※ 少し前に書いた「相棒」の感想もよろしくです。→相棒17第19話「漂流少年~月本幸子の決断」
なんでだか、毎年この殺し屋集団のドラマの感想を書いてます。
子供の時から、この必殺シリーズが好きだったんですよね。
はるか遠くの二十歳の頃、
「好きな俳優さんは、林隆三と緒方拳と山崎努と草笛光子。」と言ったら、お友達が
「それ、みんな必殺の人じゃん。」と言われて、まあそうだなと思って笑った事があります。
ところで今回、ちょっとショックでしたよ。何がって伊藤ちゃん・・・・・。(「今日俺」からファンなの。)
なんでなの。
いや、ちょっとは思いましたよ。もしかしたらこの人もって。でもずっと良い人を貫いてほしかったなあ。
つまりあれだけの良い人も、捻じ曲げちゃうお金の力って事なのでしょうか。
それとも三番筋で、晴らせぬ恨みを晴らせと願った事で外道に落ち、そこに行きついたのでしょうか。
私はちょっと、それかもなって思ったのです。作者様がそのように考えたかどうかは分からない事ですが。だけど彼はその恨みを晴らすために、それまでお金を取らなかった仕事からお金を得るようになってしまったのです。だからもともと目をつけられていたモンスター西田・上総屋の餌食になってしまったのですよね。
それまでの信用から、信じられないように躍進して行きます。
そして弥吉は仕事が忙しくなるからと、許嫁のおたねに大金を渡します。
ああ、きっとこのお金が次の仕事料になってしまうんだなと思いました。
案の定・・・・・な展開。
でも、じゃあおたねも外道落ちか?
そうじゃなくて、命を落そうとします。だけどそれを止める小五郎。
「後追いするような価値のある男じゃない。」
そこに弥吉に刺された怪我を治した町医者も駆けつけます。
「おたね~!!」
ああ、きっとこの二人は良い感じになるんじゃないと言う予感をさせて、珍しくハッピーエンド風。
いや、ある意味、町医者の漁夫の利・・・・なんちゃって。
だけど私は、やっぱり弥吉が可哀想に感じてしまって。
それなのに、なんだかあっけなさすぎる最後が、ちょっとね。
ここを詳しく「殺し方がちょっと。」とか言うと、この人大丈夫かと疑われそうなんですが。
でも最初の仕事の時、依頼した弥吉は、
「本当にやってくれた。」って言うじゃないですか。それが今度は自分に来る。もっとハッとさせても良いじゃないのかな。勿体ないなあと思ってしまったのですよ。
愛しても居ないチャラい女との祝言の時、それがおたねに見えるでしょ。どこかに本当の弥吉が残っていたと思うのですよ。リュウが「特別な料理でございます。」と言って彼女の櫛を持ってくる。
この後、私思わず妄想しちゃいました。
それを見た弥吉が、ハッと涙をポロリとこぼす。それは無意識。
それを見たリュウが
「悔いは地獄に渡る舟の上でなさい。」とかね・・・。
だいたいあそこで殺してどうやって後ろまで持って行ったんだー。
まっ、良いか。細かい事を言わなくても。
だけど最後にみんなの生活の場に、弥吉が良い人だった時の橋渡しをしてくれた品々が残っていました。なんだか切なく悲しかったです。
悲しいと言えば、渡辺こう(野際陽子)はドラマの中でも亡くなっていました。そしてナレーションの市原悦子さんの声も心に残りました。
平成最後の「必殺仕事人」。
時代が流れていくように、長寿番組は人の入れ替わりも仕方がない事かもしれません。
若かった仕事人たちも貫禄のある中年になってきましたしね。
こうの代わりにやって来た綾小路てんは、良い味を出していましたね。
小五郎の上司の倫太郎(生瀬勝久)が、以前より前面に出てきました。必殺で前面に出てくると、ちょっと怖いですね。と言っても一年後ですね^^
しかしなんでこれ、もう少し後で放送して欲しかったです。裏が「3年A組」だったじゃないですか。録画して見ました。いろいろドラマが終わってしまった、その後の何もない時のスペシャルでやって欲しかったナと、ちょっとだけ思ってしまったのですが、こういう単発スペシャルは、スケジュール調整が難しいのかも知れませんね。