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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

冬の石狩川河岸を遡る 4 前編

2015-01-30 22:08:33 | 冬の石狩川河岸遡行スノーシュートレッキング

新石狩大橋 ~ 美原大橋 トレッキング月日 ’15/01/29

 どうしようかと逡巡していた昨年の続編となる「冬の石狩川河岸を遡る」プロジェクトだが、昨日(29日)とうとう実行に移した。「どうして逡巡していたの?」と自らに問いかけてみたくなるくらい快適なスノーシューイングを楽しむことができた。 

 昨年、三日間をかけて石狩川河口から新石狩大橋まで、直線距離にして約20Km強スノーシューを駆って遡った私の勝手なプロジェクトだが、その後をどうするか逡巡していた。それは自らが立てた企画ながら、自分にとってはあまりにも過酷なプロジェクトのため、続編を実行するのをためらっていたのだ。
 しかし、それから一年が過ぎて、私の中の好奇心の虫が疼き出した。
 そしてとうとう昨日、慎重な気持ちは好奇心に勝てず、実行へと突っ走ったのだった。

 朝、札幌バスターミナル発、午前6時45分の江別行のバスに乗るべく、午前5時に目覚めた。
 準備を整えるのに時間をくってしまい、バスの出発時刻に間に合わないのではと思いタクシーを使う羽目になったのは誤算だった。
 予定どおり6時45分発のバスで、今回のスタート地点の近くにある「新石狩大橋」停留所に向かった。昨年、厚田に向かう一番バスに乗ったときは溢れるくらいの乗客がいたが、今回の江別行は乗客が少なく閑散としていたのは意外だった。

          
          ※ 雪のために表示も見えない「新石狩大橋」の停留所です。

 バスターミナルから40分後の7時25分、誰も下車しない「新石狩大橋」停留所に降り立った。停留所は石狩川の左岸側にあるのだが、私がスノーシューで歩くのは右岸側である。したがって、まずは「新石狩大橋」を歩いて渡らなければならなかった。
 ところが、これが大変だった。何故かというと、「新石狩大橋」には歩道が付いていなかったのだ。しかたがない、私は車が行き交う道路の端を恐る恐る渡る羽目になった。
 乗用車はスピードを緩めずに走り去るが、トラックの運転手は私を認めるとスピードを緩め、さらには僅かでも道を空けようとしてくれたのが嬉しかった。

          
          ※ ご覧のように「新石狩大橋」には歩道が付いていないのでした。

 約20分かけて「新石狩大橋」を渡り終え、石狩川右岸の橋のたもとに着いた。
 さっそく準備をしてスノーシューイングの開始である。
 始めて直ぐに、私の見込み違いに気付かされた。それは、ここ数日の暖気で道路は融けたたり、凍ったりを繰り返している。雪原の雪も表面はきっと固く締まっているだろう、と予想していた。ところが!石狩川河岸の雪は新雪状態だったのだ。スノーシューで踏み込むと15~20Cmくらい沈み込む。う~ん、街中と自然の中では雪の状態もずいぶん違うものだと教えられた思いだった。

          
          ※ 「新石狩大橋」の右岸側のたもとです。

          
          ※ 写真のようにスノーシューは思っていた以上に雪の中に潜り込みました。
           
 もう一つ意外だったのが、石狩川の様子だった。昨年は川面が完全に凍っていて、その上に雪が積もっている状態だった。ところが今年は、一部氷が浮かんではいるものの、川面に水面が見えるのだ。最近の暖気が石狩川の氷を融かしているということだろうか?

          
          ※ 石狩川の様子です。一部に浮き氷も見えますが、全体としては水面が見えています。(昨年とは大違い!)

 昨年の過酷な経験が蘇り、ゆっくりゆっくり歩くことを心がけた。
 それでも歩きはじめて間もなく、背中に汗を感じた。急いでインナーの一枚を脱ぐことにした。また、当初は予定していなかったのだが、意外に足が沈み込むので、靴の中に融けた雪が侵入しないようにスパッツも装着することにした。

 石狩川河岸は無音ということはない。遠くからは工場が稼働している音や、車が行き交う音も耳に入ってくる。しかし、私の目の前には誰も踏み入れていない真っ白な雪原が広がっている。そこに私の踏み跡だけが残っていく…。

          
          ※ こちらの写真は川面がけっこう凍っています。流れが緩やかな所のようです。

 朝方曇っていた天気も、雲の間から太陽が顔を出し、コンディションはますます良い状態になってきた。
 左岸は江別の工場が軒を並べているが、右岸には何もない。昨年は河岸の灌木群にずいぶん悩まされたけど、この日はときどきお目にかかるくらいで、歩きやすい雪原が広がっていた。

          
          ※ 行く手には写真のような灌木や草が茂っているところもありましたが、大半は広い雪原でした。

 そんな中、1時間くらい経ったころ、河岸に何かの構造物があるのが目に入った。近づいてみたが、何か分からない。ワイヤーのようなものが認められたので、あるいは昔の渡しの施設の残骸かな?とも思ったがはっきりしたことは言えない。

          
          ※ 単調な景色の中で何やら見えたので近寄ってみました。

          
          ※ すると、写真のようにワイヤーと滑車が見えました。何でしょうか?

 まだまだスノーシューイングは始まったばかり。疲れはまったく感じない。遠くに王子製紙の大きな工場が目に入ってきた。その前には、この日の第一の目的である「石狩大橋」も目に入ってきた。
 あたりに何もない雪原を往くスノーシューイングの場合、大きな工場とか、橋が見えても、実際には意外に遠くにあることを昨年いやというほど教えられたので、内心は「まだまだ」と思いながら歩いた。

          
          ※ 遠くに王子製紙工場の煙と、「石狩大橋」が見えてきました。

 そうして、スタートから2時間10分を経過した午前10時、「石狩大橋」の橋下に到着した。ここまで地図上で直線にして2.5Kmくらい。ゆっくり歩いたとはいえ、やはり雪の中を進むのは労力、体力との勝負である。

          
          ※ 午前10時、「石狩大橋」の橋の下に到着です。

(続きは明日へ)