初夏の蒸し暑いこんな日は水遊びも楽しいのだろうが…。
家の前には川が流れていて、断水で川の水が干上がる時があるのだが
そんな時は、近所の子供たちの恰好の遊び場になる。
小魚を捕ったりザリガニや、時として阿賀川から流れ込む鯉などもいた。
でも 悲しい流れものもいる事を思い出してしまった。
少し大きめな川なだけに、とんでもないものが流れている事がある。
まず ペットボトルとかコンビニの袋に入ったままのゴミ。
それから…時として犬や猫の亡骸まで流れている。
道路沿いの川の為か、事故死したものも居るに違いないが
小さな猫が、しかもまだ目の開かないような子猫が事故にあうはずはない。
思い出すのは、10年位前の話になるのだが
その日も、蒸し暑い日で
田んぼで使ったビニールシートを水遊びがてらに洗おうと言う話になり
夫と二人で洗っていた。
その頃は、まだ 川の水もきれいで
どうせ濡れてしまうのだからと、裸足にゴムぞうり
ズボンの裾を捲り上げて洗っていた。
突然 足に何かに噛み付かれたような気がして叫び声をあげた。
どうした!! と言う夫の声に足元を見ると
一匹の子猫が、私の足にしがみ付いていたのだ。
猫だ!! とばかりに子供にタオルを持って来るように叫んだ時に
川上から一台の車が走り去った。
何とひどい事を…。
たぶんに、まだ目は開いてなかったのだろうが
川に投げ込まれたとたん、ショックで目が開いてしまったのだろう…。
さっそく タオルで拭いて、とにかく暖める事だとマッサージをして
ミルクを温めでティッシュに含ませて口元へ持っていくと吸い付いた。
子供に近くのペットショップへミルクと哺乳瓶を買いに行かせた。
何と言っても、私に助けを求めたのだと思うと不憫でならなかった。
ミルクを飲ませて、お尻を刺激して排泄させる…。
夜は使い捨てカイロで温めた…だけど、2週間で精一杯だった。
まだ親の庇護の元でなければ生き延びる事は叶わなかったらしい。
庭の片隅に小さな石をあげた、こんもりとした一箇所に子供達はしゃがんでいた。
飼い切れないのなら、どうして子供が出来ないようにしないのだろうか?
自然の摂理に反するのかもしれないが
生きながらにして川にゴミのように投げ捨てられる事と
どっちが生き物として幸せなのだろうか?
せめて 保健所に…と思うのは間違っているのだろうか?
とある所では、ボランテァで野良猫の世話をしているところもある。
かと、思えばダンボールに何匹かを詰め込んで
スーパーの店先に置いておく輩もいる。
生き物を飼うという事は、そのものの人生をも飼う事なのだ。
一時期、流行った血統書つきのペットが捨てられてしまう世の中
どこか間違ってやしないか? そんな風に思ってしまう。
あれから 川に入って洗い物をする気になれない。