ご近所の生垣のウツギが満開の花をつけている。いわゆる「卯の花」だが、いまではウツギの方が通りが良い。
「卯の花」というと我々年代は、佐々木信綱・作詞 小山作之助・作曲の唱歌「夏は来ぬ」を懐かしく思う。
まさに「卯の花の匂う垣根」なのだが、ざんねんながら熊本の平地ではホトトギスには出会えない。
富安風生の句に 書淫の目あげて卯の花腐(くた)しかな という句がある。
私はこの句に出会うまで、書淫という言葉をしらなかった。(汗・・)その意は「読書にふけること。非常に書物が好きなこと。また、その人。」とある。
どうも淫と云う字の意味合いが、書という文字になじまないなーと思うのだが如何。
「読書に耽っていてふと目を上げると外は卯の花腐たしの雨が降っている」という句である。
季語について言うと「卯の花」ではなく「卯の花腐たし」のようで、卯の花の咲くころに降る長雨の事で、折角さいた花が腐れてしまうという意である。
熊本も昨日梅雨入りとなったが、まさしく「花腐し」の雨となるのだろう。
私も書淫(人)の末席をけがしているが、どうもこの語句はなじめないなー。