いま「4次元の球の体積」についての計算をエッセイに書いている。一般の「n次元の球の体積」についてのエッセイを後で書くのだが、その前段階である。
一般のn 次元の球の体積なんて必要がない人がほんどだろう。私も E さんが宇宙論の論文のphase spaceの計算で n 次元の極座標の式を書いているとき面倒そうだなと思って横目で見ていたくらいだから。
これはモンテカルロ法で積分するときの数値計算の誤差の精度を調べるのに使ってみようということで始めたことである。
それも乱数の発生法として1次元のカオス写像を使って乱数を発生させてとか、ごちゃごちゃしたことを考えた末に思いついたのだから。
今では physical review に1次元のカオス写像を調べた論文が出ています。インドかパキスタンの人だったと思います。
1次元のカオス写像を乱数の発生法に使ったらと思ったのは、山口昌哉先生の数学セミナーの別冊にあった解説を読んでかなり昔に思いついたことだったが、そのとき実際に調べてみることはしなかった。まわりにそういうことに関心を持ってくれそうな人は誰もいなかったので。
もっとも学生の卒論研究にテーマとして出したら、H君がいろいろと数値計算をしてくれて、反復回数があまり多くにならないのに変な結果が出ることまでは調べてくれた。そういうこともphysical reviewの論文には触れられています。
しかし、世の中は広い。私が考えたと同じようなことを考えた人が出てきて、それが論文になっているなんて。