物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

友人の死去

2017-10-12 12:46:14 | 日記

近しい友人が先日亡くなった。このことを私は知らなかったのだが、昨日、帰宅したら元同僚の方から電話があって、妻がその伝言を聞いてくれていた。

別に人間は無限に生きれると思っているわけではないが、それでもあたかも無限に生きられるかのような感覚で日頃を生きている。もっともよく考えててみれば、いつ私たちが死亡したとしてもおかしくない年になっていることに気がつく。

亡くなった同級生の彼ではなくて、私が級友を驚かせて死亡していても不思議ではない年になったのである。そのせいかどうか昨夜は少し寝入りが悪かった。

高校生のときの同級生や大学のときの同級生が亡くなるという事実は、私たちはすべからく生物の一員であり、生命が無限ではないことの証でもある。だが、それだからでもあろうが、やはり人は自分が死亡するという恐れをもたないから生きていける。いずれは物故することは誰も避けられないのだけれども。

そういうことを感じていた今朝に O 先生の奥様から電話をもらった。O さんの「量子力学講義ノート」の発表をせかされたわけではないが、それに当る意味をもっている。どうやって日頃の仕事の中に取り込んでいくのか。工夫が必要である。


WoodsのAdvanced Calculus

2017-10-12 12:10:50 | 数学

WoodsのAdvanced Calculusを E 大学の付属図書館から借りてきた。これは附属図書館の書庫の中でも立ち入り禁止になっているところにあった。それで図書館員に頼んで借り出してもらわねばならなかった。

実はこの書はあの有名なFeynmanが高校生のころの物理の時間に教室の隅で先生から与えられたこの書を密かに読んでいたという曰くつきの書である。この書によると初版は1926年だという。F. S. WoodsはMITの教授だったという。

なぜこんな古い書に関心があるかというと、この書でFeynmanがいわゆる「積分下でのパラメータによる微分によって、積分を求める方法」を学んだと彼の自伝『御冗談でしょう、ファインマンさん』(岩波書店)のなかで述べているからである。

私も以前に自著『数学散歩』(国土社)でこの記事をとりあげて、数学エッセイを書いている。タイトルは「微分をして、積分を求める」である。最近になって、これは日本では2012年のことだが、ストロガッツという人の『二人の微積分』(岩波書店)という本が訳書として出版されて、この書の中にまたこの「積分下でのパラメータによる微分によって、積分を求める方法」について言及されたからである。もっともストロガッツの原著は2009年発行である。一方、私の前著は2005年発行である。

『二人の微積分』には実はWoodsの表記の本が参考文献として出ており、元の原本の名前を知った次第である。

内容をここで、紹介しておこう。とはいっても章のタイトルだけである。

第1章 Preliminary

第2章 Power Series

第3章 Partial Differentiation

第4章 Implicit Functions

第5章 Applications to Geomerty

第6章 The Definite Integral

第7章 The Gamma and Beta Funcitons

第8章 Line,Surface, and Space Inegrals

第9章 Vector Notation

第10章 Differential Equations of the First Order

第11章 Differential Equations of Higher Order

第12章 Bessel Functions

第13章 Partial Differential Equations

第14章 Calculus of Variations

第15章 Functions of a complex Variable

第16章 Elliptic Integarals

Answers

Index

となっている。章のタイトルを日本語訳することもないだろう。これでおおよその見当はつくだろう。

 

(2022.12.1付記) 今日このブログを10人ほどの人が見たらしいので、自分でも見直した。Woodsの本にはベクトル解析の話も出てくることをこの目次で知った。

第8章 Line,Surface, and Space Inegrals
第9章 Vector Notation
 
がそれである。この本のこの箇所は読んでみる必要があるだろうか。私は今ベクトル解析に関心があるので。また微分をして積分を求めるところはたぶん第6章の定積分のところだったと思う。
 
パラメーターで微分して定積分を求める話は『数学散歩』に書いたよりは詳しく「数学・物理通信」に3回にわたって書いてある。インターネットで「数学・物理通信」を検索すれば出てくると思う。
 
(2023.4.6付記)8章と9章のベクトル解析のところを見てみたいのと定積分下でのパラメータによる微分による積分の例をきちんととりあげたいと思っている。私も「数学・物理通信」で3回これについてエッセイを書いたことがあるのだが。いつだったかインターネットでファインマンの使った積分法はどういうものだったのかという質問があり、私の『数学散歩』(国土社)のgoogle booksからの引用が質問の解答に使われていた。少しは世間のお役に立っていればうれしい。『数学散歩』(国土社)の内容についてはgoogle booksは一時にすべての内容を展示してはいないが、ある時々で掲示される箇所が異なっている。

(2024.2.7付記) 昨日だったか7人の方がこのブログを見て下さったらしい。Woodsの本が関心をもたれることは考えられないので、やはり「微分して積分を求める」ということが関心をもたれたのであろう。

その後、Woodsの本を読んで、「微分して積分を求める」という例が私のすでに上げた例以外にもあれば、報告すべきであったろうが、これはまだ果たせていない。

しかし、いずれにしても「数学・物理通信」にはすでに十分な例を挙げてあるので、そちらを参照してほしい。