森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

「楽しいよ~」って言ったんだ。

2019-03-09 00:43:32 | 梢は歌う(日記)

(トップ画像は記事には関係がありません。)

 

ある時、バイト先で中学生のA君にB君がプレゼントを持ってきました。

帰り際、それを渡されたA君は嬉しそうに、

「昨日は、僕の誕生日だったんです。」と言い、

私と私の雇い主様が微笑みながら拍手しました。

「おめでとう~。」

「僕はまだ14歳なんだ。」

「若いねぇ。あっ、だからと言って、じゃあ『私は』なんて、私は言わないからね。」と意味のない予防線を張る私。

その子は、ニヤニヤしながら

「先は長いなぁ。」と言いました。

「うん、そうだね。だけどこの先も楽しいよ~。」と、私は心の底から想いを込めて言いました。

 

※       ※       ※

雨がしとしと降る帰り道、私は自分の言葉を思い起こしながらトボトボと歩いていました。

ー楽しいよ~。

 

それならば、未熟ゆえにいくつもの失敗を重ね、涙の川におぼれかけたあの日々は?

肉体の痛みや病の苦しさに、身をかがめ耐え抜いたあの時間は ?

嫉妬心に駆られ、または怒りのやり場に困り、憤怒の苦しみにもがいた愚かな私は ?

 

今まで生きて来た時間を5文字で表わせと言われたわけではないけれど、いろいろな事を含めても、きっと一言で言うならば、私の場合は「楽しいよ」となったのかと思いました。

またはそう言える歳になったのかも知れません。

 

だけどそんなには悟っているわけではありません。

むしろこんなことを書いていると、すべての禍の影に怯えている自分に気が付くのです。

それでも時には、人に贈った言葉を自分に向けて取り戻し、耳を澄ましてみたいと思うのでした。

コメント (2)
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