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「漂い紀行 振り返り版」…私の過去の踏査ノートから… 言い伝えに秘められた歴史を訪ねて

一宮砦

2007-10-20 00:30:40 | 城郭・城下町

(一宮城 一宮端城 愛知県豊川市一宮町 市指定史跡)
 私の家に最も近い場所にある城跡。故に幼い頃から馴染み深いところでもある。
大堀」と呼ばれる段丘上を切り裂いた野水路の河口部分と、文安四年(1447)までの古豊川の跡である河岸段丘端との角地の地形を利用して築かれた砦である。また、古城の地名も残っている。
 虎口は桝形を成しており、左右向かって土塁の一部を残し、防御性の高い大堀側と古豊川側は低土塁を配している。南側は堀が道路となっており、崖面から当時及びそれ以前の陶器片が散見することがある。また、以前は井戸が残存していたが、今は確認できない。
 一宮砦は永禄五年頃に今川勢侵攻を防御するため、松平元康(後の徳川家康)臣本田信俊によって築かれた砦である。永禄六年(1563)(五年説、七年説あり)今川氏真勢によって包囲されたが、その背後を元康勢が布陣し、氏真勢は退散した。これを俗に「一宮の後詰」という。
 戦勝した元康は、その後砦に隣接する砥鹿神社に参詣し、その際神職の草鹿砥家に元康の胴衣を与えたという。草鹿砥家は、近隣日下部村領主日下部氏の裔といわれ、現在は砦跡の所有者である。
      

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