flow Trip -archive-

「漂い紀行 振り返り版」…私の過去の踏査ノートから… 言い伝えに秘められた歴史を訪ねて

天桂院山

2007-07-15 04:00:51 | ほとけのいおり
(愛知県蒲郡市蒲郡町)
 永正九年(1512)に松平家菩提寺龍台院として創建した曹洞宗龍台山天桂院は、天正十八年(1590)竹谷松平家家清が一万石で武蔵八幡山に移封した際、寺も共に移転し、全栄寺と、このとき亡くなった家清の室の院号を充てた天桂院の二寺を建てた。
 慶長六年(1601)家清が三万石で吉田城主となると、寺もまた城下に移転した。
家清の子忠清が慶長十七年(1612)に没し、吉田藩は無嗣除封となったが、家清の弟清昌が蒲形村に五千石で陣屋を設け、西ノ郡、蒲形を領した。そして二寺も一つに纏め、現在の場所に建てられた。
 境内には、第51代横綱玉の海の墓所がある。
  
 南北に長い天桂院山は、北部に中央公園が整備され、秋葉神社、貴船神社が建ち、南端に東海道新幹線が通っていて、新幹線建設の際移転した天桂院山5号墳の石室が中央公園南東側に移築されている。

 山には古墳が5基存在したが、寺院建設等によって滅失した。また、天桂院と中央公園の間に蒲郡中央バイパス(国道247号線)が横切ることになり、予定部分は暫く荒地となっていた。
 平成18年に訪れた際、道路部分となる山の樹木が伐採され始めていたが、今回訪れると、山は二つに切り裂かれており、道路築造工事が行われていた。然し、道路を築いたところで蓋をして「荒子トンネル」とするようで、南北は元のように地続きとなるようである。
      (開削する直前の天桂院山)
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