、能力的にまだ高いとは言えず、後方支援任務一つ挙げても苦労しているのが現状のようです。

Gimg_1048 オバマ大統領の自衛隊へのアフリカ地域でのPKO参加の増強要請はこうした実情へ比較的陸上戦力に余裕があるように見える日本へ期たいの表れというべきでしょうか。特に輸送機と輸送艦などを一通り装備しているほか、財政難が伝えられるもののほかの諸国よりはかなり余裕があるようみえる点も含まれるのかもしれません。

Img_453_1 安倍総理は4月24日の日米首脳会談において、オバマ大統領の要請を検討するとしたようですが、昨今の集団的自衛権に関する国際平和維持活動における駆け付け警護などの再検討は、こうした実情に自衛隊を派遣する際、実情に合わない運用を強いられ損害が生じることに対する日本政府の配慮、というべきなのかもしれません。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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レッドフラッグ・アラスカ2014演習へF-15戦闘機・E-767早期警戒管制機など12機を派遣

2014-06-02 23:50:34 | 防衛・安全保障

◆多国間軍事演習へ日米共同訓練として参加

 航空自衛隊は本日よりレッドフラッグアラスカ2014演習へ部隊を派遣しました。

Img_8455_1 航空自衛隊は強いのか、これは素朴な疑問であると共に様々な機会で問われる命題です。練度は高い、と言ってもどのくらいか、実戦経験の有無からどう考えるのか、弱いのならばどの部分を補強するのか、戦争を仕掛けられたときに勝てるのか、その結論への羅針盤がレッドフラッグアラスカへの派遣です。

Nimg_8307 レッドフラッグアラスカは、米空軍がヴェトナム戦争での経験から様々な想定を具体的にシナリオとして推進します。具体的には航空阻止や航空撃滅戦に近接航空支援や輸送支援と策源地攻撃に防空網制圧などなど、航空戦力が実任務を想定した部隊運用を技術から戦術、作戦立案から各国間調整、情報収集に不意遭遇対処、などざまざま。

Cgimg_2274 こうした行動を通じ、あらゆる不測の事態へ対応する能力を最前線から上級指揮官まで練成する目的で開始された訓練です。自衛隊は米国アラスカ州アイルソン空軍基地及びエレメンドルフ-リチャードソン米軍統合基地並びに同周辺空域等に派遣されます。

Iimg_3314 演習は、広大な米本土の訓練空域を舞台に、実際の広大な地域を想定某国に見立て、実際にF-16等の仮設敵や防空部隊を準備、例えば奇襲により生起した武力紛争を如何に短期間で軍事的に封じ込めるか、例えば弾道ミサイル脅威を如何に索敵し敵防空網を制圧し撃破するか、例えば大規模紛争を隣国の競合国に影響を与えず制圧するか、など。

Nimg_5472  そもそも、航空作戦とは戦闘機同士の空戦や対地攻撃などだけでは決まりません、電子戦や防空網制圧は当然加わりますし、実任務ばかり考えますと後方支援が疎かになる、輸送機を護衛する任務もあるのだ、と考えていますと民生被害の問題や情報収集の問題も出てきます、どれだけ秀でていても片手落ち。

Nimg_8338  そのために実戦的な訓練を目指すのですが、実戦というものは、上記の通りの総合的な最前線の第一線級装備がすべて投入され展開される実戦となりますと、2003年のイラク戦争ではイラク空軍がほぼ飛行しませんでしたし、1982年のフォークランド紛争や1991年の湾岸戦争に1998年のユーゴ空爆など、なかなかありません。

Img_1234  実戦的な訓練とは気合の入った訓練だ、と勘違いし、不眠不休に徹夜を重ねる訓練自慢などは、実のところ我が国でも耳にしますし、隣国でも我慢大会のように実施している話は聞くのですが、状況が想定外の長期化を迎えた場合、一週間に週刊徹夜で通せるのか、など、逆に非現実的な訓練となる話もあるところ。

Img_7046  この演習が実施される前は空戦訓練や航空攻撃訓練などが重視され高度な能力を以て実戦に臨んだのですが、実戦とは想定外の状況が連続し、錯誤の連続と対応が現場と指揮官共に追いつかなくなり、結局当初計画通りの想定が成り立たず訓練程対応がうまくいかないという反省がありました。

