イキイキと生きる!

縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

自分の湧き起こる感情を俯瞰する (真善美を意識する縄文 5/10)

2020-01-16 | 第四章「愛とゆるし」

 昨日は知人から住居跡の展示がある八王子市の大塚公園に寄った。そして、縄文中期末の敷石住居址(多摩ニュータウンNo.67)を見た。大栗川の南側なので多分、北風が冷たく対岸にある多摩ニュータウンNo.72, 446といった村の人々より住みにくかったかもしれない。さらに、この時期は気候が寒冷化で環境は厳しく、住人達も生活を変えざるを得ず厳しい会話が多かったかもしれない。

 厳しい親、兄妹、配偶者、時には嫁姑などの人間関係に悩んだのは現代だけでなく、4000年前も同じだったと思う。1000年前の枕草子や源氏物語の時代も厳しかったと同じように。

 さて、私がU先生から学んでいる欧米の理論は意外に歴史が短い。フロイトのころからなので100年ちょっとの歴史にすぎない。そのフロイトが防衛機制(抑圧、抑制、置き換え、合理化、逃避、昇華、・・)のことを学問的に研究し、心の抑圧の恐ろしさを私たちに教えてくれた功績は偉大だと思う。

 私もそうだったが、世の中には倫理道徳があり、それに習えと周りは教える。しかし、自分の感情は理論どおりに客観的なものではないしある意味倫理的ではない。従って、嫌いになってはいけない時に嫌いになったり、悲しまなければいけない時に喜込んだりする。そして、そういう自分に自己嫌悪を抱いたり、あるいは嫌な感情を抑え(抑圧)てしまったりする。それが、実はこころの健康に極めて悪い。

 私は6歳のころに事故にあった友達の不幸を喜んだことがある。実はいじめっこだったので今から考えると、感情は正直だったと思う。それを幼い私は喜びを抑圧し、まわりに合わせたために、一時こころの不健康を招来してしまった。

 感情は、どんな感情が湧いても、自分を責めてはならないというのがU先生の「生き甲斐の心理学」の知恵である。どんな感情が湧き起こっても、それをなるがままにする。もちろん、このあたりは無意識の領域もあるので簡単な話ではない。感情を抑圧したり自己嫌悪に陥いらず、自分の感情を俯瞰し、自分の真実に気づいて次の一手を考えることができればベストなのだろう。

 さて、縄文時代は今から16,000年前に起こり3,000年まえごろに本州の大半で終了する、10,000年を越える超長期の文化である。従って、こころの健康の面でも何らかの知恵があり、変な抑圧に陥れららないようにする知恵があったと推察する。

 童話に北風と太陽というお話があるが、人は厳しい北風の前ではすべてを閉ざしてしまう。こころを広げ自分の感情の意味を考えるにも、太陽というか6条件(少し前のブログでお話した)というか余裕が必要なのだと思う。

 今朝、テレビを見ていたら将棋界の重鎮のKさんが登場していて、二匹の猫ちゃんを仲直りさせていた。不思議な話ではあるが、かわいい猫ちゃんをKさんが慈眼で猫ちゃんと眼を合わせると猫ちゃんが何かこころを通わせ初めるようで、思わずじっくり観てしまった。慈眼の威力は人間だけでなく生命体一般に通じるセオリーかもしれない。猫ちゃんが嫌いという感情と向き合い、仲良くなるかはよく分からないが、自然の摂理にあっているように思えてならなかった。

真善美を意識する縄文 5/10

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異文化との出会いと愛の原型 (真善美を意識する縄文 4/10)

2020-01-11 | 第四章「愛とゆるし」

 写真はJR大森駅のプラットフォームにある大森貝塚のモニュメントである。E.S.モース博士の偉業を称え、大森貝塚で発掘された縄文後期の代表的土器が表現されている。火炎式土器など特に芸術家が注目する土器は縄文時代中期のものが多いが、だいたい4000年前を境に(縄文中期の終わりごろ)土器は一気に変わり地味になる。先日、ある縄文に関するビデオを見ていたら、これは日本だけでなく世界的な現象であることを、私の尊敬する芸術家の方が話されていた。世界的な約4000年前の寒冷化が一つのきっかけだったかもしれない。

 世の中には変化がつきものである。しかし、時により変化の速度が極めて速いことがある。昨年、新潟県に火炎式土器をたくさん見る機会があったが、縄文後期になると(数百年後)これが次世代の火炎式土器?と絶句するような土器となる。そして、思うのだがこうした約4000年前の現象は、ひょっとしたら現代にも起こっているかもしれないと。

