津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

■長岡圖書宛細川重賢書状

2019-06-18 17:16:31 | オークション

                    

                   【真筆】名君!細川重賢 書状 長岡図書宛 掛軸

 見事な状態のお軸である。随分高値になりそうな予感がする。詳細な写真と共に読み下しを試みた紙面も入っているが、残念ながら完全なものではない。
そこで当方で読み下しを試みた。
                                     一筆申入候我等儀
                                     東叡山火之御番為
                                     松平土佐守殿代被
                                     仰付旨昨日御老中以
                                     御連名之御奉書被仰下
                                     難有仕合候此段為可相述
                                     如是事ニ而候恐々謹言                   

                                             越中
                                       四月廿日  重賢 花押

                                        長岡圖書殿
 
        松平土佐守の代わりに、東叡山の火の御番を仰せつけられる旨、昨日ご老中連名の奉書を以て仰付られた。
        有難き仕合であり、この旨を相述べなさる様このごとくである。


重賢は前藩主・宗孝の不幸な死を受けて、延享四年に相続をして四年目である。
熊本藩年表稿をみてみると、このことは宝暦元年のことと思われ、四月十六日の記事に「上野の火の御番」とある。
そのことからすると松平土佐守とは、土佐山内家の8代藩主・熊本藩年表稿をみてみると、であろう。
東叡山とは上野の寛永寺である。四月十九日に正式に老中連名の奉書が届けられているようだが、熊本年表稿の日付からすると情報は事前にもたらせれていたと考えられる。
宛名の長岡圖書は刑部家の5代・興行か。6代の興彭は重賢の実弟で刑部家に養子として入ったが、これは宝暦6年の事であり又圖書の名乗りもしていない。
なんで山内家の代わりを務めたのかはよくわからないが、代わりは「替り」で山内家が火の御番を勤めあげた後の替りという意かもしれない。
これまでの時期山内家は色々な困難に遭遇する中、藩主の若く聡明な豊敷が大いに努力に努めている時期である。

  (人様の商売の品の解説をしてもしようがないが、少々興味が湧いての事である。落札される方の参考になれば幸いである。)

           

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■二個のトマト

2019-06-18 09:56:06 | 徒然

                                  

  昨晩の満月、ストロベリームーンは、残念ながら薄い雲の中にありぼやけていて、美しい姿を見ることが出来なかった。
今朝も昨日のドアスコープの奇跡を期待して早起きをしたが、こちらも曇り空でアウト。
今日も明日もどんよりとした一日になりそうだが、遅ればせながらの梅雨入りが間近い感じである。

 ベランダの植木鉢にトマトが二個、真っ赤に色づいて収穫期である。
別段苗を買ってきて植えたものではなく、昨年試しにプチトマトを輪切りにして放り込んだものが、今年発芽したものである。
トマトを今迄育てた経験はなく、奥方がどこから仕入れたのか、あまり水をやらない方が良いという。
高さが5・60センチを超えたころ沢山の花をつけた。水をやらずにいると、全体がしんなりとしてきて花に勢いがない。
それから毎日水をやるようにしたが、時すでに遅く、相当数の花が枯れてしまった。
それでも小さな実がなり日一日と成長した。栄養を集中させようと葉や枝を剪定してみた。
そしてトマト独特の青臭い実は確実に成長して、見栄えはよくないが昨日今日と赤みを増してそろそろの収穫期である。

 私は盆栽などの趣味はないのだが、岳父が延岡で5~60坪ほどの庭に沢山の山取りの松その他の盆栽を育てていた。
時折孫の顔を見るために我が家に遊びに来ていたが、盆栽の水やりの為に泊まることもなくその日のうちに帰る程であった。
そんな岳父が松をはじめ数点の盆栽を持ってきた。松は引っ越しにあたり枯らすよりよかろうと盆栽が大好きな友人にプレゼントした。
他は山取りのめずらしい植物類で三四点がのこり、地震後の引越に際しても一緒に引っ越してきてベランダの一角を占領している。
そんな鉢物に水をやるのが日課となり、トマトの管理もその一環となった。

