熊本城顕彰会誌「熊本城」の最新号(95号)に、富田紘一先生の「明治初期の熊本城・二」が紹介されている。
その中に「千葉城から不開門方向を望む(写真1)」と「千葉城前の掲示板(写真2)」があるが、「写真2」は「写真1」の掲示部分のクローズアップ写真である。
先生のお話によると鮮明な写真では、この掲示板の内容が読み取れるというのであるが、これは明治天皇の熊本御巡幸の予定を掲示しているものだという。ちなみにこの写真は長崎大学が所蔵する内田九一撮影の写真である。
写真1と同じ内田九一撮影の写真
内田九一は明治天皇の御真影も撮影した人物だが、天皇の西国御巡幸にも同道している。この写真もその折撮影したものであろうが、この文章は六月十四日となっているそうだから、天皇が熊本入りされる三日ほど前に掲示したことが判る。斜めに登る石垣は「不開門」前の坂だから、この場所は県立美術館分館の前あたりなのだろう。
原版の大きさがどの程度なのか判らないが、それにしても、この掲示板の内容が読み取れるというのがすごいではないか。