口の辺りと目のまわり…白っぱけて、どこかで寝転んで来たのか
そんな事を思って、よくよく見ると…白く薄汚れて見えたのは
白髪?…そう白髪になっていた。
目は涙目で、すぐに目ヤニが出るのか汚れていて
見つけるとティッシュで拭いてあげるのだが…
体の毛も微妙にバサバサで毛艶がない。
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考えてみたら、ポチコが生まれたのは、ばぁちゃんの倒れた年だった。
年々元気がなくなって行くような気がする。
畑で草むしりしている私の傍でいつも寝ている。
最近のこの蒸し暑さに年老いた体には…かなりシンドそうだ。
思うに、元気がなくなるって事は、徐々に元気がなくなるのではなく
ばぁちゃんの場合もそうなのだが、何か体調が悪くなった時に
ガクンと体力の衰えが見えるのではないかと思う。
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当時ばぁちゃんが脳梗塞で倒れて、私が病院へ付き添いに通っていた頃に
母親であるミーコから生まれたポチコ他何匹かが
大きくなって、母乳だけでは足りなくなったようで
小雨降る中、庭のあちこちから顔を出し始めて来たのが出会いだった。
ポチコの他の猫は、新聞に出した里親募集で
一匹は中通りの方へ、一匹は市内のとあるお宅へ
もう一匹は…たしか夫の同僚のお宅へと、ポチコだけは珍しい模様だったので
これはうちに置くぞ!って、強い夫の要望で母親と一緒に住める事になった。
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あれから、ずいぶんと月日が経って、若かりし頃の悪戯はかなりなものがあったが
今は日がな一日涼しい場所を見つけては、うとうとと眠っているのが日課となっている。
猫は寝子だから、普通の老描だと一日の四分の三くらいは寝てるんだってね。
時にはpochiko農園で草むしりする私の傍の、日蔭でだとか
またはハウス跡の黒いシートの上で、まるで投げ出されたかのように…。
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コビが居なくなって、ネズミの楽園と化した穀物貯蔵庫。
寝てばっかいないでネズミを捕れ!って言うけど
仕方ないよねぇ~人間にしたら、猫の年齢の換算表を見れば
68歳だとか82歳だとか、年齢にバラツキがあるものの
何度もの尿道結石の手術に、換算年齢でも高い方かな~と思う。
猫は家に住みつくと言われるのが、よっく分かるpochiko家の建て替えの時。
取り壊されていく旧pochiko家へ、夕方仕事が終わって重機も帰って行ったあと
暗くなって誰もいない…半分瓦礫と化した所へと帰って行く。
あの後ろ姿は…何だか胸が詰まるようだったよ。
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ポチコ…どこを見つめているのだろう。
新しい家に、なかなか馴染めなくってさ…。
それでも寒い時期には、ちゃんとお泊まりも出来るようになって
良かったなぁ、ここがポチコの家で住処だから
威張って居座ってても良いんだと…話しかけたけど
分かってないんだろうな(苦笑)
ポチコ…ばぁちゃんの倒れた年に生まれたから
ばぁちゃんとポチコと、どっちも頑張って長生きして欲しいなぁ。
という事で、稲の葉先についた夜露をUP!
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ひとつひとつの露の粒に命が宿っているようだよ…。