HBCラジオの「金子耕弐のファミリートーク」でお馴染みの金子氏の講演会が江別市で開催され受講した。私よりはやや若い金子氏であるが、子育てに関しては共感することが多い講演会だった。
HBCラジオで毎日のように朝11時半頃から放送される表記番組をよく聞いている私である。金子耕弐氏の美声に乗せて語られる家庭教育に関するお話は共感することが多かった。その金子氏が番組の中で本日(7月17日)江別市民会館において講演会を開催する旨の告知があった。好奇心旺盛で、物好きな私である。「金子氏ってどんな人?」という興味も手伝って江別市まで走ることにした。
金子氏について、その人となりについて良く知らなかったが、配布された資料によると私よりは10歳ほど若く、当初は海外の短波放送でアナウンサーをされていたが、その後高校の英語教師などさまざまな職業遍歴をされた方のようだ。その過程の中で家庭教育の重要性を痛感したことから、主としてラジオ放送で家庭教育のパーソナリティとして今日に至っている方で北海道在住のようである。
※ 金子耕弐氏の著書の一つです。
本日の講演は「いま家庭と子育てに必要なこと」と題してのお話だった。冒頭、金子氏は「子育てとは、良き人間関係を築くことではないか」と説いた。夫婦間、親と子、あるいは祖父母と孫、等々、現代は人間関係を築くことが難しくなっているようだ。と指摘した後、「子育ての三つの柱」を挙げられた。その三つの柱とは、
第一の柱は「愛情」
第二の柱は「時間と感動の共有」
第三の柱は「親は指導する立場」
を挙げられ、それぞれについて詳細に説明された。この三つの中で特徴的なのは第三の柱である「親は指導する立場」であることを強調された点である。現代の子育て専門家などは「子どもにも人権があり、子どもの意志も尊重すべき」と説き、金子氏は第一、第二の柱を大切にしながらも、親が子どもを指導することに躊躇すべきでないと強調された。この点については私も大いに賛同したいと思った。
また、「愛情」に関わって初めて聞く興味深い話を伺った。それは今から800年前のローマ皇帝だった「フリードリッヒ二世の実験」というものだった。お話を伺い帰宅してウェブ上で調べてみると、そのことが載っていたので原文を転写してみたい。興味深い話なので少し長いが読んでいただけたら幸いである。
今からおよそ800年前のローマ皇帝だった「フリードリッヒ 2世の実験」というのをご存知ですか?ある時、フリードリッヒ 2世はこんな疑問を持ちました。「言葉を一切教わらなかった赤ちゃんは、どんな言葉を話すようになるのか?」
フリードリヒ2世はこの実験のため、部下に50人の生まれたばかりの赤ちゃんを集めさせ、部屋に隔離しました。そして乳母たちには、下記の条件で実験を行うように指示しました。
⚫︎赤ちゃんの目を見てはいけない
⚫︎赤ちゃんに笑いかけてはいけない
⚫︎赤ちゃんに話しかけてはいけない
⚫︎赤ちゃんにミルクを与える
⚫︎赤ちゃんをお風呂に入れる
⚫︎赤ちゃんの排泄の処理をする
結果は、3歳までに49人が死亡。
6歳に最後の1人が死亡しました。
つまり衣食住、生きるための世話はきちんとするけれど、スキンシップは一切取ってはいけないというものでした。
今では考えられない昔の残酷な実験ですが、この実験からわかる事は、「言葉とスキンシップが命を育む」という事でした。重要性を証明するエピソードの一つだと思える。
このことは、金子氏が強調する子育てにおける「愛情」の重要性を証明するエピソードの一つだと思える。
その他、金子氏はこれまでの数多くの家庭教育に関わる放送や講演会の経験から興味あるエピソードを紹介され、一つ一つが納得できる内容であった。遠く江別市まで遠征してお聞きした講演会だったが、私にとっては有益な講演会だった。