濃厚な海老のスープが口の中に広がる。たくさんの野菜と共にチキンのレッグが味に厚みを加えている。「札幌でしかできない50のこと」のスタートは、札幌が発祥の地であるスープカリーの奥芝商店とした。
「札幌でしかできない50のこと」のスタートを札幌が発祥の地であるスープカリーとしたが、いきなり躓いた。というのは、提唱している「さっぽろ観光創造研究会」が発行しているガイドマップによると登録№006の「スープカリー奥芝商店 札幌本店」は南8条南14丁目にあるとなっていた。ところが周りをいくら探しても見つからなかった。不審に思い、スマホで探ってみると、どうやら「札幌本店」は閉店したらしいことが判明した。
そこでその他に「奥芝商店」が札幌市内に3店出店している中から、JR札幌駅に直結する札幌パセオ内に出店する「奥芝商店 実家店」に向かうことにした。ガイドマップが作成されたのが2015年ということだから、特に栄枯盛衰の激しい飲食店の場合は閉店したり、転居したりしている店が少なからずあるのかもしれない。
「奥芝商店 実家店」はJR札幌駅の西出口の近くパセオウエストの1階に出店していて、観光客にも立ち寄りやすいところに位置していた。
※ 奥芝商店 実家店のエントランスです。賑々しく昭和チックな雰囲気です。
外観はずいぶんと賑々しく昭和チックな装いを施した外観だった。入店するスタッフが「お帰りなさい」と声をかけてくれた。「ん?」とは思ったが、きっとこれは店のコンセプトなのだろう。
※ 店内もどこか垢ぬけない雰囲気はお店のコンセプトのようです。
スープカリーといってもメニューは多彩である。私はガイドブックにあった「やわらかチキン特選野菜カリ~の巻」をオーダーしようとしたが、実家店のメニューにはなかった。そのことをスタッフに伝えると、それに一番近いのは「フェニックス With V」(1,480円)が最も近いと教えられたので、それをオーダーすることにした。
※ メニューの一部です。
しばらくして調理された「フェニックス With V」が運ばれてきた。その器を見て驚いた。直径が40cmはあろうかと思われる大きな器に盛られて出てきた。
※ 直径40cmはあろうかと思われる大きな器に盛られてスープカリーは出てきました。
メインのチキンのレッグがドカンと載っているのは予想どおりだが、野菜の多彩さが印象的だったので思わずメモしてしまった。その野菜の数々とは…。ジャガイモ、サツマイモ、カボチャ、カブ、ゴボウ、ナス、ニンジン、ピーマン、キャベツ、それに半熟卵が載っていた。
※ 厨房とその前のカウンター席です。厨房とカウンター席はガラスで仕切られていました。
実家店の場合、スープは海老スープのみとのことだった。その濃厚な海老スープが絡んだチキンや野菜を美味しくいただいた。
店内のデコレーションが昭和チックと称したが、店内に流れるバックミュージックも「神田川」、「恋の町札幌」、「上を向いて歩こう」等々、懐メロのオンパレードである。私たち世代には懐かしいが、果たして観光客でやってくる若い人たちはどんな思いで聴いているのだろうか?
※ 店内の天井を飾る提灯の数々です。
さて、スープカレーであるが札幌を発祥の地として、首都圏をはじめとして本州大都市圏への進出も果たしているようだが、まだまだ全国区とは言い難くローカルフードの一つと言えるようだ。その意味では、「札幌でしかできない」一つと数えてもいいのかもしれない。観光客にとっても「北海道の食」を実感できる一品なのかもしれない。
ただ年金族にはその価格がちょっと気になるところだ。メニューを見ると私が食した1,480円の「フェニックス With V」は中位の価格帯である。高価なものは1,800円台のものもあった。ランチメニューとしてはかなり高価である。チキンや野菜などたっぷり使っているために致し方ない価格設定だと思うのだが、この価格がスープカレーを普及するうえで足枷とならなければ良いのだが…。
【スープカリー奥芝商店 実家店 データー】
札幌市北区北6条西2PASEO WEST 1F
電 話 050-5596-8119
営業時間 11:00~22:00
定休日 不定休
駐車場 有(JRタワー、パセオパーキング)
座 席 45席(カウンター席、テーブル席 個室なし)
訪問日 ‘20/07/21