“産業の米” とも称される半導体であるが、今やその半導体産業を目指す(株)Rapidusが北海道は千歳市に半導体製造工場を建設中ということで北海道内が沸いている。(株)Rapidusが北海道内にもたらす影響についてのセミナーが開催されたので参加してみた。
時間が少し経ってしまったが、多岐にわたる発言があったために、その内容をまとめることが困難で、本日までレポがずれ込んでしまった。
2月8日(木)15時より、北海道が主催するセミナー「次世代半導体とほっかいどうの未来」が開催された。定員500人のホールはビジネスマン風の人たちが多数詰めかけ満員の盛況だった。
セミナーの構成は次のようになっていた。
◆講演 Ⅰ 「次世代半導体プロジェクトについて」
Rapidus株式会社 代表取締役社長
小池淳義氏 (ビデオメッセージ)
Rapidus株式会社 専務執行役員 清水敦男氏
◆講演 Ⅱ 「半導体の今と未来について」
北海道大学総長補佐 量子集積エレクトロニクス研究センター教授 葛西誠也氏
◆講演 Ⅲ 「半導体で地域がどう変わるのか」 日本経済新聞 編集委員 太田泰彦氏
その他に北海道の担当者から北海道のこれからの取り組みについての説明があったが、割愛したい。
※ ビデオメッセージでRapidus株式会社の未来を語る小池社長です。
さて、ここからのレポートであるが、私が4氏の講演の内容を全て理解できたわけではない。“半導体” などというモノは私にとっては考えようによっては近いものでもあるのだが、実際にはずーっと遠くにあるものである。そこで本稿でのレポートは、講演の中から私が理解できたことに絞ったものにしたい。つまり私同様半導体については素人同然の方向けの内容となることをお断りしておきたい。
まず基本的に “半導体” とは?ということであるが、“半導体” とは、電子回路や部品(デバイス)を半導体材料の上につくりこんだものの通称だという。(株)Rapidusはそのうちの半導体ウェハを製造する会社だそうだ。
半導体メーカーには、①ファブレス(設計)、②ファンドリー(前工程)、③ OSAT(後工程)と大きく三つに区分けされるそうだが、(株)Rapidusは②のファンドリー会社だという。つまり(株)Rapidusは、例えるとピザを作る時、トッピングする前の生地を作る工程を担う会社ということになる。
(株)Rapidusでは2026年の操業開始を目指し、現在ファブレスのIBMに技術者を100人規模で派遣し、技術の習得に励んでいると小池社長は強調していた。
小池社長は「(株)Rapidusは2nm(2ナノ)の半導体ウェハの製造をする」と断言しているが、現時点の世界の技術水準は10nmの製造で台湾の「台湾積体電路製造」(TSMC)という会社が全世界の93%(2019年現在)を占有しているという。さらにTSMCは7nm、5nmの生産でも他を圧している状況だという。台湾恐るべしである。そして中国、韓国も激しく追い上げている状況だそうだ。
もちろんそれらの国々も2nmの製造を目指していることは想像に難くない。はたして(株)Rapidusはそこに割って入って勝算はあるのか?
本日のところはここまでにしたい。明日続編を綴ってみたい。