泉谷しげるの「春夏秋冬」、かぐや姫の「あの人の手紙」、吉田拓郎の「イメージの詩」等々…。懐かしい歌がアマチュアミュージシャンによって次々とステージ上(土俵上)で披露された。歌の巧拙はもちろんあったが、私にとっては懐かしさに浸ったひと時だった。
昨夕(6月15日)は、北海道神宮祭の中日だった。北海道神宮祭では、神宮の土俵上をステージとして例年「フォークうたごえまつり」が開催されている。神宮祭とフォークソングがどのように繋がりがあるのかは不明だが、なにせ今回は2年間の休みを挟んで第18回目の開催ということだから、それなりに歴史も重ねたイベントなのだ。
※ ご覧のように土俵上にステージが特設されました。
私はフォークソングと聞いて思わず駆け付けたが、神宮境内の人混みの凄さには驚いた。午後6時半すぎだったが、若者を中心に驚くほどの人出で、夜店の前では人の行列が動かないほどの混みようだった。その人混みをなんとかかい潜って会場の土俵傍に辿り着くと、そこには中年というよりは老境に達したような方々ばかりが陣取っていた。
やがて開会時間の午後7時、コミュニティFM放送「三角山放送」のパーソナリティーの方の司会で「フォークうたごえまつり」は始まった。
聴衆が老境に差し掛かった人達ならば、ステージ(土俵)に上がる方たちも同じような年代の方が多く登場した。歌い手の名前はおいておくとして、披露された曲目は次のとおりである。( )内は元歌の歌手名です。
◇春夏秋冬(泉谷しげる)
※ トップバッターは通勤帰りといった雰囲気で「春夏秋冬」を伸びやかな歌声で披露してくれました。
◇風を集めて(ハッピーエンド)
◇乾杯(長渕剛)
◇あの人の手紙(かぐや姫)
◇路地裏の少年(浜田省吾)
◇少年時代(井上陽水)
※ この日唯一の二人組です。写真では見えませんが、女性はカリンバというアフリカの民族楽器を披露しました。
◇花はどこへ行った(ピート・シガ―)
◇イメージの詩(吉田拓郎)
※ 吉田拓郎風の雰囲気を醸し出しながらの演奏です。
◇幸せになろうよ(長物剛)
◇世界に一つだけの花(SMAP)
いや~、私たち世代にとっては全てが懐かしい歌ばかりです。それぞれが自前のギターを引っ提げて、若い時に戻って熱唱する姿が眩しかった。全部で10組の方が出演したが、男女のディオ、女性の一人を除いて、残り8人は男性の弾き語りだった。その全てが50代以降、中には自ら66歳と公表される方もいた。歌唱力の方は正直言ってそれなりにという感じだったが、その中で「春夏秋冬」を歌った方は本家の泉谷しげるとは全く違ったティーストで伸びやかにバラード風に歌い上げた50代男性の方が印象に残った。また、長渕剛の「幸せになろうよ」を歌った60代の方の高音の素晴らしさを聴かせてくれる歌唱だった。
そして最後はこの「フォークうたごえまつり」の第1回からメインゲストを務めているという五十嵐浩晃さんのミニライブが行われた。この催しを始めた時、彼は45歳だったそうだが、今や彼も65歳だそうだ。しかし、さすがにプロである。持ち味の高音の素晴らしさは健在だった。彼はオリジナルを3曲、カバー曲を2曲披露した。その5曲は、
① 愛は風まかせ
② 街は恋人
③ ディープパープル(と聞こえたのだが、聞き間違いのようだ)
④ 夢で逢えたら(大瀧詠一)
⑤ ペガサスの朝
北海道神宮の夜店の喧騒を背景に、アマチュアミュージシャンのフォークソングを、そして五十嵐浩晃さんのミニライブを楽しんだ。そして自分はやっぱりフォーク世代ド真ん中だったんだなぁ、と妙な感慨に浸った札幌まつりの夜だった…。
※ 聴衆はこんな感じて150~60人いたのではないでしょうか?