森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

武士の娘の娘の話だった「まんぷく」

2019-03-30 15:43:15 | テレビ・ラジオ
トップ画像はチキンラーメンのミニで、お椀で食べるタイプのものです。このドラマの影響で、食べた事がなかったのに食べてみました(笑)


ああ、昭和がまた終わったなと思いました。
えっ、平成じゃないのかって?

いや、「まんぷく」って、まさに昭和のお話でしょう。

夫殿がとっても気に入って、毎朝楽しみに見ていました。
何処かのサイトで先のあらすじまで読んでいて、今放送中で、これからその先が描かれる数分前にネタバレをいつも聞かされていました。

「今、見ているんだから !!」と言っても、とうとう、ずっとこのドラマ限定数分先が分かると言う役にも立たない予知能力マシーンを真横に置いて見続けたようなものでした。ヽ(`Д´)ノプンプン

彼が言うには、なんか元気が出ると言うのです。


萬平さんの人生は波乱万丈。でも負けないで何度でも立ち上がりました。
そしてその長い道のりで、二人は多くの魅力ある人々と出会ったのでした。
キャストは皆素敵でしたね。(一族関係のレギュラーはもちろん、共同経営者の加地谷も塩メンも看守のチャーリーさえも)それぞれがとっても好きでした。

そして私も、毎朝楽しみに見ていました。

確かに福ちゃんは、萬平教の信者のようだったと思います。
まったく萬平さんを疑う事もせずに、「萬平さ~~ん。」とあの独特の呼び方で呼ぶ福ちゃん。
この役は、けっこう難しいなと思います。
なぜなら、ヒロインでありながら心の動きが少ないように見えるからです。
萬平教の福ちゃん。安藤サクラさんじゃなかったら、好きでいられたかどうかは分からない事だと思います。

女性側の視点で見た場合、この福ちゃんに感情移入しやすいかと言うと、そうでもないと言う難点があったかもしれません。
それをもう一人のヒロインと言っても過言ではないのではと思うお母さんの、現実的だったりコミカルだったりする発言が、最後までこの一家を盛り立てました。最初は口うるさいように感じたお母さんは、本当に可愛らしく良かったですよね。さすがに松坂慶子さんです。
萬平教の福ちゃん。だけどこの女性はまるで「日本婦道記」に出てくるような女性像ではなかったでしょうか。高い能力を持っていても決して出しゃばらずに、夫を傍で支えまくる。
福ちゃん自身も、お母さんが母子家庭でありながら高い教育を身に付けさせたのですよね。
まるでそれが美徳とされていた時代の鏡のような女性像だったと思いました。
でもこれが日本の女性の歴史だったと思います。
(だけど私、こう見えても、これを全面否定しない派です。でもそう言ったら、私の周りにいる人は、殆ど首を傾げると思います。あまり健気な人に見えない者ですから・涙)

このドラマがなかったら、誰もカップラーメンを作った男の人の奥さんの事など、思う人など居なかったと思うのです。

そんな時代の女性の幸・不幸は夫が妻に
「みんなお前がいたからだ。お前のお蔭だ。ありがとう。」と言うか
「お前は家で飯を作っていただけだ。すべて俺のお蔭だ。」と言うかで分かれたと思います。

福ちゃんはとっても幸せな人でした。
萬平さんは前者の人。そして周りの人々にも福ちゃんがいなかったら今の萬平さんはいないとまで理解してもらえているのですから。

私自身のこのドラマの好きだったポイントは、子供たちの反抗期があまり暗くならずに、またぐずぐずと長引かなかった事と、繰り返しアイデアを出しながら失敗を重ねてながらと物作りの過程を、見せてもらった所と言えると思います。

最終回は、大阪に当時の本当の歩行者天国を作ると言う大掛かりなロケと言うのは、あまり印象にも残らず(スマヌ)、「福子~」「萬平さん~」と言う、なんかノロケをテレビで見せつけられたような感じでした。「麺の旅、世界1週」に出て、タイで二人で「すっぱい~」とか言いながら麺を食べるシーンで終わりましたが、最初も二人でラーメンを食べて、戦後の貧しい時に二人で一杯のラーメンを食べたと、ちょっとだけしみじみとしました。だけど見ていてもニヤニヤ・デレデレとしてしまいました。
だから終わった時の私の顔は、そんな風にニヤニヤと笑っていたと言うわけで、何はともあれ、笑って終わったと言う幸せなドラマだったと思います。
(ラストシーンのセットも凄かったですね。美術さん、凄いです。)