 散歩をしていると、豊かな木々をたたえた自衛隊周辺の道路の植え込みに、2・3センチほどの実生の植物が見受けられる。
一年まえから興味がわいて松や槇、ケヤキなどを抜いてきて、岳父がやっていたように平鉢に寄せ植えをしてみた。林のような風情になるかと考えた。
一年たつとそれぞれの成長の度合いが異なり、高さがそろわなくなって目論見はほぼ失敗状態である。
ケヤキの成長が著しく、成長を止めようと頭を切った。ところがわき目があちこちに出てきて現在は横に広がり始めている。
最近ではそんな植物の生長に興味を持ちながらの水やりの毎日である。
トマトの下には、随分前にブログを通して知りあった方からお送りいただいた「沢潟(おもだか)」が、またこの時期に顔を出して15センチを超える高さに成長した。
小さな白い可憐な花が咲くのだが、これが待ち遠しい。もっともその時にはトマトは存在しないのだが・・・一応収穫して味見してみようかと思っている。

 

 

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■細川藩の軍役について

2019-06-18 05:51:23 | 史料

 先に「■軍役 235人/1万石」を書いたところだが、史談会例会の時、若い友人N君が二枚のコピーを持ってきてくれた。
東京農大教授・住江金之氏がお宅にあった「軍役の覚」を紹介された記事だが、出典は「日本談義」の昭和29年11月号である。
スキャンしてご紹介しようと思ったが、我家のおんぼろスキャナーは機能低下がはなはだしく、お見せできるような状況が得られないようなので労を惜しまずタイピングしてみた。

