森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

いだてん第10回「真夏の夜の夢」

2019-03-11 09:53:32 | ドラマ (大河)

四三、弥彦にとって一番の敵は孤独。

彼らはその見えない敵と闘わなくてはならなかったー。

それでも四三は、(一応の)レコードを持ち、更衣室では足袋の話題で盛り上がり、いつの間にか注目を浴びるようになって行きました。だけれども弥彦は、「大した選手じゃない。」などと言われ、まったく顧みられずにどんどん孤独になって行きました。

練習時の風景も、他国は同じ競技の仲間たちと切磋琢磨しつつ、コーチの適切なアドバイスを受けながら競技の日に向けて、着々と準備していると言うのに、彼らの頼みの綱の兵蔵の体調は芳しくなく、いわば自主練のような感じで、一人黙々と走らなければならなかったのでした。

加えてこの季節のストックホルムは白夜で、慣れない環境に、疲れた体を心身ともに休ませることが出来なかった二人は、徐々に追い込まれて行きました。

弥彦と言う人は、国内では常にトップ。しかも家柄も良く生活レベルも高く、常にちやほやされてきた人だと思います。まさに天狗党の中の天狗。

それがその鼻をへし折られたようなものですよね。

今まで挫折しらずだった彼の初めての挫折といってもいいのかも知れません。

「挫折しらずの者が挫折をすると弱い」と言う、まさにそれが弥彦には当て嵌まったかもしれません。

 

追い詰められて、窓から飛び降りようとする弥彦を四三は必死に止めます。

「俺たちは、走ることに意味があるんだ。」←のようなセリフ

このシーンで、私はクーベルタンの「参加することに意義がある」と言う言葉を連想しました。

この言葉で検索すると、ちゃんとした言葉が出てきましたので、よく知られている切り取りではなく、もう少し長く転載しておきます。

「勝つことではなく、参加することに意義があるとは、至言である。 人生において重要なことは、成功することではなく、努力することである。 根本的なことは、征服したかどうかにあるのではなく、よく戦ったかどうかにある。」

いろいろな想いを超えて、やっとの想いで、ここに来た二人。

彼らは日本人として最初にオリンピックに参加した人。ストックホルムで走ることこそが、彼らの使命なんですよね。

で、あのベッドでのあのシーン。

あそこだけ見ちゃうと・・・・・・・。

安仁子さんが「オオ~」と逃げ帰って行くのは分かりますよねぇ~(笑)

タイトルの「真夏の夜の夢」はこのシーンからと言うのが、巷では(主にツイッターの世界^^)言われていますね。

 

一番最悪の底まで落ちたら登るしかないように、二人はお互いに助け合って練習を再開しました。兵蔵の病状も落ち着いて、弥彦は彼から良いアドバイスも受けられるようになって、見ていた私にも、冬の後の春が来たような気持ちになりました。

 

今週の私的涙ポイント。(毎回泣くと言うわけではありませんが、何でか今週も瞼がジーンと濡れました。)

更衣室で四三が他国の選手とも打ち解けられるきっかけになったのは、ある選手が声をかけてくれたからでしたが、その選手がポルトガルのフランシスコ・ラザロ。

彼は貧しくて汽車には乗れず、いつも走っていた・・・・・・・・。

彼に感情移入させるなよって、ちょっと胸がいっぱいに。(この部分が意味不明な方は、先の展開を楽しみにしていてくださいね。)

 

最初にその彼に、英語で挨拶されると日本語で挨拶を返す四三。

 

そして白夜のお祭りで日本の歌をと要求されると、そこで「君が代」を歌う二人。

音を外して歌うのって難しいだろうなあと言う事は置いておいて、なんだかこの「君が代」には微妙に感動をしてしまいました。

そこに満を持して登場の治五郎先生。

白夜祭を「こんなに歓迎して頂けるとは。」などと、頓珍漢な事を言う先生でしたが、四三たちは否定しかけて否定せず。二人の歓迎の気持ちは、まさにまさに「待ってたよ~ !!!!」てなものでしょう。

演出が上手かったですね。

人の影から治五郎先生が現れた時、「ああ、やっと来た~」って言ってしまいましたから、私^^

 

そしてプラカード表記。

「『日本』じゃなかったら、出ない。」と言い切った四三。

ーああ、この人がこう言い切ってくれたから『NIPPON』なんだぁ・・・・。

と、なんだか心がじんじんときました。

 

※ 朝太も頑張っております。五りんも面白いです。


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