そしてまたこの最終回には、60を過ぎてからというセリフがたくさん出てきました。若い人からヒントを得たと言いながら、これからもまだまだ発明は止めないと言う萬平さん。

日本はこれから老人だから。
60歳なんて、もう若造の域です。少ない若者たちとタッグを組みながら、足腰経たなくなるまで、いや、足腰が立たなくなっても、生涯現役でいようと言うような、ラストはそんなエールドラマだったのだと(作者がそこまで意図していたかは不明ですが)、私には感じました。

ここで止めても良いのですが、何しろ最終回1回だけの感想なので、あとちょっとだけ続きます。

最初、あのOP、違和感がバリバリしていました。若い福ちゃんが、歌詞に合わせて表情豊かに歩いているだけなんですもの(それはそれで安藤さんは凄いと思いましたが)。今までの朝ドラのアニメがあったり様々な工夫があったものと比べて手抜きのように感じませんでしたか。

ー ただ歩いていただけじゃん。
と私は思いました。
だけど終盤になって、この「ただ歩いていくだけ」と言うのが、このドラマのテーマだったのかと(作り手がそこまで意識していたかは不明だけれど)感じるようになったのです。

私の唯一の失敗は、そのopは最終回には流れなかった事です。
一日前で終わり。
先に言っておいてくれないかなぁ~。しみじみと見たかったのにぃ~。


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寂しいですね。

2019-03-30 02:11:19 | 同じ時代の船に乗る


遠い日の学生時代だったある日、英会話のクラスで好きな映画を勧めると言う授業がありました。
もしも私が指名されてしまったら、答えようと思っていた映画のタイトルは決めていました。ちょっとした受け狙いもあったのです。
だけどできれば指名されたくはなかったのです。なんたって、英語・英会話は苦手でしたから。しかしこの話の流れでも推測出来てしまうと思うのですが、指名されて、私が答えた映画タイトルは
「Yatuhakamura」だったのです。

クラスの人からは
「あっ、もう見たんだ。」「へえ」「その他ザワザワ」と言う、私の狙い通りの反応がありました。

その時「八つ墓村」は、話題の映画だったからです。

ちょっと気を良くして微笑む私に、アメリカ人の英会話教師は、馬鹿にしたように首をすくめ「面白かったの?」「本当に?」と言ったのでした(英語でね。)
そして信じられないと言う態度。

映画番宣の映像が老婆の
「タタリじゃー!!!」ですからね。

ランク下の映画に思えたのかも知れません。それにその頃はまだ、洋画は邦画に勝ると思い込みも蔓延していましたから。(でもちょっと製作日数とか制作費とかを思うと、一概には否定できない部分は確かにあるにはあるのですが)

でもこの瞬間、ますますこのクラスが嫌いになってしまったのは確かな事だったのです。理由はそれだけでゃなかったけれど、二年目には選択しなかったのは、先生が大好きというレベルではなかったからだと思います。
(で、今も英語が苦手だ(/_;))

面白かったですね、面白かったですよ、あの映画。

演技の引き出しをいくつも持っていたと言われていたショーケン。
それでも見たこともない萩原健一を見せつけられて息苦しかった「影武者」も、好きでした。

この人は破滅型の天才なのかなと思わせるように、何度も逮捕劇を繰り返してしまったけれど、それでも最後まで、役者と歌の道を貫いたのだなと思いました。

好きな作品がたくさんあります。

その理由は、ちょっと自身の内面に踏み込んだ部分があるので書けないのですが、大学の映画会で見た「化石の森」は、私の人生レベルで影響を受けた作品でした。(注:殺人の部分にでは決してありません)

映画と言うのは、思いがけない形で、様々な人に影響を与えるものだと思います。
きっと作品の数だけ、ショーケンも多くの人に何かを与え続けたと思います。

「いだてん」にも出演するのだとか。
悲しいけれど遺作になってしまいましたね。
68歳なんて、若すぎるのが悲しいです。


でも人の死と言うのは何歳だって、早すぎると感じますよね。
ショーケンの翌日に飛び込んできたのは白石冬美さんの訃報。

なんだか「平成の終わりに・・・」などと言うと、更に寂しさが増してしまいます。

みんなに楽しい時間を与えてくださったショーケンもチャコちゃんも、どうぞ安らかにお眠りください。


※ トップ画像は、ソメイヨシノよりも先駆けて咲いて、春を知らせる寒緋桜。既に葉桜になりつつありますね。




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