田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

札幌ぶらり散歩 43 超芸術トマソン〔原爆〕タイプ

2015-01-08 16:36:32 | 札幌ぶらり散歩 & Other
 年末に収集した蔵出しはまだまだ続く。今回はその名も恐ろしい〔原爆〕タイプである。これほどくっきりと映し出す〔原爆〕タイプも珍しいのではないか?私は逸品のトマソン物件に遭遇した思いだった。 

 昨年の12月29日(月)、私は元旦の登山に備え、自宅から登山口までどのくらいあるだろうか実地踏査を試みた。その際に遭遇した物件である。
 旭ヶ丘地区の上り道を歩いていたときだった。旭ヶ丘1丁目のあたりに築後かなり時が経った民家風の建物があった。その壁になにやらくっきりと描かれているのが目に入った。近づいてみると、それは描いたものではなく何かを剥がしたためにできた影だと判明した。
 「これは規模は小さいが典型的な〔原爆〕タイプだ!」と確信した。

          

 赤瀬川氏は〔原爆〕タイプを次のように解説する。
 「かつて存在した建物の痕跡が、隣接する建物の壁にシルエット状に残された物件。過去の巨大なエネルギー事件によって消失したものの影が、もののあわれを喚起するところからこの名がある。近年は都市再開発や地上げ行為によって、市街地の空き地にこの物件をみかけることは珍しくなく、バブル経済による地上げの渦巻きが、原爆投下に等しきものであったことを物語っている」
と説明されている。

          

 建物の痕跡ではない。巨大なエネルギーによって消失したとも思われない。しかし、かつてあったものが取り除かれ、そこにシルエット状のものが残された図であることは疑いの余地がない。しかもそれが一つではなく、五つの影を作っている。
 さらには、入口の戸も内側から板が貼られ無用ドア化しているようだ。

          

 この五つの影はいったい何だろうか?窓にかかる木枠などから想像すると、どうやら飲食関係の店だったところだろうか?
 家型の影になっている部分はメニューなどのお品書きを表示するボックス状のものが貼り付けられていたのではないだろうか?
 上部の四つの影はたんなる飾り窓が付いていたのでは、と想像するが?

 それにしてもあまりにもくっきりとした影が残ったものである。
 よって、中央区旭ヶ丘1丁目の〔原爆〕タイプの壁を「トマソン物件 札幌第8号」と私が勝手に指定することにする。



《おまけの物件》 
 その日の帰りである。これがまた凄まじい光景に遭遇した。
 この「札幌ぶらり散歩」シリーズの�13で「蔦の葉に占拠(?)された家」というのをレポートした。それに優るとも劣らない物件に遭遇したのだ!

          

 中央区の南13西20あたりを歩いているときだった。もうすっかり枯れてはいたが、蔦に包まれた家が目に入った。葉が枯れているためそれほど目立たないが、壁の大部分が覆われているように見えた。
 私が以前に取り上げたにもかからず再度取り上げた理由は、なあ~んと、家の前におかれた自家用車までもが蔦の蔓に浸食されていたからである。ということは少なくとも自家用車は一年以上ほったらかしということになりそうなのだが…。

          
          ※ 蔦の蔓が自家用車のドアを侵食し始めている。

 忘れなければ、今夏にもう一度訪れて蔦の葉の最盛期の様子を見てみたい。