いよいよ昨年末の棚卸し物件の最後である。大晦日の日、円山地区を歩いていた。コンクリートや新建材の真新しい住宅が立ち並ぶ中に、その物件は現れた。その建物は私の目から見るとトマソンの宝庫のように思えた…。
最近思うことがある。
札幌の珍景を探して歩く「札幌ぶらり散歩」は、なんだか大好きな札幌の街のあまり触れてほしくない部分を探し出し、そこに光を当てブログで伝えているのではないのか、と思うことがある。確かにそうした面があることは否めない。
しかし、と私は考える。
コンクリートや新建材で固められ、ツンとすましたような建物群の中で、ちょっと古いけれどなんとなく温かみが感じられ、住んでいる人たちの歴史を感ずることができる建物は少なくなり、そうしたものは今や遺産的価値さえ伴っていると感じる。
そこに遺された物の中には侘びや寂びを感じさせるものがあったり、笑いとペーソスを誘ったりするものも少なくない。いつかは消えゆく運命にあるそれらに光を当て、そこに存在したことを記憶に留めるためにも、私は札幌の街を巡り、そうしたものを探していきたいと思っている。
ただ、面白さを追求するあまり若干品性に欠ける紹介の仕方や表現があったかな、と反省している。今後は取り上げ方や表現の仕方にも留意しながら伝えていくことを心がけたい。
大晦日の日も私は一万歩を達成すべく、円山地区を歩いていた。できるだけ以前に歩かなかったところを選びながら…。
すると、ちょうど三叉路の頂点のようなところに少し古びた建物が目に入った。建物の前は三角柱の商標があり、何かの商売をされていた家のようだった。
この家に続く倉庫のような建物にたくさんの遺産的な物件が散見された。
まず、隣の家が建つ前にはそこにも続きの倉庫があったのではと思わせる跡が遺されていた。屋根の形をしたままのトタンが遺されていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/b9/cf81816d12b9c65ac401c624ff704c78.jpg)
※ 写真の手前が母屋、後ろが倉庫と思われる。右側の家は後から建てられた家と思われる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/6e/73cec48e079228f379d159135bc2faaa.jpg)
※ 近づいてみると、写真のような痕跡が残っていた。倉庫が続いていたのだろうか?
続いて反対側に廻ってみると、倉庫然とした建物の2階部分に大きく開くドアのようなものが目に入った。そのドアが開閉して製品などを積み下ろししていたのだろうか?となるとかなり背の高いトラックが必要となるが、それにしては少し高すぎないだろうか?ドアにはどのような役割・機能があったのだろうか?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/63/a4/cebb5bab103bfe70730adef013598037.jpg)
※ 2階部分の大きなドアには蝶番も付けられていて、明らかに開閉機能が備わっていたと思われる。
そして最たるものは建物の入口として使われていたであろうところの門のような立体である。この門のようなものがどのような機能を果たしていたのか、どう考えても分からない。しかも、往時はタイル舗装をした立派な門のようであったことが窺われるのだが…。あるいは倉庫然としたこの建物の一画が会社の事務所で、そこへ至る門の構えだったのか?
剥がれかけたタイルブロックに会社が繁栄した往時の面影が偲ばれる思いである。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/7b/837a0d5297725be0c5766b2dfd10a0b2.jpg)
※ 同じ建物を違った角度から見たものです。無用窓も気にな右下の門ようなものが気になります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/f3/73ae6cecb56f8ece6d4adaac6cf7e5e3.jpg)
※ 大写しすると、このようにタイルブロックが一部遺されていました。
本日紹介した三件の物件は、全てトマソン物件に該当すると私は判断したがいかがだろうか?
