田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

土壌回復の神様 ミミズ様

2014-02-09 23:51:15 | 講演・講義・フォーラム等
 ミミズが沢山いる畑は肥えているとは聞いていたが、火山の噴火で火山灰に覆われた大地がミミズの活躍により土壌を回復させ、いち早く山を緑に変えていくメカニズムを伺い改めてミミズ様の偉大な力を知った思いだった。 

                 

 2月8日(土)午後開催された北大総合博物館土曜市民セミナーに参加した。今回のセミナーは「有珠火山の植生と土壌の回復」と題して、北大総合博物館の資料研究部員の春木雅寛氏が務められた。

 今回も理系の話である。
 例によってさまざまな図や表を多用し、データを並べ立ててくれる。そのデータを私などは読み切れないまま話は進行していく。講師が話していることに懸命に耳を傾けているのだが…。
 同じ思いをしている人も少なからずいるようだ。私の周りでもコックリさんがけっこう見られた。

 その中で、唯一私が聞き取ることができ、理解できたのが有珠山の植生と土壌の回復に重要な役割を果たしているミミズのことだった。
 ミミズには「土をつくる」、「養分を可給態化させる」という役割があるとのことだ。
 「土をつくる」とは、�ミミズが土や有機物を食べることで有機物がよく混じるという。�ミミズがフンを出すとき、粒子状のフン(土)となる。�ミミズが土の中に穴を作ることで、水や空気が通りやすい構造を作る。以上のような働きをしているという。
 「養分を可給態化させる」とは、�ミミズが土や有機物を食べたとき、体内にある酵素が含まれることで利用しやすい形の養分となる。�ミミズが体内で土と有機物を混合することで、養分の吸着率を高める。と説明された。
 このように土壌回復に重要な役割をするミミズの繁殖力の旺盛さにも驚かされた。数値の聞き間違いはないはずだが、環境さえ良ければ10匹のミミズが一年間に6億4千万匹にも増殖するそうだ。

          

 もちろん土壌回復のメカニズムはミミズだけの働きではない。植物の生育にとって重要な窒素を固定する役割としてのミヤコグサなどのマメ科植物の働きも大きいという。

 一つだけ疑問が残った。氏は有珠山の植生回復は「一次遷移」ではないと断言された。
 「一次遷移」について帰宅して調べてみると「植物群落の遷移の一型。火山の熔岩(ようがん)流や新島,新しい湖沼などに初めて生物が移住し定着することから始まるものをいう」とあった。専門的に言うと何か別の定義があるのかもしれないが、一般論でいうとまったく植物がない所に植物が発生するのは、やはりどこかから種が遷移してきたからでないのだろうか?
 お聞きする機会があったら、そのことについて素人にも分かるように教えていただこうと思う。