          軍役之覺
 一、役高より余計の人数召連候分は如何程にても勝手次第たるべし 弓・鎗・鉄炮等持せ候事も勝手
   次第に候 尤役高より過分之筋は其時に臨んで書付を以て頭々え可相達事
 一、嫡子之外総て従類支配之浪人等年十七以上之者は軍役人類之内に差加候儀勝手次第之事
    但十七歳未満たりとも壮健の者は可為各別事
 一、小身の士弓・鎗・鉄炮等銘々之得道具替無之輩は取持之武器戦場において損候分は申出次第可
   相渡事
 一、小姓頭千石高に不満輩は其時に臨んで千石高に可申付之条其節に相応之役可相勤事
 一、小身の士軍役難相定之条其時に臨んで増高可申付 尤物頭は都三百石 平士は都合弐百に可相極
   之間其時之高相応に役可相勤事
    但増高に申付輩は増高の人馬常に不及覺悟 器具等は兼而増高相当に嗜居候様に可心懸事
 一、中小姓軍役難相定其時之有無に応し人馬等可相渡 尤人馬等兼而令所持輩は其節に到り書付を以
   頭々江可相達事
 一、紋付之幕其外之陣具等身体相応に用意し諸事簡便を可専事
 一、家中馬乗以下之家来支配之浪人等甲冑を帯し候不苦候 尤主人/\の紋付之羽織上着仕せ可申事
 一、家中徒若党足軽其余雑□□□主人/\紋付之法被股引陣笠着仕せ可召連 尤着込其外相応之下着仕
   せ候儀勝手次第之事
 一、弐百石より弐百九拾石迄上下五人
   内 馬取壱人 鎗持同 具足箱持同 草履取同 小荷駄一疋 口取壱人
 一、三百石より三百九拾石迄上下六人
   内 馬取壱人 鎗持同 具足箱持同 小姓同 草履取同 小荷駄一疋 口取壱人
 一、四百石より四百九拾石迄上下七人
   内 馬取壱人 鎗持同 具足箱持同 小姓同 草履取同 小荷駄二疋 口取二人
 一、五百石より五百九拾石迄上下九人
   内 馬取壱人 鉄炮壱挺 鎗持同 具足箱持同 鉄炮之者同 小姓同 草履取同 小荷駄二疋 口取二人
 一、六百石より六百九拾石迄上下拾人
   内 馬取弐人 鉄炮壱挺 鎗持同 具足箱持同 鉄炮之者同 小姓同 草履取同 小荷駄二疋 口取二人
 一、七百石より七百九拾石迄上下拾三人    (草履取壱人、抜けか)
   内 馬取弐人 鉄炮弐挺 鎗持同 鎗弐本 具足箱持同 鉄炮之者同 小姓同 手明同 小荷駄三疋 口取三人
 一、八百石より八百九拾石迄上下拾六人
   内 馬取弐人 鉄炮弐挺 鎗持同 鎗弐本 具足箱持同 鉄炮之者同 小姓三人 草履取壱人 手明三人 小荷駄三疋 口取三人
 一、九百石より九百九拾石迄上下拾八人
   内 馬取弐人 鉄炮弐挺 鎗持同 鎗弐本 具足箱持同 鉄炮之者同 小姓四人 草履取壱人 手明四人 小荷駄三疋 口取三人
         ささい=些細
 一、知行千石以上瑣碎之人数付不要之総人数並武具定置事
 一、千石上下弐拾壱人
   昇壱本 鉄炮三挺 鎗三本 小荷駄四疋 口取四人
 一、千百石上下弐拾三人
   昇壱本 鉄炮三挺 鎗三本 小荷駄四疋 口取四人
 一、千弐百石上下弐拾五人
   昇壱本 鉄炮三挺 鎗三本 小荷駄四疋 口取四人
 一、千三百石上下弐拾七人
   昇壱本 鉄炮四挺 鎗三本 小荷駄四疋 口取四人
 一、千四百石上下弐拾九人
   昇壱本 鉄炮四挺 鎗三本 小荷駄四疋 口取四人
 一、千五百石上下三拾壱人
   昇壱本 鉄炮五挺 鎗四本 小荷駄五疋 口取五人
 一、千六百石上下三拾三人
   昇壱本 鉄炮五挺 鎗四本 小荷駄五疋 口取五人
 一、千八百石上下三拾七人
   昇壱本 鉄炮五挺 鎗四本 小荷駄五疋 口取五人
 一、千九百石上下三拾九人
   昇壱本 鉄炮五挺 鎗四本 小荷駄五疋 口取五人
 一、弐千石上下四拾壱人
   昇壱本 鉄炮七挺 鎗五本 馬上壱騎 小荷駄七疋 口取七人
 一、弐千百石より弐千九百石迄百石高に壱人半増 其外都而弐千石之役同前之事
    但壱人半増にて半人之数に当時は減之 譬弐千百石は四拾弐人半に当り候付四拾弐人以下准之
 一、三千石上下六拾壱人
   昇壱本 鉄炮拾挺 鎗七本 馬上弐騎 小荷駄拾疋 口取拾人
 一、三千石より三千九百石迄百石高に壱人半増 其外都而三千石同前之事
 一、四千石上下七拾六人
   昇弐本 鉄炮拾弐挺 鎗七本 馬上三騎 小荷駄拾三疋 口取拾三人
 一、四千百石より四千九百石迄百石高に壱人半増 其外都而四千石同前之事
 一、五千石上下九拾壱人
   昇弐本 鉄炮拾五挺 鎗拾本 馬上四騎 鍬弐挺 小荷駄拾五疋 口取拾五人
 一、五千百石より五千九百石迄百石高に壱人半増 其外都而五千石同前之事
 一、六千石上下百六人
   昇三本 鉄炮拾八挺 鎗拾弐本 馬上五騎 鍬五挺 小荷駄拾八疋 口取拾八人
 一、六千百石より九千九百石迄前後の見合を以其時に相応に役可申付万石以上当時無之知行同前之事
 一、壱万石上下百七拾壱人
   昇五本 鉄炮三拾挺 鎗拾五本 馬上拾騎 鍬拾挺 小荷駄弐拾五疋 口取弐拾五人
 一、壱万五千石上下弐百六拾壱人
   昇五拾本 鉄炮五拾挺 鎗弐拾本 馬上拾五騎 鍬拾五挺 小荷駄三拾五疋 口取三拾五人
 一、壱万八千五百石上下三百三拾壱人
   昇五拾本 鉄炮七拾挺 鎗三拾本 馬上拾九騎 鍬弐拾挺 小荷駄四拾弐疋 口取四拾弐人
 一、三万石上下六百壱人
   昇五拾拾本 鉄炮百拾挺 馬上三拾騎 鍬三拾挺 小荷駄六拾疋 口取六拾人

               (以上)

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