先月から10年ぶりに新聞購読を始めたので、朝の楽しみが増えたようだ。お気に入りの新聞を読むのは実に楽しい。
さて、眼が覚めた時の気分。その時の感情を大切にすることを覚えたのはこの10年くらいかもしれない。それが例え重たい暗い感情のときも。そして、その感情を一つの大切なメッセージとしてとらえてその意味することを考える。一日を終えて寝るときに明るい感情に包まれるにはどうしたらよいかなどと。
U先生の「生き甲斐の心理学」では暗い感情の反対側には明るい感情があると想定している。不安感には平安感、怒りには友好的感情、身体症状には健康感、ウツ症状には幸福感、錯乱には統御感と。そして、暗い感情は何かのひょうしに対の明るい感情に変わるとする。私がかつて好きでずっと新聞を読んでいたが、マスコミ嫌いで10年やめ、お気に入りができてまた購読し始めたように。
縄文中期の中部高地や関東で時々発掘される釣手土器は灯火(香という説などいろいろあるが)を内に表から見ると心安らぐ女神と見えるが、裏から見ると恐ろしいお化け?に見える。私は内に愛そのものの魂を象徴する灯火、外側には感情で例えれば幸福曲線(平安感、友好的感情、健康感、幸福感、統御感)の女神。反対側にはストレス曲線(不安感、怒り、身体症状、ウツ、錯乱)を象徴するお化けが配置されているように感じてしまう。こうした心理学的な知恵をもっていると思われる縄文時代の祖先は、現代人以上に感情生活を豊かに過ごしていたのではと思ってしまう。実際、今よりは経済的に物質的に厳しい時代の中であったにもかかわらず、夥しいアクセサリー(遠方の貴重品もある)や土偶から垣間見られる豊かな身体装飾などから考えると、釣手土器で感じた私の直感もまんざら嘘ではないように思えるのだが。
さて、前回の身体症状(寝付けない、体調がおかしいなど)だが、普通は反対の感情など思いつかないものだ。しかし、過去の経験などを思い出してみると、どうも健康感のような感情があるようだ。私の場合40歳代になるとよく多摩川沿いをジョギングした。ランナーズ・ハイを味わったりして当時健康感を楽しんだようだ。子供が大きくなってくると子供は自転車で伴走し楽しみ、健康感だけでなく幸福感まで味わったこともあった。
その後、ジョギングはやめてしまったが、生き甲斐の心理学を学ぶ中でU先生から太極拳を紹介され、太極拳の良い先生にも恵まれ健康感を楽しむようになったようだ。今はコロナ禍で皆で集まって太極拳ができないのは残念だが、Zoomで楽しめているのは救いである。
朝の目覚めで何となく体調が悪いと思う時に、健康感を思い出し、それに近づきたいと考えることは無駄ではないと思う。ただ、今はコロナ禍思うように外出もできない世の中である。そんなことでリアルの世界はあきらめて自ずとデジタルの世界に向かうことも多い。しかし、感情の世界は20万年の人類の歴史からもたらされている、最近のデジタルの世界はここ一つ感情の世界には物足りない部分も多いようだ。そのあたりはしっかりと意識していたほうが良い。かつて中島敦の小説に文字禍という小説があり、文化に文字を導入する時の問題を訴えたが、今はデジタル禍の時代かもしれない(笑)。五感・体感が追い付かずギクシャクするのは当たり前なのかもしれない。
私は、健康感を大切にするために時々太極拳を家の中で行っている。さらに下手なので恥ずかしいが、好きな場所(今は縄文遺跡?)で太極拳を行いたいと妄想している。因みに、縄文時代の祖先たちも土面や楽器と思われるものも出土しているので、当然と思うが集団ごとに決まった踊りがあり、それを楽しみながら健康感を味わったに違いない。
さて、昨日の続きで身体症状について一言。身体症状はとかく病気のように考えられるが、一度は病気のことを哲学する?ことは大事なことかもしれない。7歳の時は心臓にハリが刺さるような痛みを覚えたのだが、自分も両親も心配して、原因はわからなかったものの大事にされ安心したのか直ぐに身体症状はおさまってしまった。スキーやスケートの真似事をしたのも良かったのかも。人は何か問題があると本人の意思とは無関係に体に症状が出たりする。それもある意味生命体からのメッセージで意識を超えたところから生命体のバランスをとっているともいえる。カールロジャースの命題3のようでもある。悲観するばかりではなく希望をもつことも可能な気がする。縄文時代の祖先も釣手土器をしめしながら希望を語ったかもしれない。
5/10 宝のストレス曲線
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