まさかまさかの金メダルである。卓球混合ダブルスの水谷隼・伊藤美誠ペアは、世界第一シードで過去に一度も勝ったことのない中国ペアをフルセットの激戦で制し、卓球史上初のオリンピックで日本に金メダルをもたらした!
昨日、水谷・伊藤ペアの準々決勝戦の劇的勝利についてレポし投稿した時点で、私は「さすがに中国ペアには勝てないだろうな」と予想していた。それくらい世界の卓球界における中国の地位は絶対的に強さを誇っている。そのうえ中国ペアは現在世界第一シードの上、水谷・伊藤ペアはこれまで4回戦って一度も勝っていないのだった…。
だから昨夜の私は卓球は試合よりは、体操男子決勝戦の観戦を優先した。体操の方も激戦だったが、卓球の行方も気になった。そこで時々チャンネルを卓球に合わせたのだが、そのとき目にしたスコアはセットカウント0対2と劣勢に立っていた。「やはり中国には歯が立たないか」との思いから、体操にチャンネルを合わせた。
体操の銀メダルを確認し、再び卓球にチャンネルを合わせてみると、なんとセットカウントが2対2とタイに戻しているではないか!日本ペアの諦めない精神力の強さに脱帽した。
その後第5セットを日本が、第6セットを中国が取り、最終セットの第7セットに突入した。最終セットは意外な展開となった。日本ペアがいきなり6対0と絶対的な優位となり、そのまま押し切って最終的に11対6と振り切って見事に絶対王者の中国ペアに競り勝った!
正直に言って、25日の対ドイツペアとの準々決勝戦ほどの興奮は覚えなかったが、素晴らしい勝利だったことは間違いない。しかし、それもこれも25日の劇的逆転勝利があったからこそと、今さらながらに思うのである。あの勝利が水谷・伊藤ペアの “力” を一段も二段もステップアップさせたのではないか。その “力” とは、卓球の技量というよりは、“精神的な力” である。あの粘り強さ、あの逞しさ、それが昨日の勝利に繋がったと心から思う。
今考えると25日対ドイツ戦の劇的逆転勝利は、水谷・伊藤ペアが世界一へと上り詰める序章だったに違いない。そう私は信じている。
※ 水谷準と伊藤美誠は同じ静岡県磐田市出身で、幼馴染の上、同じ卓球クラブ出身だということは有名な話である。(写真は伊藤美誠が幼稚園児の頃?のものである)