高齢者の運転免許証の返納が話題となっている。れっきとした高齢者の一人である私も考えざるを得ない年代である。「家族で考える 高齢者の自動車運転」というフォーラムに参加し、考えた。
2月21日(金)夜、北海道新聞社の道新プラザにおいて「道新ニュースサロン『家族で考える 高齢者の自動車運転』」というフォーラムに参加した。
フォーラムは、基調講演とパネルディスカッションからなっていた。
基調講演は、北海道警察本部の高齢者運転支援室長の河野浩信氏が「安全運転を続けるために」と題して、高齢者の運転事故の現況や、運転免許の返納の方法などについて説明された。その中でも印象に残ったのは、交通事故は近年右肩下がりの状況であるが、高齢者に限ると横ばい状態だという。したがって、年代比率でみると高齢者の交通事故の割合が右肩上がりの状況になっているということであり、そうしたこともあって高齢者の自動車運転の是非が話題となってきた一因のようである。
パネルディスカッションには、交通アナリストの月居吉彦氏、地域包括支援センター長の島崎顕生氏、道新記者の佐藤圭史氏の三人が登壇し、それぞれの立場から高齢者の運転について論じた。
基調講演、パネルディスカッションを通じて、新たな知識を何点か仕入れることができた。その新たな知識とは…
※ 本フォーラムでは、フォーラムが始まってからの写真撮影はNGだった。したがって、掲載写真は全て開会前に撮ったものである。
◆運転免許証を返納したことで、それまで免許証を身分証明書代わり活用していた人に対して、免許証に代わる「運転経歴証明書」というものが申請によって発行されるということである。この証明書が身分証明書の役割を果たすそうだ。
◆自動車に添付するマークが4種類あるということが分かった。それは①初心者マーク、②高齢運転者マーク(70歳以上)、③聴覚障碍者マーク、④身体障碍者マークの4種だという。この中で①と③は車体に貼ることが義務付けられているのに対して、②と④は努力義務である、ということだ。恥ずかしながら、私は聴覚障碍者マークや身体障碍者マークについては、その存在すら知らなかった。
さて、私が最も知りたかった「運転免許証返納のタイミング」であるが、このことについて交通アナリストの月居氏が大変心強いアドバイスをしてくれた。ご自身も78歳という高齢者であるのだが、氏が言うには「運転に苦痛を感じたときが返納時期である」と…。非常に明快な回答だった。自分自身だけでなく、家族や周りの方々との対話も含めて、運転をすることにストレスを感ずるようであれば返納すべきだというのだ。反対に自らが運転する意欲があるかぎり、運転を続けて良いのではないかと断言された。
私は今のところ運転することに苦痛は感じていないし、公的に仕事をこなすうえでも車は必須であるし、登山などアウトドアを楽しむためにも今のところ車は手放せない。しかし、体力的にも、能力的にも以前よりその力が衰えつつあることも自覚している。返納の時期が近付いていることを自覚しながら、そのタイミングを慎重に見定めたいと思っている。
そもそも運転したくて免許をとったのではなく、身分証明書として取得しただけなので……。
返納したあとの「運転経歴証明書」が運転免許証同様に身分証明書の役割を果たしてくれると伺って、返納への思いが募ってきました。
今回の講座で「運転経歴証明書」の存在を知ったことは受講した成果の一つといえるかもしれません。さあ、どうしましよう?