日本水泳界の至宝、池江璃花子は白血病に罹ったにも関わらずそこから復活し、昨年の東京オリンピック代表選手となったのは記憶に新しい。そんな池江選手を女手一人で育てた母親美由紀さんが子育てについて語った。
4月26日夜、アスティ45において北海道大学と札幌市立大学の共催による「こころとカラダのライフデザイン」講演会があり参加した。この講演会はリレー講演となっていて、今回は第2回ということで池江璃花子の母親、美由紀さんが『あきらめない「強い心」をもつために』と題して講演された。池江美由紀さんは璃花子の母親というだけではなく、東京経営短期大学こども教育学科特別講師、EQWELチャイルドアカデミー本八幡教室代表・講師という顔も持っている方だそうだ。つまり彼女は単なる母親ではなく、幼児(こども)教育の専門家でもあるということだ。
彼女の履歴を見ると1995年に子どものための能力開発教室を開設している。その教室名の冠に「EQWEL」という名が付いているのが気になった。講演ではその点に触れなかったので調べてみたところ「EQWELチャイルドアカデミー」のHPに次のような言葉が見つかった。「イクエルの「EQ」とは、頭の知能指数を示す「IQ」とは別の「心の知能指数」を表しており、どんな困難に直面しても解決手段を考えていく精神を養うことを教育理念として掲げています」つまり「EQWEL」とは「EQ」+「WEL」の造語のようで「心の知能指数を育むことで上手く育つ」的な意味を持たせたように思われる。
池江氏は1995年の教室開設以来30年近く代表・講師を務めるとともに、1男2女を育て上げて今日を迎えているようである。池江氏は幼児教育を始めた理由を次のように語った。「どんな親から生まれた子どもでも、適切な刺激や環境を与えれば優秀に育つことができる」と…。そうした思いで育てた3人の子どもたちは、それぞれ立派に育ってくれたと話された。
※ 池江親娘です。左が璃花子選手、右が美由紀氏です。
池江氏は30年近くの幼児教育の実践から子どもたちに「強い心」を育てることが大切であるとの考えに至ったようだ。その「強い心」を子どもに持たせるために大切なことは、
① 自分を信じること。
② 人間力を育てること。
③ 本人力をつけること。
の三つが大切であると強調された。そしてこれらは子どもの力だけではこれらを身に付けることができない、として子どもの成長には「親御さんの影響が大きい」と指摘し、「幼児教室では、親の教育が大事である」と話を締めた。
そして現役の子育て世代、さらには 未来のパパやママに対して「①育てたように子は育つ。②毎日楽しく。③自分らしく。」とエールを送られた。
※ 池江美由紀氏の著書です。
お話をうかがい池江氏が「EQ」=「心の知能指数」に着目されたことについては私も賛同したい。「EQ」については次のように説明されているのをネット上で見つけたので紹介すると、「EQとは、感情をうまく管理し、利用する能力のことで、心の知能指数とも言われる。遺伝などの先天的な要素が少なく学習によって高めることができる」とされている。
特に幼児教育において、この点に注目されたことは炯眼に値すると思われる。
※ 使用した写真は全てウェブ上から拝借しました。