Kimg_6849  レッドフラッグ演習が実戦的なシナリオを想定して展開する背景とはまさにこの点で、訓練通りの実戦を目指す事は相手が想定外の行動を採るため難しく、敢えて仮設敵と実戦通りの想定を用意し実戦通りの訓練を経験させる、故に徹頭徹尾実際の武力紛争を想定し、審判部が参加部隊に極度の負担を掛け練成する、というもの。

Eimg_3182  自信満々の各国演習参加部隊が袋叩きにされ、そこから学ばせる手法が採られるとのこと。事前研究と事前準備万端で展開しても、やはり不確定要素が一つ入ることで想定が反転してしまい、失敗から学ばされることも多いらしいです。

Img_0025  航空自衛隊からの参加部隊は航空総隊及び航空支援集団より310名が参加し、参加航空機はF-15戦闘機6機、E-767早期警戒管制機1機、C-130H輸送機3機、KC-767空中給油輸送機2機、という制空戦闘と後方支援能力を考える上で、一つのまとまった部隊が参加します。

Eimg_5050 F-15戦闘機はアラスカまでの長距離飛行に際し、米空軍の空中給油機より空中給油支援を受け展開します。前述の通りレッドフラッグアラスカ演習では様々な想定の訓練が行われるのですが、航空自衛隊が参加する訓練は、防空戦闘訓練、空中給油訓練及び戦術空輸訓練、とのことでした。

Himg_6118 多国間合同演習というレッドフラッグアラスカ演習は、アメリカの同盟国であるオーストラリアにNATO諸国や韓国より空軍が参加、それだけでなくイスラエル空軍やその周辺の中東諸国からも空軍部隊が参加し、インド空軍なども参加するため、基地には新旧航空機が並ぶことに。

Img_90_00  参加航空機は米国製F-16やF-15から欧州製EF-2000にトーネード、更にはロシア製Su-27戦闘機なども参加します。こうした多国間演習ですが、我が国では集団的自衛権行使への憲法解釈上の制約から多国間演習に参加し各国との連携を行うことが完全には出来ません、そこで日米共同訓練として参加しています。

Img_3092 このあたり、非実戦的ではないか、と指摘されるかもしれませんが、有事の際に即座に憲法を改正できる訳ではありませんし憲法を無視することも出来ません。ですから、憲法上の制約のもとで可能な協力関係の限界を演習から学ぶことも、逆に日本が参加する演習の重要な要素と言えるかもしれませんね。

北大路機関:はるな

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フランス海軍フリゲイトプレリアル、日本を親善訪問 青森大湊基地と東京港晴海埠頭へ寄港

2014-06-01 22:41:16 | 北大路機関 広報

◆護衛艦すずなみ、やまゆき、ホストシップ

 防衛省によれば、今週から来週にかけフランス太平洋艦隊のフリゲイトが日本を親善訪問するとのこと。

Mimg_6902 フランス太平洋艦隊のプレリアルは、フロレアル級フリゲイトの一隻で海外領土警備を主任務として通報艦に区分されることもあります。基準排水量2600t、満載排水量2900t、護衛艦あぶくま型が満載排水量2800tですので、同程度となりますが、対潜装備を省略しヘリコプター運用能力を有するのが違い。

Img_4990 プレリアルは青森大湊基地と東京港晴海埠頭を親善訪問することとなっており、大湊基地には6月3日から6日まで、東京港晴海埠頭には6月9日から13日までの寄港を予定しています。3日の大湊入港は0900、出航は6日0900時、東京港入港は1000、出航は13日0900、と発表されました。

Hmsimg_4998  フロレアル級は日本に何度も寄港、プレリアルも今回が七度目の寄港とのことです。今回の入港では一般公開は予定されていないとのことですが、大湊基地が外柵沿いに桟橋が見えるとのことですし、晴海埠頭は昨年イギリスのミサイル駆逐艦デアリングを当方も撮影しましたが、レインボーブリッジや晴海埠頭客船ターミナルから見ることが出来ます。

Img_2183 プレリアル艦長はフレデリクドマ海軍中佐、海上自衛隊はホストシップとして大湊では艦長上羽直樹2佐以下護衛艦すずなみ、晴海では第11護衛隊司令加藤雅巳1佐指揮下、艦長後藤正寛2佐以下護衛艦やまゆき、が派遣されます。やまゆき、とは晴海出航後日仏親善訓練が計画されています。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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