4月12日(火) 晴れ 風は強く冷たい 季節感のある一日
町の交流促進センターに9時5分前に着くと既に糀が台の上に広げられていた。
手塩にかけた手前味噌、米糀の香りと塩の手触り、これぞ味噌作りの醍醐味と些かオーバーな表現だが、この町では春先の一大イベントなのだ。
糀に塩を混ぜ合わせその上に、煮た大豆をミンチにかけたものを乗せていく。
大豆と糀を混ぜ合わせて団子にしては再び一つに合わせ、更にまた団子に分ける。これを3回繰り返したのち、目方を量り3人で分けるのに秤にかけた。
一人の分が20kgとなり1回に作れる量が60kgだと言う。この作業は1月の終わり頃から始まり、4月の半ばには終わると言うが、これが終わると直ぐに初夏となるのだろうか?
昼前には家に持ち帰り、俺の従業員的作業を終えることができた。昼過ぎには風も少しだけ収まったので裏山のキブシの花を見に行った。キブシには雄花と雌花があるという。これがキブシなのかは定かでないが ・ ・ ・ 花が咲けば解るのだろう。
裏山の西側の方にはネコヤナギの大木がある。高いところから下がっている枝には上向きに蕾が着いているが、この形から見ると辛夷のものと同じように見える。
更に西に巻く道を歩き奥へ進むと、小さな地蔵尊と大きなものが並んでいる大内道旧道にでる。小さい方は江戸末期の物と言われ、大きな方は明治の物だそうだ。謂われは地域の五集落の女衆が金をだしあい、子どもを流行病から守るために立てたと言う。俺の住む集落では来週の日曜日の六天様祭りと言うこの地蔵尊を祭る行事がある。
この祭りが行われると集落には春の花が満開になると言うが、ことしは梅が二分咲き、桜はまだだ。
これからの庭は梅の香り、花桃の濃いピンク、アーモンドの花も咲き出すが ・ ・ ・ 桃源郷 許されるのだろうか?