私の独断と偏見で、この円山地区のトタンが遺された〔原爆〕タイプの壁を「トマソン物件 札幌第9号」に、
倉庫然とした二階に付けられたドアは〔高所〕タイプとして「トマソン物件 札幌第10号」に、
そして、華麗な過去が偲ばれる〔無用門〕タイプを「トマソン物件 札幌第11号」
にそれぞれ指定することにする。
なお、この建物では2階の窓が無用窓化していたが、〔無用窓〕タイプは古い建物ではけっこう多いことも分かってきたので、今後の指定には少し慎重を期したいと考え、今回は指定を見送ることにした。
最近思うことがある。
札幌の珍景を探して歩く「札幌ぶらり散歩」は、なんだか大好きな札幌の街のあまり触れてほしくない部分を探し出し、そこに光を当てブログで伝えているのではないのか、と思うことがある。確かにそうした面があることは否めない。
しかし、と私は考える。
コンクリートや新建材で固められ、ツンとすましたような建物群の中で、ちょっと古いけれどなんとなく温かみが感じられ、住んでいる人たちの歴史を感ずることができる建物は少なくなり、そうしたものは今や遺産的価値さえ伴っていると感じる。
そこに遺された物の中には侘びや寂びを感じさせるものがあったり、笑いとペーソスを誘ったりするものも少なくない。いつかは消えゆく運命にあるそれらに光を当て、そこに存在したことを記憶に留めるためにも、私は札幌の街を巡り、そうしたものを探していきたいと思っている。
ただ、面白さを追求するあまり若干品性に欠ける紹介の仕方や表現があったかな、と反省している。今後は取り上げ方や表現の仕方にも留意しながら伝えていくことを心がけたい。
大晦日の日も私は一万歩を達成すべく、円山地区を歩いていた。できるだけ以前に歩かなかったところを選びながら…。
すると、ちょうど三叉路の頂点のようなところに少し古びた建物が目に入った。建物の前は三角柱の商標があり、何かの商売をされていた家のようだった。
この家に続く倉庫のような建物にたくさんの遺産的な物件が散見された。
まず、隣の家が建つ前にはそこにも続きの倉庫があったのではと思わせる跡が遺されていた。屋根の形をしたままのトタンが遺されていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/b9/cf81816d12b9c65ac401c624ff704c78.jpg)
※ 写真の手前が母屋、後ろが倉庫と思われる。右側の家は後から建てられた家と思われる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/6e/73cec48e079228f379d159135bc2faaa.jpg)
※ 近づいてみると、写真のような痕跡が残っていた。倉庫が続いていたのだろうか?
続いて反対側に廻ってみると、倉庫然とした建物の2階部分に大きく開くドアのようなものが目に入った。そのドアが開閉して製品などを積み下ろししていたのだろうか?となるとかなり背の高いトラックが必要となるが、それにしては少し高すぎないだろうか?ドアにはどのような役割・機能があったのだろうか?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/63/a4/cebb5bab103bfe70730adef013598037.jpg)
※ 2階部分の大きなドアには蝶番も付けられていて、明らかに開閉機能が備わっていたと思われる。
そして最たるものは建物の入口として使われていたであろうところの門のような立体である。この門のようなものがどのような機能を果たしていたのか、どう考えても分からない。しかも、往時はタイル舗装をした立派な門のようであったことが窺われるのだが…。あるいは倉庫然としたこの建物の一画が会社の事務所で、そこへ至る門の構えだったのか?
剥がれかけたタイルブロックに会社が繁栄した往時の面影が偲ばれる思いである。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/7b/837a0d5297725be0c5766b2dfd10a0b2.jpg)
※ 同じ建物を違った角度から見たものです。無用窓も気にな右下の門ようなものが気になります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/f3/73ae6cecb56f8ece6d4adaac6cf7e5e3.jpg)
※ 大写しすると、このようにタイルブロックが一部遺されていました。
本日紹介した三件の物件は、全てトマソン物件に該当すると私は判断したがいかがだろうか?
私の独断と偏見で、この円山地区のトタンが遺された〔原爆〕タイプの壁を「トマソン物件 札幌第9号」に、
倉庫然とした二階に付けられたドアは〔高所〕タイプとして「トマソン物件 札幌第10号」に、
そして、華麗な過去が偲ばれる〔無用門〕タイプを「トマソン物件 札幌第11号」
にそれぞれ指定することにする。
なお、この建物では2階の窓が無用窓化していたが、〔無用窓〕タイプは古い建物ではけっこう多いことも分かってきたので、今後の指定には少し慎重を期したいと考え、今回は指定を見送ることにした。