へぇ~、あのおぞましい帝銀事件は昭和23年の出来事だったんだぁ~。敗戦直後の日本では吉田茂さんが権勢を奮っていたんだなぁ…。私が記憶するにはまだ幼すぎた戦後日本の姿が映像となって眼前に映し出されるのは興味深かった。
「めだかの学校」という私にはいま一つ分かりかねる学習グループが主催する「映像でつづる昭和の記録」上映会に1月、2月と参加している。(分かりかねるとはネガティブな意味ではなく、私自身が良く分かっていないというだけで、高齢者たちが集う熱心な学習グルーブのようだ)
一昨日10(月)、かでる2・7で行われた2月例会に参加してきた。
上映会で用いるフイルム(DVD)はNHKが編集・制作したもので、1本がおよそ60分で制作されている。私が参加した1月の会では昭和23~24年、昭和25~26年の2本を、2月の会では昭和27~28年、昭和29~30年の2本を視聴した。
「めだかの学校」はずっと以前から活動しているようで、この上映会も昭和の初期から順に上映会を実施しているようで、私はその途中から乗車させていただいたようなものである。
フイルム(DVD)にはそれぞれタイトルが附されている。それを紹介すると、
■昭和23~24年 「再建の道けわし」
■昭和25~26年 「講和条約調印」
■昭和27~28年 「独立はしたけれど」
■昭和29~30年 「政界再編と神武景気」
となっている。
※ 戦後日本のアメリカ統治下において絶大な権力を発揮したマッカーサー元帥です。
この時代はまだまだフイルムは全て白黒で、映像もけっしてクリアではないけれど、時代の空気を感ずることができて興味深い。
フイルム(DVD)をざっと概観してみると…、
昭和23~24年というと、まだまだ敗戦直後である。価値観の大転換は国内を混沌とさせていたようだ。各地で労働争議が起きたり、帝銀事件や下山事件など物騒な事件も続いたりして、景気もどん底、人々は生活するのに精いっぱいといった感じである。
昭和25~26年はタイトル名の「講和条約調印」が示すように、昭和26年9月にサンフランシスコ講和条約が締結され日本が独立を回復した年であるが、国内的には大混乱の中で締結されたようである。また、前年(25年)朝鮮戦争が没発したことによって国内的には景気が上向きとなっていったようである。
昭和27~28年のタイトル名は「独立はしたけれど」となっているが、確かに血のメーデー事件など、国内的にはさまざまな事件が起こり依然として騒然とした世の中が続いていた様子が分かる。一方、ヘルシンキオリンピックに日本選手団が16年ぶりに参加したり、NHKがテレビ放送を開始したりと明るいニュースも散見されるようになった。
※ 戦後日本の政界のおいて重要な役割を果たしづけた吉田茂氏です。
昭和29~30年となると、私の記憶もやや鮮明となってきた年代である。タイトル名が「政界再編と神武景気」となっているが、昭和30(1955)年に保守政党の自由党と民主党が合併して自由民主党が誕生したり、社会党の左派と右派が分裂状態から再統一をしたりと、いわゆる55年体制の幕開けとなった年である。
一方、経済の方は戦後の混乱から脱却し、製造業を中心として「神武景気」と称される好景気が到来し、以後の日本の高度経済成長への続いていく始期となった年代である。
というように私たちの年代にとってはなかなか興味深いフィルム(DVD)の上映会である。
これからも都合のつくかぎり参加して、私自身が生きてきた昭和の時代をフイルムとともに振り返ってみたいと思っている。