オリンピックの競技が始まった24日から、家にいる時間のほとんどはテレビの前で競技観戦に没頭している。この三日間、日本選手の予想以上の好成績にテレビの前を離れられない。その中でも昨日の卓球混合の大逆転劇は鳥肌が立つほどの激戦だった。
毎日が日曜日の年金族にとって時間を気にせずにオリンピックのTV観戦に没頭できる環境を感謝している。今回は自国開催だからだろうか?NHKは総合、Eテレ、BS1と三波での放送体制を組んでいるため、チャンネルをあちこちと回しながら、私にとって最も興味ある競技にチャンネルを合わして楽しんでいる。
オリンピックはどうしても民族意識をくすぐられるところがあり、日本選手の戦いぶりに一喜一憂している。そうした中、出だし三日間の日本選手は予想以上に活躍しているのではないだろうか?
24日には柔道の高藤選手、昨日は水泳の大橋選手、スケートボードの堀米選手の優勝。そして何よりの話題は柔道における阿部兄妹の同時優勝だろう。公言(?)どおりに兄妹が同時に優勝を果たしたことは見事だった。
しかし、私にとって鳥肌ものだったのは、昨日の卓球混合ダブルスの水谷準、伊藤美誠ペアとドイツのペアによる準々決勝戦の死闘だった。
試合は両者譲らず互いに3セットずつ取り合い、最後の第7セットの戦いとなった。この戦い、開始から5点連続ドイツペアに得点を許し、さらには9対2と追い込まれたことによって日本ペアは追い込まれた。その後やや盛り返したものの10対6と相手にマッチポイントを握られ絶体絶命の崖っぷちに追い込まれた。1点でも相手に取られたら万事休すなのだ。ここから4点連続して得点することは不可能と思え、私は「これはもう敗戦だ」と観念した。しかし、ここから日本ペアは驚異的な粘りを発揮し、なんと4連続得点して10対10の同点に追いつき延長に持ち込んだ。それからも激闘は続いた。
その後も何度もドイツペアに先行されマッチポイントを握られた。その度に日本ペアはそこを凌ぎ、14対14の同点から日本ペアは逆にマッチポイントを握り、ついに16対14で見事に逆転勝利を呼びこんだ。勝利の瞬間、さすがの伊藤美誠も感極まったのだろう顔をゆがめて涙を見せた。見ていた私も鳥肌が立つほどの感動を覚えた。
おそらくこの戦いは「諦めずに最後まで戦うことの大切さ」を伝える見本の一つとして語り継がれるのではないだろうか?
水谷準と伊藤美誠の戦いはまだ続いている。彼らは準決勝も勝ち進み、今夜中国ペアと金メダルをかけての決勝戦に挑む。二人には再び私に鳥肌を立たせてほしいと願いたい。