物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

『新しい解析入門コース』

2017-10-05 13:21:22 | 日記

『新しい解析入門コース』(日本評論社)を読んで見た。とはいっても今日手に入れたばかりである。そしてそれも数十分見ただけの印象であるから、多分間違っているかもしれない。

著者は堀川穎二さんで私よりも8歳も歳下の数学者の方であるが、惜しいことに2006年に亡くなられている。この書は経済学者の小島寛之さんがアマゾンコムの書評でほめられていたので、関心をもって購入したものである。

内容として章のタイトルだけをあげておく。

第1章 テイラー展開

第2章 級数

第3章 偏微分

第4章 積分

第5章 無限積分

である。この章のタイトルを見ただけでこの本がただならぬものであることが感じられるであろう。

この書の特徴は論理的厳密さを積極的に放棄して得られる、自由度をフルに使うという趣旨でできた書という。そういう考えに数学者が立てたということに驚きがまずある。もちろんそういう立場に立てる数学者は少ないのだから、かなりの冒険心のある方と見た。

中身も補間法だとかラグランジュ乗数法だとかウォリスの公式の発見法的な導出だとか他書ではあまり扱われたことのない、トピックが取り扱われている。

それにもかかわらず、やはりこの書は数学者の書かれた書であるという感を強くした。いい意味でも、悪い意味でも。もし私たちのような非数学者が書くとすれば、もうすこし具体的な計算が主となる書となるであろう。だが、こういう知的な冒険をされた堀川さんにもう亡くなってはいるけれど敬意を表したい。

 


重力波でノーベル賞

2017-10-05 12:17:56 | 日記

を3人の研究者が受賞した。

そもそも波とは何か。波を見たことがない人は多分いないが、波とは何かと尋ねられてすぐに解答ができる人は物理を学んだ人以外にはあまりいそうにない。

波を理解するには振動という現象を知っている必要がある。ある場所で粒子が左右に周期的に揺れているとか、上下に揺れているとかがが典型的な振動現象である。バネが上下に振動する現象を想いおこしてもよい。

そのときに振動がその場で移動しないならば、波は起こらないが、その振動の状態がその周りの空間に移っていくという現象が起こればそれが波である。

私たちが自然界で見る一番、典型的な波は海とか池の水面に起こる水の波である。もっともこの波は結構解析が難しいのだと大学の物理で聞いた覚えがある。イメージ的には難しいが、空間を伝わっている電磁波などが典型的な波であろう。

私たちの使っている携帯電話などがその恩恵に浴しているわけだ。私などは電磁誘導の現象がわからず高校生のころにラジオの回路で、1次コイルと2次コイルの間に電線がつながっていないのにラジオの受信ができることに不思議な気がしていた。当時、大学の教育学部の理科の学生だった兄に尋ねたことがあった。

そのときに兄が電磁誘導の話をしてくれたかは覚えていない。いまごろは電磁波のことを知っていても知らなくても携帯を使えることにはだれも疑問に感じたりする人はいないのだろう。

重力波にかえると、二つのブラックホールの合体で生じた時空のひずみがまわりの空間に伝わっていくという、とても小さなシグナルをとらえて重力波の検出に成功したグループのリーダーの3人の学者にノーベル賞が授与された。おめでたいことである。Congratulations.


「量子力学講義」の入力

2017-10-04 11:51:34 | 日記

を再開した。これは私の先生の一人、小川修三さんの広島大学、名古屋大学での量子力学の講義のノートである。第一部だけすでに「素粒子論研究」電子版に掲載されているが、そのつぎの第二部と第三部がまだ残っている。

第二部を入力をし始めていたのだが、何の理由かは忘れたが中断されていた。それを再開した。もっとも第4章は「離散固有値問題」、第5章「連続固有値問題」第6章「行列力学」である。

第三部は第7章「摂動論」、第8章「多粒子系」第9章「相対論的量子力学」である。

こうやって見てくると標準的な量子力学の内容である。できれば、これから半年以内に全部入力したい。もっとも問題は図の入力である。


数学ミニマム

2017-10-03 11:53:50 | 日記

2001年から2003年まで私の当時勤めていた電気電子工学科の一年生と二年生の学生のためにつくった、「電気電子工学科ミニマム」を「数学ミニマム」というタイトルに代えてlatex入力を始めた。

今年は2017年なので10年以上経っての改訂にとりかかっている。これは多分どこかで出版するか、ホームページに載せるかしたいと考えている。元の「電気電子工学科ミニマム」は数学の先生を除いた同僚の方々には好評だった。

ある、非常勤講師の先生からはとてもおほめ頂いたので、こちらの方が恥ずかしいくらいだった。それだのに低学年の学生にはあまり評判がよくなかった。これを無料配布したにもかかわらず。買わされたとまちがって覚えていた学生までいた。購入してもらったのは別の講義のテクストであった。

ところが大学院生とか卒論ゼミに入っている学生からは彼らはその「ミニマム」の配布対象でなかったにもかかわらず、「ミニマム」が欲しいという学生が多く出てきた。余分に印刷をしていた冊子は学科の事務室においてあったが、ときどき大学院生が欲しいと事務室を訪れていた。

自分でなんらかの研究をする立場になるとそういう小冊子が役に立つということであろうと察することができた。半年か1年前に少し取りかかりはじめたようだが、そのことをあまり覚えていなかった。それで関係書類がどこにあるのか探すのに少し時間がかかった。

ちなみに国会図書館に1冊だけ納本をしている。また、私のホームページが存在したころにはそこにあったが、ホームページがなくなってからはインターネット上にはどこにも存在していない。


祭りの後の空虚

2017-10-02 10:59:20 | 日記

のような感じがいましている。別に祭りがあったわけではない。論文の投稿後の空虚をさしている。

もっとも論文の件がまだ決着したわけではない。というのは昨夜もう一度論文を読みなおしていたら、引用個所に重複が一カ所見つかったし、その他ミスプリも2カ所だったか見つけた。論文を訂正するのか校正のときまで待つのか。校正のときでもいいのだが、前もって編集者に連絡しておいた方がいいかもしれない。

いつも一作業を終わった後で、一抹の空虚を感じるのは同じである。それとともにまた新しい仕事に取り組む前の一休みの時期でもある。さてさて、数日休んでつぎには何にとりかかろうか。