 こうした時は、いままでの価値観が内部的、外部的要因のもとに大きく変わっていく。学生時代にカタストロフィーの理論がはやったことがあるが、信じられないほど激変するのだ。

 世代ごとの、地域ごとの、様々なレベルにおこる異文化の衝突と統合現象がおきているのではないだろうか。

 私は7歳の1950年代の終わりに父の仕事の関係でやく1年、南東アラスカのシトカというところで暮らした経験がある。そして、そこで幾つかの愛の原型ができたと考えている。私の父は浄土真宗であり、母はキリスト教のカトリック。日本ではキリスト教はマイナーであるが、アラスカではメジャー。公立の小学校に英語が全くできない私は突然編入され、どうなることやらと幼い私でも思ったが、不思議なほど溶け込んだ経験を持っている。

 初めて小学校に連れて行かれ、親が帰ったあとに先生と話しあう。といっても私は日本語、先生は英語。それでもコミュニケーションが不思議に取れて溶け込んだ経験がある。在アラスカ中にある小学校から別の小学校に転校したのだが、その時に先生が日本では考えられないようなプレゼントをしていただいたことも一つの愛の原型になったかもしれない。クリスマスも不思議な経験だった。仏教徒の父がクリスマスツリーを原野から切り出し家の中に飾る。そんな父はアラスカでしか見られなかった。あるいは、アラスカの自然も不思議な愛の原型に入るのかもしれない。

 ところで、愛の原型は人生を助け幸福に導く大きな力となるかもしれないが、一方それが凶器になり人を不幸にすることもあるように思う。異文化交流の場合は特にそういうところがある。従って、自分の愛の原型とは何か・・愛の名場面は何だったか、それは変な偏りはなかったかなど考えることは重要だと思う。人の世の中であるから、当然通常の人間関係では親子といえども利害得失が隠れていたりする。そんなことも含めて、自分の愛の原型のありようをのんびりと俯瞰していくと、その時点のベスト3を楽しめたりする。異文化交流は言語が違う間柄だけではなく、身近な配偶者でも親子でも、友人でもあるかもしれない。人それぞれの愛の原型の違い。それを知ると世界の多様性の素晴らしさが見えてくる(普段は喧嘩したりするが)。

 縄文後期。大きく変わっていく中には、個々の愛の原型をより普遍的に統合していくような流れがあったように思う。ある時期は狭い地域偏重から広域の地域交流に変わったり、時には海幸彦、山幸彦の神話ではないが生活を大きく変えるような変革があったかもしれない。その中での和解と平和。

 第二次世界大戦を経験した世代もだんだん減り、私のような戦争を知らない世代が増えていく日本。そんな中で、縄文時代の和解と平和はどうだったのか考えることは楽しいが、それは縄文時代を掘り下げると共に自分の中の和解と平和を掘り下げる旅でもあるようだ。

真善美を意識する縄文 4/10

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縄文人の愛の孤独はどう癒やされたか・・(真善美を意識する縄文 3/10)

2020-01-09 | 第二章「五感と体感」

 U先生の「生き甲斐の心理学」を熟読すると、心を癒やすということはノーベル平和賞の候補にもなったといわれる心理学者の故カール・ロジャースの6条件で、愛の孤独を癒やしていくということのようだ。6つの条件というのは、学術的に記述されているので分かりにくいので省くが、ラポールをつけて純粋と一致で受容・共感をしていくプロセスのことである。一言で書くと簡単なようだが実は取得するには多大な時間と努力が必要で、私自身20年近く意識していても、まだまだこころもとない。傾聴(他者だけでなく自分を傾聴するということもある)は実に奥が深いと思う。

 さてロジャースの6条件が素晴らしいのは、様々な日本人だけでなく異文化の外国人などにも普遍的に応用できる(言語の厳しい壁はあるが)ことである。もちろん、この理論を知らない方でも、経験の中からこのプロセスを熟知しご自分だけでなく世の人々を癒やされる方はいらっしゃる。また、独自の文化の中で、こうした癒やしのプロセスになっているのかなと思える芸術さえある。私が最近興味をもっている俳句や和歌もそうかもしれない。そして4万年前とか7万年前とか異説はあると思うが、日本列島に住む祖先・縄文人も脳科学的には現代のホモサピエンスと同じと考えてもよいようだ。

