松山市南堀端の電車の交差点のところにある、フランス料理店Amiti'eで、恒例となっている、今期のドイツ語の打ち上げ会が行われた。
クラスのメンバーだった高校生のH. M.さんが今春大学へ入るのでその送別会も兼ねていた。このお店はいつ行っても満員の盛況である。料理がおいしいので、それもうなづける。
ところで、私が大学に入った50年くらい昔は英語でさえも話すことが普通ではなかった。それが大学に入る前に高校時代にドイツへ留学して、さらに大学ではドイツ語とか英語が主たる専攻の学科に入るというのだから、すばらしい。
彼女は大学にはAO入試とか推薦とかなんとかで入ったらしい。一緒に入学する同級生はまだドイツ語ができないのだから、ずいぶんのアドバンテージを持っている。彼女は英語もどこかで友達をつくり、なんとかマスターしたらしい。お金なんてかけてはいないという。
彼女のお母さんは「私がけちだから」と言われていたが、そうではあるまい。そういう独立独歩の気風をもった家族らしい。このお母さんは長男が大学に入ったら、家から子どもを出して自分で大学に行けと言ったという。
これが何を意味するのかはもうひとつはっきりしなかったが、少なくとも高校時代とはちがって自分のことは自分でするようにとの親心なのであろう。
まるで、ヨーロッパの子どもが自分でするようなことを親の方からさせている。そういうお母さんの考えがどこから出てきたかわからないが、私がいつもR氏から聞いている、ヨーロッパの子ども自身の行動を親の方から子どもに体験させていると思った。
私の知っている、別の若い女性も同じようにしてフライブルク市の奨学金をもらって、親には経済的な迷惑をかけずにドイツに学生時代に出かけたから、いまどきの日本の若い女性の世界進出ぶりはすばらしい。この点は若い男性は見習う必要があろう。
もっとも、これらの女性は文科系の方が多い気がする。もしそうだとしたら、ちょっと不安でもある。というのは外国語を話すことだけができてもどうってことはあるまい。もちろん、できないよりもはるかに素晴らしいが。
理科系の学問もできてやっと一人前ではないか。年寄りはそんな陰口も叩きたくなる。いやしかし、このことは軽蔑して言っているわけではない。念のため。