 写真は昨年の秋に信州の中ツ原遺跡(仮面のビーナスで有名)だが、約4000年前(堀之内期、加曽利B1式と異説がある)の宗教的指導者(女性かと思われる)のお墓と副葬品が発掘された場所で。副葬品の中には仮面のビーナスがある。どのように葬られたかなどかなり分かっており、当時の祖先の愛の孤独や愛の原型(後述)を考えてしまう。当時も今と同じような大きな気象変動があったり、場合によれば弥生時代のように大陸等から移民がやってきたかもしれない。そんな中で死の現実、愛の孤独をどのように解消していったか。それは恐らく当時の人達の癒やしのプロセス、そしてその裏には6条件があるのだと思う。考古学では「死と再生」とよく言われるが、厳しい時代の「死と再生」はどのようだったか。国宝になった秀逸な仮面のビーナスは愛の原型とどのように結びついたか。いろいろ考えさせられる。

 

 それでは、鍵となる愛の原型について少し説明したい。だれでも、人それぞれの愛の原型をいくつかもっているようだ。愛の原型とは個人個人の愛の名場面といっても良いかもしれない。日常の中では利害得失に溢れているので、親、親戚縁者や先生などの身近な人達でも、多くの場合は愛の名場面にはならないものである。しかし、ちょっとした事件などで無条件の愛を感じたときなどに、そうした名場面は作られ愛の原型になるのだと思う。そして、愛の原型にふれるように6条件が働けば、愛の孤独は解消し元気になっていく。

真善美を意識する縄文 3/10

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二つの幸福と縄文土器の美・・・(真善美を意識する縄文 2/10)

2020-01-03 | 第二章「五感と体感」

 2019年。もう昨年になってしまったが、美しい土器を観る旅をした。井戸尻考古館の神像に抱かれた土器として名高い深鉢形土器。これは信州を中心にした旅だった。もう一つはツアーに参加させていただいたのだが新潟県の火炎式土器。両者も実用性を無視し大らかに美を中心に真善美を追究したように思うが。縄文中期、約5000年前ころの作品としてよく引き合いに出される。こうした作品を作ったのは最近では女性といわれているが、例えば火炎式土器は今と同じように雪が積もる豪雪地帯で室内で作ったかもしれない。どのような想いを込めてこれほどのものを作ったのだろうか。

 さて、世の中で「幸福とは何か?」とお聴きすると、だいたい(私も含めて)ぼやっとした返事になってしまう。そして幸福というものは二種類のカテゴリーがあると答える方はほとんど居ない(かつての私も)。今は正月だが、一年の計を作る。かつての私は事業計画にようなものが多かった。例えば、今年はオリンピックの年だが、マラソン選手だとすると、タイム2時間10分をXXの試合で出す。そんなビジブルな目標設定もそうかもしれない。つまり、幸福の為の条件設定を作っているようなもので、U先生は幸福の条件と読んでいる。今の世の中いろいろ周りを見てみると、実にこの幸福の条件を気にする人が多い。社会全体がこの幸福の条件を追い求めているようである。

 ただ、幸福の条件の実態はどうかというと、かつて私はある資格をとろうと設定し、そして努力の結果見事その資格をとることができた。さぞ嬉しい気持ちになるかと思いきや、実は取ったときにどう言うわけか深い虚しさを感じた。幸福の条件は確かに幸福の一つの前提条件かもしれないが、それが叶ったとしても幸福になるとは言えないようだ。幸福の条件は幸福と関係はあるにしろ必要十分条件ではないようだ。

 もう一つの幸福。何だと思いますか?回答は感情の世界である。例を挙げてみよう、美味しいものを親しい人と楽しく食べたときの平安感や幸福感。厳しい一日を過ごした後の一杯のビールでの安心感。高尚なところでは、偶然なきっかけでの哲学的・宗教的な法悦感・統御感もあるかもしれない。西行法師の「なにごとのおはしますかは知らねども かたじけなさに涙こぼるる」を詠んだ時などはそうだろう。芸術作品の中に時々見受けられる。これは、感情の世界であり、必ずしも現世的な価値観と一致しないところがあるのも面白い。U先生はこうした感情の世界を幸福感と読んでいる。

 幸福の条件と幸福感は一見バラバラなようであるが、それが不思議(想像を絶する)に交差するところに、絶望に打ち勝つ知恵があり真善美があるのだろうか。美しい土器を作った縄文人は名も知れぬ素性も分からぬ人だが、同じホモサピエンス。私たちに何かを教えてくれるかもしれない。

真善美を意識する縄文 2/10

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